当座比率とは
当座比率とは、企業の財務状況を評価するための安全性の指標の一つで、短期的な支払い能力を示すものです。
具体的には、企業が持っている短期の資産(現金、預金、売掛金など)が、短期の負債(借入金、未払金、買掛金など)に対してどれだけ余裕があるかを示しています。
それでは、実際の企業の当座比率をクイズを通じて確認してみましょう。
今回は、古本屋を運営するブックオフグループホールディングスと、名刺管理サービスを運営するSansanの当座比率を比較します。
2023.5.7に更新
大手町のランダムウォーカー
トータルSNSフォロワー20万人の会計インフルエンサー。著書の『世界一楽しい決算書の読み方』はシリーズ累計30万部突破。
当座比率とは、企業の財務状況を評価するための安全性の指標の一つで、短期的な支払い能力を示すものです。
具体的には、企業が持っている短期の資産(現金、預金、売掛金など)が、短期の負債(借入金、未払金、買掛金など)に対してどれだけ余裕があるかを示しています。
それでは、実際の企業の当座比率をクイズを通じて確認してみましょう。
今回は、古本屋を運営するブックオフグループホールディングスと、名刺管理サービスを運営するSansanの当座比率を比較します。
当座比率とは、企業の財務状況を評価するための安全性の指標の一つで、短期的な支払い能力を示すものです。
具体的には、企業が持っている短期の資産(現金、預金、売掛金など)が、短期の負債(借入金、未払金、買掛金など)に対してどれだけ余裕があるかを示しています。
それでは、実際の企業の当座比率をクイズを通じて確認してみましょう。
今回は、古本屋を運営するブックオフグループホールディングスと、名刺管理サービスを運営するSansanの当座比率を比較します。
このクイズの解答は...
(下記のボタンを押して回答できます)
ブックオフGHD(古本屋)
Sansan(名刺管理サービス)
それでは正解の発表です。
正解はSansanです。
ブックオフは、流動資産は大きい特徴があります。しかし、流動資産の大部分が書籍の在庫であるため、棚卸資産が大きくなります。その結果、当座資産は流動資産に比べ、大きく小さくなり、それに伴い当座比率も小さくなります。
一方、Sansanは、流動資産の中身の大部分が現金等です。従って、流動資産と当座資産は近似するため、流動比率とほとんど変わらない当座比率となります。
それでは、ここからは当座比率の使い方を解説します。
当座比率とは、企業の短期的な資金の余裕度を調べる指標です。
支払期限までが短い「流動負債」に対して、企業の支払い原資である「当座資産」をどれだけ保有しているかを表します。
当座比率は、下記の計算式で算出します。
この数値が高いほど、短期的な負債に対する支払いの余裕度が高く、安全性が高い企業だと判断できます。
当座資産とは、企業が短期間(通常1年以内)で現金化しやすい資産のことを指します。これらの資産は、企業が短期的な負債を返済する際に重要な役割を果たします。
当座資産の中身には、次のようなものがあります。
当座比率の目安は、企業が短期的な支払い能力を持っているかどうかを判断する際の基準となる数値です。一般的に、当座比率が100%以上であれば、短期的な支払い能力に問題がないとされています。つまり、100%を超える場合、企業は短期的な負債に対して十分な資産を持っているということになります。
当座比率が100%以上ある企業は、流動負債よりも多くの当座資産を持っています。
万が一、短期的な負債の決済を迫られたとしても、当座資産で返済可能です。
資金不足には陥いる可能性が低いため、安全性が高い企業と言えるでしょう。
対して、当座比率が100%以下の企業はどうでしょうか。
流動負債をまかなえるだけの当座資産を持っていないため、急な決済を迫られた場合には、資金が足りずに倒産する危険性があります。
当座比率と流動比率は、共に企業の短期的な支払い能力を評価する指標ですが、それぞれ計算方法や意味する範囲が異なります。
流動比率とは、企業の短期的な支払い能力を示す財務指標のひとつで、1年以内に現金化が可能な資産(流動資産)が、1年以内に返済が求められる負債(流動負債)に対してどれだけ充分かを示します。
流動比率に関して、詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
流動比率には、短期間で現金化できない「棚卸資産」が含まれています。
従って、厳密な短期の支払能力を把握したい場合には、流動比率は適しません。
そこで、流動比率の代わりとなるのが、当座比率です。
当座比率の計算では、流動資産から棚卸資産を除外した「当座資産」を使います。
棚卸資産を除外する理由は、棚卸資産は短期間での現金化が難しい場合があるためです。
棚卸資産が短期間で現金化が難しいと考えられる理由は下記の2点です。
そのため、より厳密に企業の支払い能力を見る際には、棚卸資産を除外した当座比率を使います。
下図のような企業を例に考えましょう。
流動比率が100%以上となっているため、一見、安全性が高いように思えます。
しかし、当座比率は100%を下回るため、安全性は低いという結論になります。
流動比率と当座比率に差が生まれる原因には、上記で解説した棚卸資産が関係していることが多いです。
企業の安全性を分析する際は、まず流動比率で簡易的に把握して、より厳密に測りたいときに当座比率を使うのがおすすめです。
当座比率の計算に必要な、当座資産と流動負債の取得方法を紹介します。
当座資産と流動負債の数値は、有価証券報告書から取得します。
第一部【企業情報】の中にある、第5【経理の状況】を開いてください。
貸借対照表の中から、次の項目を取得します。
あとは、計算式に当てはめれば、当座比率を算出可能です。
以上、当座比率の解説でした。
当座比率は、流動比率と同じで、安全性の分析で使える指標です。流動比率との違いは、その厳密さです。現金化に時間がかかる「棚卸資産」などを排除した上で、短期的な支払能力を見ています。
流動比率と比べるとマイナーな指標ですが、企業の短期的な支払能力を厳密に把握する際に役立ちます。
ぜひ、分析に取り入れてみてください。
また、余裕のある方は、下記のクイズにもチャレンジしてみてください。
正解と解説は次の記事で行っています。ぜひ、損益計算書の読み方をこの機に学んでみてください。
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