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ROEとは?企業の投資効果を測る収益性の指標を分かりやすく解説

ROEとは?企業の投資効果を測る収益性の指標を分かりやすく解説

2023.8.8に更新

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大手町のランダムウォーカー

トータルSNSフォロワー20万人の会計インフルエンサー。著書の『世界一楽しい決算書の読み方』はシリーズ累計30万部突破。

目次


この記事では企業分析を行う際に、役に立つ経営指標の意味と使い方について解説します。
実際の企業事例を入れながら解説していきますので、ぜひ最後まで読んでいただけますと幸いです。

ROE(自己資本利益率)とは

ROEとは、「Return On Equity」の略で、株主が出資したお金を使い、どの程度の利益を生み出したかを示す収益性の指標です。通常は、ROEが高いほど、収益性が高いと評価されます。
自己資本利益率や株主資本利益率と表現されることもありますが、意味はすべて同義です。
ROEとは
この記事を読むと下記の内容が身に付きます。

  • ROEの基本的な考え方
  • ROEを使った、企業の強みの調べ方
  • ROEを見る際の注意点
  • 実際の企業事例でわかるROAとROEの違い

ROE(自己資本利益率)の計算式

ROEは、下記の計算式で算出します。

利益÷株主資本×100=ROE(%)

企業に投下された自己資本を使い、どの程度の利益が生み出されたかを見ています。

ROE(自己資本利益率)の分解

ROEを分解すると、売上高利益率総資産回転率財務レバレッジに分けることができます。
ROEの構成要素

売上高利益率とは、稼得した売上高からどの程度の利益を残すことができたかを表す指標です。
総資産回転率とは、会社の保有する全ての資産を使い、どの程度の売上を稼得したかを表す指標です。
財務レバレッジとは、総資産が自己資本の何倍あるかを表す指標であり、負債の利用度を明らかにします。

ROEは、この3つの指標を掛け合わせて計算されるため、企業の総合力を表す重要な指標となります。

上記の指標の意味をより深く学びたい方は、下記の記事から先に御覧ください。

ROEとROAの違い

ROEと似たような指標にROAという指標があります。
この2つの指標はどのような違いがあるのかを順を追って解説します。

ROAは総資産を使った収益性の指標

ROAとは「Return On Assets」の略で、会社の総資産を使ってどれだけの利益を上げられたかを示す投資収益性の指標です。

ROEとは違い、会社の総資産で企業の収益性を測ります
ROAとは

ROAでは負債の利用度が考慮されない

ROAの構成要素は、売上高利益率と総資産回転率の2つになります。
負債の利用度を表す財務レバレッジが考慮されないという点が、ROEとの大きな違いとなります。
ROAの構成要素

ROAについて、さらに詳しく知りたい方は下記の記事もおすすめです。

ROE(自己資本利益率)の基本的な考え方

ROEの考え方はシンプルで、ROEの数値が高ければ高いほど、自己資本を効率よく利用して利益を生み出していると判断されます。

しかし、より重要なことは「なぜそのようなROEの数値になるのか?」を考えることです。ROEの高低のみを見て終わるのでは無く、その数値の背景まで理解することで、より深い示唆を得ることに繋がります。
ROEの基本的な考え方

ROE(自己資本利益率)の目安

それでは、ROEはどの程度の水準が望ましいのでしょうか?

参考の1つとして、2014年に経済産業省から公表された報告書(通称伊藤レポート)では、日本企業は8%を上回るROEを一つの基準としています。
ROEの目安
もちろん業種や業界によってROEの平均値が異なるため、参考の1つとして8%という数値を覚えておくぐらいが望ましいでしょう。

ROE(自己資本利益率)を見る際の注意点

ROEを分析に利用する際には、注意すべき点があります。
それは負債利用度を増やすことで、意図的にROEの数値を大きくすることが可能という点です。

負債の利用度次第でROEを操作することが可能

ROEは、売上高利益率と総資産回転率と財務レバレッジの3つの要素で数字が決まります。そのため、仮に本業の成果を意味する売上高利益率と総資産回転率が一定の場合でも、財務レバレッジを高めることでROEを引き上げることが可能となります。
ROEを見る際の注意点
このような理由からも、ROEの数値のみを見るのではなく、ROEを構成する3つの指標まで深掘りする必要があります。

ROE(自己資本利益率)の企業分析事例

それではここから実際の上場企業を事例に解説していきます。
今回扱うのは化粧品ECで有名な北の達人コーポレーションと、大手書店チェーンの文教堂GHDです。

下の図を見ると分かる通り、両者ともにROEが高い傾向にあります。
その一方でROAの数値にはかなりの差があります。
ROEの事例

両者のROEを分解し、それぞれの構成要素を確認していきます。
ROEを分解した結果、北の達人コーポレーションは売上高利益率が非常に高く、一方で文教堂GHDは財務レバレッジが非常に高いことが分かります。
ROEの事例

上述した通り、負債の利用度が高まるにつれてROEも上昇します。
文教堂GHDは、ROEが非常に高く表示されますが、その一番の原因は財務レバレッジが高いという背景があります。
ROEの事例
逆に、ROAは負債を考慮せずに本業の収益力を表します。
ROEのみならず、ROAもセットで比較することで、持続的な企業の収益力を把握することが可能となります。
ROEの事例
このように、ROEの数値だけを見るのではなく、分解式に当てはめたり他の指標も併せて使ったりすることで、より深い企業分析を行うことができます。

ROE(自己資本利益率)の調べ方

実際の公開情報から、ROEの調べ方を紹介します。
今回は有価証券報告書を使い、ROEの計算に必要となる数値を取りに行きます。

有価証券報告書からROEを計算する

有価証券報告書の第一部【企業情報】を開いてください。
「1【主要な経営指標等の推移】」の中から、次の項目を取得します。

  • 純資産
  • 当期純利益

ROEの調べ方
これらの数値をもとに、ROEを計算することが可能です。
さらに分解して調べる場合には、経理の状況に掲載されている財務諸表まで見に行くと良いでしょう。
ROEの調べ方

ROE(自己資本利益率)のまとめ

以上、ROEの解説でした。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
指標を比べ差が出ることが分かったら、次はその原因がどこにあるのかを分解式などを用いて調べることで、より深い企業分析を行うことができます。
ぜひ参考にしていただけると幸いです。

企業分析の基礎知識を1からしっかり身に着けたい方は、下記の記事もおすすめです。


また、簿記の学習に興味がある方は、下記の記事もおすすめです。


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この記事では企業分析を行う際に、役に立つ経営指標の意味と使い方について解説します。
実際の企業事例を入れながら解説していきますので、ぜひ最後まで読んでいただけますと幸いです。

ROE(自己資本利益率)とは

ROEとは、「Return On Equity」の略で、株主が出資したお金を使い、どの程度の利益を生み出したかを示す収益性の指標です。通常は、ROEが高いほど、収益性が高いと評価されます。
自己資本利益率や株主資本利益率と表現されることもありますが、意味はすべて同義です。
ROEとは
この記事を読むと下記の内容が身に付きます。

  • ROEの基本的な考え方
  • ROEを使った、企業の強みの調べ方
  • ROEを見る際の注意点
  • 実際の企業事例でわかるROAとROEの違い

ROE(自己資本利益率)の計算式

ROEは、下記の計算式で算出します。

利益÷株主資本×100=ROE(%)

企業に投下された自己資本を使い、どの程度の利益が生み出されたかを見ています。

ROE(自己資本利益率)の分解

ROEを分解すると、売上高利益率総資産回転率財務レバレッジに分けることができます。
ROEの構成要素

売上高利益率とは、稼得した売上高からどの程度の利益を残すことができたかを表す指標です。
総資産回転率とは、会社の保有する全ての資産を使い、どの程度の売上を稼得したかを表す指標です。
財務レバレッジとは、総資産が自己資本の何倍あるかを表す指標であり、負債の利用度を明らかにします。

ROEは、この3つの指標を掛け合わせて計算されるため、企業の総合力を表す重要な指標となります。

上記の指標の意味をより深く学びたい方は、下記の記事から先に御覧ください。

ROEとROAの違い

ROEと似たような指標にROAという指標があります。
この2つの指標はどのような違いがあるのかを順を追って解説します。

ROAは総資産を使った収益性の指標

ROAとは「Return On Assets」の略で、会社の総資産を使ってどれだけの利益を上げられたかを示す投資収益性の指標です。

ROEとは違い、会社の総資産で企業の収益性を測ります
ROAとは

ROAでは負債の利用度が考慮されない

ROAの構成要素は、売上高利益率と総資産回転率の2つになります。
負債の利用度を表す財務レバレッジが考慮されないという点が、ROEとの大きな違いとなります。
ROAの構成要素

ROAについて、さらに詳しく知りたい方は下記の記事もおすすめです。

ROE(自己資本利益率)の基本的な考え方

ROEの考え方はシンプルで、ROEの数値が高ければ高いほど、自己資本を効率よく利用して利益を生み出していると判断されます。

しかし、より重要なことは「なぜそのようなROEの数値になるのか?」を考えることです。ROEの高低のみを見て終わるのでは無く、その数値の背景まで理解することで、より深い示唆を得ることに繋がります。
ROEの基本的な考え方

ROE(自己資本利益率)の目安

それでは、ROEはどの程度の水準が望ましいのでしょうか?

参考の1つとして、2014年に経済産業省から公表された報告書(通称伊藤レポート)では、日本企業は8%を上回るROEを一つの基準としています。
ROEの目安
もちろん業種や業界によってROEの平均値が異なるため、参考の1つとして8%という数値を覚えておくぐらいが望ましいでしょう。

ROE(自己資本利益率)を見る際の注意点

ROEを分析に利用する際には、注意すべき点があります。
それは負債利用度を増やすことで、意図的にROEの数値を大きくすることが可能という点です。

負債の利用度次第でROEを操作することが可能

ROEは、売上高利益率と総資産回転率と財務レバレッジの3つの要素で数字が決まります。そのため、仮に本業の成果を意味する売上高利益率と総資産回転率が一定の場合でも、財務レバレッジを高めることでROEを引き上げることが可能となります。
ROEを見る際の注意点
このような理由からも、ROEの数値のみを見るのではなく、ROEを構成する3つの指標まで深掘りする必要があります。

ROE(自己資本利益率)の企業分析事例

それではここから実際の上場企業を事例に解説していきます。
今回扱うのは化粧品ECで有名な北の達人コーポレーションと、大手書店チェーンの文教堂GHDです。

下の図を見ると分かる通り、両者ともにROEが高い傾向にあります。
その一方でROAの数値にはかなりの差があります。
ROEの事例

両者のROEを分解し、それぞれの構成要素を確認していきます。
ROEを分解した結果、北の達人コーポレーションは売上高利益率が非常に高く、一方で文教堂GHDは財務レバレッジが非常に高いことが分かります。
ROEの事例

上述した通り、負債の利用度が高まるにつれてROEも上昇します。
文教堂GHDは、ROEが非常に高く表示されますが、その一番の原因は財務レバレッジが高いという背景があります。
ROEの事例
逆に、ROAは負債を考慮せずに本業の収益力を表します。
ROEのみならず、ROAもセットで比較することで、持続的な企業の収益力を把握することが可能となります。
ROEの事例
このように、ROEの数値だけを見るのではなく、分解式に当てはめたり他の指標も併せて使ったりすることで、より深い企業分析を行うことができます。

ROE(自己資本利益率)の調べ方

実際の公開情報から、ROEの調べ方を紹介します。
今回は有価証券報告書を使い、ROEの計算に必要となる数値を取りに行きます。

有価証券報告書からROEを計算する

有価証券報告書の第一部【企業情報】を開いてください。
「1【主要な経営指標等の推移】」の中から、次の項目を取得します。

  • 純資産
  • 当期純利益

ROEの調べ方
これらの数値をもとに、ROEを計算することが可能です。
さらに分解して調べる場合には、経理の状況に掲載されている財務諸表まで見に行くと良いでしょう。
ROEの調べ方

ROE(自己資本利益率)のまとめ

以上、ROEの解説でした。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
指標を比べ差が出ることが分かったら、次はその原因がどこにあるのかを分解式などを用いて調べることで、より深い企業分析を行うことができます。
ぜひ参考にしていただけると幸いです。

企業分析の基礎知識を1からしっかり身に着けたい方は、下記の記事もおすすめです。


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