Funda Navi
バナー広告

会計クイズ

決算書の読み方

学習コンテンツ

勉強会情報

【図解】棚卸資産回転期間とは?在庫の効率性を測る指標をわかりやすく解説

【図解】棚卸資産回転期間とは?在庫の効率性を測る指標をわかりやすく解説

2022.11.30に更新

棚卸資産回転期間をご存じでしょうか?
この記事では、在庫の効率性を測定する棚卸資産回転期間の、意味や使い方をわかりやすく解説します。

棚卸資産回転期間とは?

棚卸資産回転期間とは、商品や材料を仕入れてから販売するまでにどの程度の時間を要したかを示す効率性の指標です。
棚卸資産回転期間が長い場合、売れ残りの在庫が多いことを表すため、一般的には短い方が望ましいです。
棚卸資産回転期間とは

棚卸資産と売上原価を比較して算出

棚卸資産回転期間は、以下の計算式で算出します。

棚卸資産÷(売上原価÷365)=棚卸資産回転期間(日)

棚卸資産回転期間とは

棚卸資産とは?

棚卸資産回転期間を分析する際に、最も重要となる勘定科目「棚卸資産」の意味を解説します。

棚卸資産は商品の在庫を意味する

棚卸資産とは、企業の貸借対照表の流動資産に含まれる勘定科目の一種で、企業が販売する商品の在庫のことを指します。
棚卸資産とは

棚卸資産の分類

一般的には棚卸資産は、下記の4つに分類されます。

  • 通常の営業過程において販売する財貨または用役仕入れた商品や製造した製品
  • 販売を目的とした現在製造中の財貨または用役販売するための製品で、現在製造途中にある仕掛品
  • 販売目的の財貨または用役を生産するために短期的に消費されるべき財貨製品を製造するために投入される材料など
  • 販売活動および一般管理活動において短期的に消費されるべき財貨販売するための製品を包装する資材などの消耗品

棚卸資産の具体例

‍りんごジュースの製造過程を例に上げると、

  • 材料(りんご等の製造に必要となる原料)
  • 仕掛品(製造途中の未完成品)
  • 製品(販売できる状態)

となります。
会計のルールでは、原則として、これらの全てを棚卸資産として一括で計上します。

従って、決算書を見る際には、「棚卸資産には何が入るのか」を考えることが非常に重要となります。
棚卸資産の事例

棚卸資産回転期間と棚卸資産回転率の違いは?

類似指標として、棚卸資産回転率という指標も存在します。
結論からいうと、表現の違いでしかなく、両者は同じ意味の指標と考えて問題ありません。

棚卸資産回転率は回転数で算出

棚卸資産回転率は、以下の計算式で算出します。

(売上原価÷棚卸資産)=棚卸資産回転率(回)

棚卸資産回転率とは

棚卸資産回転期間と棚卸資産回転率の使い分け

どちらの指標を使っても意味は同じであるため、分析やほかの指標との兼ね合いで使い分けることが望ましいです。
例えば、日数で表現した方がわかりやすい場合には、棚卸資産回転期間を使います。
一方、総資産回転率など、他の効率性指標と併記して使用する場合は棚卸資産回転率を使います。
棚卸資産回転期間と棚卸資産回転率の違い

棚卸資産回転期間の目安は?

棚卸資産回転期間は、損益計算書の売上原価が貸借対照表の棚卸資産の何倍存在するかを測り、棚卸資産の効率性を把握する指標です。

例えば、売上原価の金額が1,200万円で、棚卸資産の金額が100万円だったとします。売上原価の金額は棚卸資産の金額の12倍に相当します。
つまり、1年間に発生する売上原価1,200万円に対して、100万円(約1ヵ月分)を棚卸資産で保有していることを意味します。
棚卸資産回転期間で表すと約30日となり、企業が商品を仕入れてから販売するまでに30日程度要すると概算することができます。

棚卸資産資産回転期間は短い方が望ましい

棚卸資産回転期間は、一般的に短い方がいいとされています
企業の資金は無限ではありません。従って、企業は保有している資金をいくつかの選択肢の中から、最も利益を出せると考えたものへ投資しています。

「棚卸資産回転期間が長い」ということは、在庫として企業内部に滞留している期間が長いことを意味します。
つまり、企業が投資した商品が販売できず、同時に他の投資機会を失ってしまっています。
同様の理由で、棚卸資産も、少ない方が良いとされています
棚卸資産回転期間の目安

業種別に平均値が異なる

棚卸資産回転期間は業種毎に大きくことなります。業界平均の数値と比べて「長い」「短い」と比較を行うことで有用な示唆を得る切っ掛けとなる場合があります。

その際に、業界平均と比べて「長い」「短い」だけの結論を出すのではなく、「なぜ長いのか?」「なぜ短いのか?」まで原因を深掘りすることが重要です。
棚卸資産回転期間の業種平均

棚卸資産回転期間とセットで見るべき指標

多くの企業では、①仕入、②販売、③現金回収、という一連の取引が存在します。
この取引の流れの全体を見ることが、ビジネスの理解へと繋がります。

棚卸資産回転期間は、主に仕入と販売に掛かる指標ですが、実際の分析の際には、加えて、仕入債務回転期間や売上債権回転期間といった指標も併せて確認することが望ましいです。

仕入債務回転期間とは

仕入債務回転期間とは、商品を仕入れてから現金を支払うまでの期間を表す指標です。
仕入債務回転期間とは

売上債権回転期間とは

売上債権回転期間とは、商品を売り上げてから現金として回収できる期間を表す指標です。
売上債権回転期間とは

棚卸資産回転期間の調べ方とは?

それでは実際の指標の調べ方です。
今回は有価証券報告書を使って棚卸資産回転期間の計算に必要となる数値を取りに行きます。

‍有価証券報告書から棚卸資産回転期間を計算する

有価証券報告書の第一部【企業情報】の中の、第5【経理の状況】を開いてください。
貸借対照表と損益計算書の中から、次の項目を取得します。

  • 棚卸資産
  • 売上原価

棚卸資産回転期間の調べ方

経理の状況の貸借対照表の資産の部の中に棚卸資産、損益計算書の売上原価から棚卸資産回転期間を計算することができます。
また、棚卸資産の中身まで開示している企業の場合、注記事項を見ることで棚卸資産の中身まで確認することができます。
棚卸資産回転期間の調べ方
棚卸資産回転期間の調べ方

棚卸資産回転期間のまとめ

以上、指標の解説でした。
どんな指標でも同じことが言えますが、回転期間が長い、短いだけではなく、なぜ長いのか?なぜ短いのか?をビジネスに結び付けて考えられるとより示唆のある分析となります。
指標を比べ差が出ることがわかったら、次はその原因がどこにあるのかを調べることで一歩深堀した企業分析を行うことができます。ぜひ参考にして頂けると幸いです。

企業分析を1からしっかり学びたい方は、企業の経営成績の読み方がわかる下記の記事がおすすめです。
損益計算書の読み方を企業分析のプロがわかりやすく解説。

また、簿記の学習に興味がある方は、下記の記事もおすすめです。


もっと財務諸表を学びたい、財務スキルを身につけたい、企業のビジネスについて知りたいという方は、「Funda」で学びませんか?
どこよりもわかりやすく「財務」や「会計」が学べます。早速、下記の画像をクリックして学習を始めよう!

Funda Navi
トップ記事一覧勉強会情報