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【流動比率】短期的な支払能力の見方

【流動比率】短期的な支払能力の見方

2022.6.24に更新

流動比率とは

流動比率とは、企業の短期的な支払能力を表す代表的な指標です。
「流動資産が流動負債の何倍あるか」を示しており、流動比率の数値が高いほど、安全性が高いと判断します。

流動比率の計算式

(流動資産÷流動負債)×100=流動比率(%)
流動比率とは
ここで、流動比率の計算で使う、「流動資産」と「流動負債」について、簡単に概要を説明します。

まずは、流動資産についてです。
流動資産の中身には、次のようなものがあります。
・現金及び預金
・売上債権
・棚卸資産
いずれも、短期で現金化できる資産である点で、共通しています。
流動資産の中身
次に、流動負債についてです。

流動負債の中身には、次のようなものがあります。
・短期借入金
・1年以内返済予定社債
・事業負債
いずれも、1年以内に支払期限が訪れる点で、共通しています。
流動負債の内訳

流動比率の考え方

流動比率は、「100%以上」が望ましい水準となります。
その理由を説明するため、「流動比率が100%以上」の場合と、「流動比率が100%以下」の場合に分けて話を進めます。

流動比率が100%以上の場合

流動負債よりも流動資産の方が多い状態を表します。
1年以内に支払期限が到来する流動負債を賄うだけの、十分な流動資産を持っていることになるため、安全性が高いと言えるのです。

流動比率が100%以下の場合

流動負債よりも流動資産の方が少ない状態を表します。
もし、急に流動負債の全額返済を迫られた場合、流動資産をすべて現金化したとしても、返済しきれません。資金が不足して倒産という事態にもなりかねないので、安全性が高いとは言えません。

以上の理由から、流動比率は「100%以上」が望ましいと言えるのです。
流動比率の判断基準

流動比率を見る際のポイント

・流動資産の中身に注意
・流動負債の中身に注意
・短期の支払能力を厳密に表す当座比率
以上の3点を解説します。

流動資産の中身に注意

流動比率は、流動資産の合計額を使って計算するため、流動資産の中身については考慮されていません。
流動資産には、棚卸資産や売上債権が含まれるのですが、これらの資産には「現金化できない可能性」があります。
どういうことが考えられるのか、それぞれ説明します。

・棚卸資産の場合、商品の人気次第では、大量に作ったのに売れ残り、現金化できない可能性。
・売上債権の場合、取引先の経営状況が悪化した場合には、貸し倒れとなり回収できない可能性。

流動資産には、上記で説明したような特徴があるため、流動比率はあくまで簡易的な指標として使いましょう。
流動比での注意ポイント
ここで、棚卸資産については特例が存在します。

棚卸資産が多くても問題がない場合があります。
・新規出店を控えている
・大量の納品を予定している
・環境変化によって需要が拡大している
以上の3つに当てはまる場合は、棚卸資産が多くても、必ずしも悪いとは言えません。
棚卸資産が多くなってもいい場合
棚卸資産が多い場合は、
・棚卸資産が多い理由は?
・棚卸資産の現金化にはどれくらいの時間がかかる?
の2点について調べると、棚卸資産を抱えていても良い場合と悪い場合を判断できます。
棚卸資産が多いときは注意

流動負債の中身に注意

流動資産と同様、流動負債の中身にも目を向けましょう。

よくある例が、流動負債の多くが返済不要の「前受収益」で構成されている場合です。
SaaS系の企業が該当するのですが、この場合は流動比率が100%以下でも問題ありません。
流動負債の中身に注意
前受収益について、補足の説明をします。
前受収益とは、サービスの対価を前払いで受け取った場合に発生する勘定科目です。
流動負債の科目として処理する理由は、「顧客に対して、後からサービスを提供する義務が発生する」ためです。
前受収益とは

短期の支払能力を厳密に表す当座比率

流動比率よりも厳密に、短期の支払能力を表す指標として、「当座比率」があります。

当座比率とは、流動負債の何倍の当座資産が存在するかを表す指標です。当座資産とは、流動資産の中から棚卸資産などの「即座に現金化できない資産」を差し引いたものです。
ざっくりと短期の支払能力を把握したいときは流動比率で十分ですが、より確かな安全性を測りたいときは当座比率を使うとよいでしょう。

当座比率はこちらから→当座比率の考え方
当座比率とは

流動比率の調べ方

流動比率の計算に必要な、流動資産と流動負債の取得方法を紹介します。

有価証券報告書の第一部【企業情報】の中にある、第5【経理の状況】を開いてください。貸借対照表が掲載されているので、そちらを開きます。
それぞれの数値を取得できたら、計算式に当てはめることで、流動比率を計算できます。
流動比率と有価証券報告書
流動比率と有価証券報告書
流動比率と有価証券報告書
以上、流動比率の解説でした!
流動比率は、企業の短期的な支払能力を測る、代表的な指標です。ぜひ、分析に取り入れてみてください。

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