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【図解】固定比率(固定長期適合率)とは?安全性を測る指標をわかりやすく解説

【図解】固定比率(固定長期適合率)とは?安全性を測る指標をわかりやすく解説

2022.11.16に更新


この記事では企業分析を行う際に役に立つ経営指標の意味と使い方について解説します
図解を交えながら解説していきますので、ぜひ最後まで読んでいただけますと幸いです。

固定比率とは?

この記事では、固定比率と固定長期適合率を紹介します。
まずは固定比率から解説していきます。

固定比率とは、投資回収に時間がかかる固定資産の何割が、返済義務のない純資産でまかなわれているかを見る指標です。
この数値が低いほど、安全性が高いと考えます。
固定比率・固定長期適合率とは

固定資産と純資産を比較して算出

固定比率は、下記の計算式で算出します。

( 固定資産÷純資産 )×100=固定比率(%)

次に、固定長期適合率について解説します。

固定長期適合率とは?

固定長期適合率とは、投資回収に時間がかかる固定資産の何割が、返済義務のない純資産と、返済期限までに長期間の猶予がある固定負債の合計額でまかなわれているかを見る指標です。
この数値が低いほど、安全性が高いと考えます。
固定比率・固定長期適合率とは

固定資産と固定負債・純資産を比較して算出

固定長期適合率は、下記の計算式で算出します。

[(固定資産÷(固定負債+純資産) ]×100=固定長期適合率(%)

ここで、固定比率及び固定長期適合率の計算で使う、「固定資産」と「固定負債」、「純資産」について、簡単に概要を説明します。

‍固定資産とは

まずは、固定資産についてです。
固定資産の中身には、次のようなものがあります。
建物
工場
無形固定資産
いずれも、現金化に長期の時間を要する資産である点で、共通しています。
固定資産の中身

固定負債とは

次に、固定負債についてです。

固定負債の中身には、次のようなものがあります。
長期借入金
社債
いずれも、1年以上先に支払期限が訪れる点で、共通しています。
固定負債の中身

純資産とは

最後に、純資産についてです。

純資産の中身には、次のようなものがあります。
利益剰余金
資本金
いずれも、返済する必要がない資産で、共通しています。
純資産の中身

固定比率と固定長期適合率の基本的な考え方

固定比率、固定長期適合率の基本的な考え方や目安についてを解説します。

‍固定比率の目安

固定比率は、「100%以下」が望ましい水準となります。
なぜなら、投資回収に時間がかかる固定資産すべてを、返済義務のない純資産でまかなえている方が、安全性が高いためです。
固定比率・固定長期適合率の判断基準

固定長期適合率の目安

固定長期適合率も、「100%以下」が望ましい水準となります。

なぜなら、投資回収に時間がかかる固定資産すべてを、長期の資金である純資産と固定負債で賄えている方が、安全性が高いためです。

固定比率と異なり、返済義務のある固定負債を考慮した指標となっています。
しかし、固定負債であれば、返済猶予が1年以上あるため、すぐに返済を求められる可能性は低く、長期間使える資金と捉えてよいでしょう。
固定比率・固定長期適合率の判断基準

ここで、なぜ固定長期適合率が「100%以上」ではいけないのかを説明します。

固定長期適合率が100%以上の場合、固定資産の一部を流動負債でまかなっていることになります。
流動負債は、返済期限が「1年以内」に到来する項目です。

つまり、流動負債を返済するために、資産の一部を売却しなければいけない可能性があります。
※売上の目処や資金調達の目処が立っている場合は別です。

多くの固定資産が必要となるビジネスは、固定資産を使って収益を上げていることが多いため、資産の一部を売却してしまうと、安定した経営ができなくなるリスクがあります。

以上の点から、固定長期適合率は100%以下が望ましいです。
固定比率・固定長期適合率
固定比率・固定長期適合率

固定長期適合率を見る際のポイント

固定長期適合率の使用が適切な場合と不適切な場合
類似指標である流動比率との比較
以上の2点を解説します。

固定長期適合率の使用が適切な場合

固定長期適合率の使用が適切な場合は、固定資産を多く保有する企業に対して、安全性を評価するときです。
固定比率・固定長期適合率

固定長期適合率の使用が不適切な場合

反対に、固定長期適合率の使用が不適切な場合は、固定資産を多く持たない企業に対して、安全性を評価するときです。
例えば、流動資産が多い企業や、固定資産持たない経営をしている企業です。

最近は、化粧品メーカーでも製造を外部に委託する企業が増えています。また、飲食店であればフランチャイズ展開で店舗を持たない企業があります。
このような企業に対しては、固定長期適合率を使って安全性分析をしても、あまり有益な示唆は得られないことが多いです。
固定比率・固定長期適合率の注意ポイント

類似指標である流動比率との比較

下のスライドの左側に示した固定長期適合率は、「固定資産を固定負債+純資産でまかなえているか」から、経営の安全性を評価しています。

これに対し、右側に示した流動比率は、「流動負債を支払うだけの、十分な流動資産を持っているか」から、短期的な支払能力を見ています
固定比率・固定長期適合率と流動比率

それぞれ使う数値を整理すると、下のようになります。
・固定長期適合率:固定資産、流動負債、純資産
・流動比率:流動資産、流動負債

つまり、固定長期適合率が100%以下であれば、必ず流動比率は100%以上となります。
計算で使う数値は異なるものの、本質的には同じことを評価している指標といえますね。

流動比率:短期の支払能力を知りたい時
固定長期適合率:投資に対する安全性を知りたい時

以上のように、本質的には同じことを評価していますが、指標によって得られる示唆が異なります。
分析の目的や企業の形態に合わせて、使い分けましょう。

流動比率について、より詳しく知りたい方は下記の記事もおすすめです。
流動比率の読み方

固定比率・固定長期適合率の調べ方とは?

それでは実際の指標の調べ方です。
固定比率と固定長期適合率の計算に必要な、固定資産と固定負債、純資産の取得方法を紹介します。

‍有価証券報告書から固定比率・固定長期適合率を計算する

第一部【企業情報】の中にある、第5【経理の状況】から貸借対照表の情報を取得します。
固定比率・固定長期適合率と有価証券報告書

貸借対照表から「固定資産と固定負債、純資産」の数値を取得できたら、計算式に当てはめることで、固定比率や固定長期適合率を計算できます。
固定比率・固定長期適合率と有価証券報告書
固定比率・固定長期適合率と有価証券報告書

固定比率・固定長期適合率のまとめ

以上、固定比率、固定長期適合率でした!
流動比率との使い分けを意識して、安全性分析をしてみてください!

企業分析を1からしっかり学びたい方は、企業の経営成績の読み方がわかる下記の記事がおすすめです。
損益計算書の読み方を企業分析のプロがわかりやすく解説。

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