この記事では、経営指標を使った企業分析事例についてを、図解を通じてわかりやすく解説します。
今回は「ニトリHD」と「ウエルシアHD」の2つの会社を、指標を比べながら解説します。
記事を通じて、分析力やビジネスリテラシーを身に付けましょう。
ステップ①事業内容の把握
まずは、今回の登場企業の紹介です。
- ニトリHD(家具の製造小売)
- ウエルシアHD(ドラッグストア)
両者ともに小売業を展開している企業です。しかし、販売商品やビジネスモデルは大きく異なります。
ニトリHDの事業内容と特徴
ニトリHDは、家具やインテリア用品の製造販売を行っている会社です。
「お、ねだん以上」で有名な家具チェーン店を郊外を中心に全国展開しています。
製造小売業(SPA)とは
ニトリHDは製造小売業、通称「SPAモデル」を採用しています。
SPAモデルとは、企画・デザイン・製造から販売までを自社で保有し、サプライチェーンの全体最適を図るモデルです。
SPAモデルを採用するメリットとして、コストの削減や顧客の声を商品に反映することが可能である点などが挙げられます。
一方、デメリットとして、設備保有等に伴い多額の資金が必要となることや、管理する範囲が広大になります。
ウエルシアHDの事業内容と特徴
ウエルシアHDは、調剤薬局併設型ドラッグストアチェーンを全国各地で運営している会社です。
ROEとは
さて、今回はこの両者の収益性を比較します。収益性を比較する上で「ROE」という指標を使用します。
ROEとは、「Return On Equity」の略で株主の所有分である自己資本に対する純利益の割合を表す指標です。
この指標が高いほど株主にとっての収益性が高いと判断できます。
ROEは収益性、効率性、レバレッジに分解することができ、各数値の変化によってROEが変化します。
これを「デュポンシステム(デュポン分解)」と言います。
ROEについて詳しく学びたい方は、下記の記事を先に御覧ください。
会計クイズ:問題
それでは、以上を踏まえて簡単なクイズです。
家具チェーン店でお馴染みのニトリHDのROEはどちらでしょう?
両者のビジネスモデルがどのように利益率、回転率、財務レバレッジに影響するのかを予想して考えてみてください。