貸借対照表とは?
貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう)とは、企業の財政状態や、資金調達と運用の情報を伝える報告書です。
貸借対照表を見ることで、企業がどのような状態であるかを知ることができます。
これだけでは、さすがに全く意味がわからないと思います。
そこで、この記事では、貸借対照表の意味や読み方を、初心者の方でも理解できるレベルまで嚙み砕いて解説します。
読み方を知らない方や、苦手意識を持たれていた方も、ぜひ最後まで読んでみてください。
決算書とは?貸借対照表と損益計算書の違い
決算書とは、一言でいうと企業の成績表です。
企業は、経営成績や財政状態についてを株主や銀行に対して報告します。
代表的な決算書に、損益計算書、貸借対照表、キャッシュ・フロー計算書があります。
この記事では、貸借対照表についてを解説します。
貸借対照表から何がわかるの?
貸借対照表を見ることで会社がどのような状態かを知ることができます。
具体的には下記の3つです。
①会社の規模。
②資産や負債の中身。
③会社の純資産(安全性に関する情報)。
この記事では、それぞれの読み方についてを事例を交えて解説します。
今は「ふーん。」ぐらいの理解で問題ありません。
貸借対照表の読み方は?
貸借対照表と書いて、「たいしゃくたいしょうひょう」と読みます。
よく賃借(ちんしゃく)対照表と間違われることがありますが、そのような報告書は存在しませんので注意が必要です。
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貸借対照表の読み方:事例で解説
こちらは実際の上場企業の貸借対照表です。
テレビ局を運営する会社は選択肢のうちどちらでしょう?
下記の3つのうち、テレビ局を運営する日本テレビHDの貸借対照表が存在します。
もちろん、今は全くわからなくて問題ありません。
この記事を読み終わる頃には、貸借対照表を見ただけでどのようなビジネスを行っているかが読み取れるようになっているはずです。
ここからは、いよいよ具体的な読み方の解説に入っていきます。
※クイズの解答が今すぐ知りたい方は、この下の「会計クイズ:解説」まで飛んでみてくださいね。
貸借対照表の読み方:構成を理解しよう
それではここらは、貸借対照表の読み方を解説します。
まずは、貸借対照表の実物をご覧ください。
実物は難しい単語や数字だらけでよくわかりませんね。
そこで、この記事では、貸借対照表を図解にして解説します。
まずはシンプルな図から貸借対照表の読み方を覚え、慣れてきたら実物にも挑戦してみてください。
貸借対照表の読み方:なぜバランスシート(BS)?
貸借対照表は英語でバランス・シート(Balance sheet)と呼ばれます。
これは、貸借対照表の左側(資産)と右側(負債と純資産)の合計が一致し、バランスしていることが所以です。
貸借対照表の読み方:お金の流れ
貸借対照表を見るときは、真ん中で区切って左(資産)と右(負債と純資産)で分けて見ることが一般的です。
貸借対照表の構造は、通常、右(負債と純資産)からお金が入ってきて、入ってきたお金を左(資産)で運用します。
負債と純資産を調達サイド、資産を運用サイドと呼んだりします。
ここからは、調達サイドと運用サイドの順に解説していきます。
貸借対照表の読み方:調達サイド
貸借対照表の右側(負債と純資産)を調達サイドといいます。
企業がどのような方法でお金を集めてきたか?を表しています。
通常、返済が必要な資金調達の場合は負債に区分され、返済が不要な資金調達の場合は純資産に区分されます。
貸借対照表の読み方:運用サイド
貸借対照表の左側(資産)を運用サイドといいます。
企業が集めてきたお金を、どのような資産で運用しているか?を表しています。
企業は収益や利益を生み出す必要があります。そこで、資産の中身を見ることで、どのような手段で収益や利益を生み出そうとしているのかを読み取ることができます。
貸借対照表の読み方:まとめ
ここまでの内容のまとめです。貸借対照表は、お金の動きを表しており、通常右から左に流れています。
右側は資金調達の方法を表しており、左側は運用状況を表しています。
ここまでが、貸借対照表の大枠の読み方となります。
貸借対照表の読み方:内訳を知ろう
ここからは、貸借対照表の各区分の中身ついてを解説していきます。
貸借対照表の読み方:資産
資産とは、簡単に言うと会社が保有する財産を意味します。
企業は資産を運用し、お金を生み出します。
その回収するスピードに応じて、資産は流動資産と固定資産に分けられます。
流動資産は、比較的短期間で現金化するような資産が入ります。
「現金・預金」や「商品」「売掛金」等が入ってきます。
一方、固定資産には、会社が長期的に保有し続けるような資産が入ります。
「建物」「備品」「土地」のような長期間使用することで資金を回収することに寄与するものが含まれます。
以上より、資産サイドは資金の回収する早さに応じて「流動」と「固定」の2つに分かれます。
貸借対照表の読み方:負債
負債とは、簡単に言うと、会社が負っている支払義務や返済義務を意味します。
負債も返済期限の早さに応じて流動と固定に区分されます。
流動負債は決算日から1年以内に返済する必要のある負債です。
「買掛金」や1年未満で返済する「短期借入金」が含まれます。
一方、固定負債は決算日から1年を超えて返済予定の負債です。
代表的な項目として、「社債」や「長期借入金」が含まれます。
貸借対照表の読み方:純資産
純資産とは、会社が調達してきた資金のうち返済が不要なものを意味します。
株主が出資した資本金や、会社が稼いだ利益のうち社内に留保した利益剰余金などの「株主資本」と、
資産にも負債にも含まれない評価換算差額や新株予約権などの「その他」の項目で構成されます。
貸借対照表の読み方:まとめ
以上の内容をまとめます。
貸借対照表は、会社の財政状態を報告する決算書です。
貸借対照表は資産、負債、純資産の3つの項目で構成されています。
さらに、資産と負債は、それぞれ流動項目と固定項目に分類されます。
ここまでの内容を踏まえて、改めて冒頭のクイズにチャレンジしてみてください。
貸借対照表の読み方:会計クイズ
さて、改めてクイズです。
テレビ局を運営する会社は選択肢のうちどちらでしょう?
このように業種が違うと資産の持ち方や資金調達の方法も大きく異なります。
テレビ局はどのような資産が必要でしょうか?
まずは自分の頭の中で考えてみてください。