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CCCとは?運転資金の効率性を測る指標をわかりやすく解説

2024.4.29

CCCとは?運転資金の効率性を測る指標をわかりやすく解説

キャッシュコンバージョンサイクル(CCC)をご存じでしょうか?

この記事では、運転資金の効率性を測るキャッシュコンバージョンサイクル(CCC)の意味や使い方をわかりやすく解説します。

キャッシュコンバージョンサイクル(CCC)とは?

キャッシュコンバージョンサイクル(CCC)とは、材料や商品を仕入れて販売し、現金化するまでにどの程度の時間を要するかを表す資金運用の効率性を見る経営指標です。

材料や商品を仕入れてから現金化されるまでの期間から、運転資金がどれほど必要かを測ることができます。

キャッシュコンバージョンサイクルとは


キャッシュコンバージョンサイクル(CCC)の計算式

CCCは、下記の計算式で算出します。

棚卸資産回転期間+売上債権回転期間ー仕入債務回転期間=CCC(キャッシュコンバージョンサイクル)(日)

キャッシュコンバージョンサイクル(CCC)とは

CCCは、「棚卸資産回転期間」「売上債権回転期間」「仕入債務回転期間」の三つで構成されています。

それぞれ1つずつ紹介します。


棚卸資産回転期間

棚卸資産回転期間企業が仕入れた商品を棚卸資産として企業内に保有している期間の事を指します。

そのため、この期間が長いほど販売までに時間がかかるということがわかります。

棚卸資産回転期間


売上債権回転期間

売上債権回転期間は、企業が商品やサービスを販売してから、販売代金をキャッシュで獲得できるまでの期間を表します。

一般的には、クレカでの販売や法人との契約で月末払いなどが該当します。

長くなりすぎている場合は、取引先に問題があることがあるため注意が必要です。

売上債権回転期間


<補足>オペレーティングサイクルとは?

棚卸資産回転期間と売上債権回転期間を合わせてオペレーティングサイクルといいます。

商品を仕入れて、販売して、現金になるまでどれくらいの期間がかかるかを把握することができます。

「調達」、「製造」、「物流」、「販売」、「現金化」の一連の商流の中で何が長期化の要因なのかなどを調べると有益な示唆を得られます。

オペレーティングサイクル


仕入債務回転期間

仕入債務回転期間は、企業が仕入れてから仕入代金を支払うまでに何日間あるかを把握する指標です。

支払期限が長いほど、企業の中に現金を止めておくことができるという利点があります。

仕入債務回転期間の長さは、企業が取引先にとって優位な立場にあるのかどうかの判断材料にもなります。

ただし、長すぎる場合は、企業が現金を支払えないことが原因である可能性が高いため注意が必要です。

仕入債務回転期間


キャッシュコンバージョンサイクル(CCC)の目安は?

CCCは仕入等により現金が出てから販売した売上が現金で入ってくるまでの期間を表す指標です。

例えば、毎日10万円仕入れている企業のCCC(キャッシュコンバージョンサイクル)が10日だった場合は、10日分の仕入代金を追加で保有しておく必要があります。

1日だった場合は、1日分の仕入代金を追加で用意しておけばいいということです。


キャッシュコンバージョンサイクル(CCC)は短い方が望ましい

一般的にCCCが短ければ短いほど運転資金を少なく企業を運営することができます

なぜ運転資金が少なくて済むかというと、現金が出てから現金が入ってくるまでの期間が短ければ、自社にお金がない状態が短くなるからです。


キャッシュコンバージョンサイクル(CCC)の基本的な見方

長い場合と短い場合を、例にあげて紹介します。


キャッシュコンバージョンサイクル(CCC)が長い場合

CCCが長い場合、現金が出てから入ってくるまでに長い時間を要します。

その結果、運転資金を借り入れる必要があるため、支払利息など無駄なコストが増えることになります。

ただし、すべての企業が運転資金を借り入れているわけではありません。

キャッシュコンバージョンサイクル(CCC)が長い事例


キャッシュコンバージョンサイクル(CCC)が短い場合

CCCが短いと運転資金は、少なくて済みます。

したがって、CCCは短ければ短いほど効率的に資金を動かせているということになります。

キャッシュコンバージョンサイクル(CCC)の短い事例

さらに企業によってはCCCがマイナスになることがあります。

つまり、仕入代金を支払うよりも売上金の入金が先にくることを意味しています。

したがって、CCCがマイナスの企業は販売の規模が多きくればなるほど現金が創出される状態になっています。

キャッシュコンバージョンサイクル(CCC)のマイナスの事例


キャッシュコンバージョンサイクル(CCC)の使い方とは?

指標の使い方は主に二つあります。

・同じ企業での時系列比較

・業界水準との比較

をする際に使います。


時系列での比較

企業のCCCが過去と比較して改善されているかを測ることができます。

企業の過去と現在で、プロダクトやビジネスモデルが変わっていないかなどを考慮して比較する必要があります。


業界水準との比較

相対的に対象企業がどれほど伸びているのかを比較できます。

企業が仕入先の企業に対して優位性があるのか、販売に関しては現金取引が多いのか、また人気商品を扱っているのかどうかで大きく変わります。

企業の経営戦略などもわかるため、より深く分析する際のとっかかりになります。

キャッシュコンバージョンサイクル(CCC)の使い方


より詳細にキャッシュコンバージョンサイクル(CCC)を見る際のポイント

より詳細な分析をする際は、CCCを分解して、営業活動全体からどこに強みがあり、弱みがあるのかを把握する必要があります。

業種や企業戦略により、それぞれどこに強みがあるのかが変わります。

その際に、考慮すべきポイントは

  • どんなプロダクトを扱っているのか
  • 販売先はどこなのか
  • 交渉力が強いのか etc

です。

詳しくは、「棚卸資産回転期間」、「売上債権回転期間」「仕入債務回転期間」の記事を読み、それぞれを詳細に分析することがおすすめです。

キャッシュコンバージョンサイクル(CCC)の詳細な分析


キャッシュコンバージョンサイクル(CCC)の調べ方

それでは実際の指標の調べ方です。

今回は有価証券報告書を使ってCCC(キャッシュコンバージョンサイクル)の計算に必要となる数値を取りに行きます。


有価証券報告書からキャッシュコンバージョンサイクル(CCC)を計算する

有価証券報告書の第一部【企業情報】の中の、第5【経理の状況】に売上高と売上債権、売上原価、棚卸資産、仕入債務が記載されています。

キャッシュコンバージ有価証券報告書ョンサイクル(CCC)と
キャッシュコンバー有価証券報告書ジョンサイクル(CCC)と

経理の状況の損益計算書、貸借対照表のデータから

①棚卸資産と売上原価から棚卸資産回転期間を算出

②売上債権と売上高から売上債権回転期間を算出

③仕入債務と売上原価から仕入債務回転期間を算出

その後に、棚卸資産回転期間と売上債権回転期間を足して、仕入債務回転期間を引くとCCC(キャッシュコンバージョンサイクル)を算出できます。

キャッシュコンバージョンサイクル(CCC)と棚卸資産回転期間
キャッシュコンバージョンサイクル(CCC)と売上債権回転期間
キャッシュコンバージョンサイクル(CCC)と仕入債務回転期間


キャッシュコンバージョンサイクル(CCC)のまとめ

以上、指標の解説でした。

どんな指標でも同じことが言えますが、回転期間が長い、短いだけではなく、なぜ長いのか?なぜ短いのか?をビジネスに結び付けて考えられるとより示唆のある分析となります。

指標を比べ差が出ることがわかったら、次はその原因がどこにあるのかを調べることで一歩深堀した企業分析を行うことができます。ぜひ参考にして頂けると幸いです。

企業分析を1からしっかり学びたい方は、企業の経営成績の読み方がわかる下記の記事がおすすめです。


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この記事を書いた人

著者:大手町のランダムウォーカー

大手町のランダムウォーカー

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トータルSNSフォロワー20万人の会計インフルエンサー。著書の『世界一楽しい決算書の読み方』はシリーズ累計30万部突破。

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