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PBRとは?計算方法や目安、PERとの違いをわかりやすく解説

PBRとは?計算方法や目安、PERとの違いをわかりやすく解説

2023.11.10に更新

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大手町のランダムウォーカー

トータルSNSフォロワー20万人の会計インフルエンサー。著書の『世界一楽しい決算書の読み方』はシリーズ累計30万部突破。

目次

PBR(株価純資産倍率)とは?

PBR」とは、「株価純資産倍率」の略で、企業の株価と企業の純資産(財産の価値から負債を引いたもの)の比率を示します。これは、企業の価値が適切に評価されているかどうかを判断するための指標として利用されます。
PBRとは
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株式と株価の基本

株式とは、企業の所有権の一部を示すもので、株式を持っている人(株主)は企業の一部のオーナーとなります。株価は、その企業の株式がどれくらいの価値があるかを示す金額です。

企業価値の評価方法

企業の価値を評価する方法には、いくつかの指標があります。そのうちの一つがPBR(株価純資産倍率)です。PBRは企業の株価とその純資産(企業が持っている財産から借金を引いたもの)の関係を示す指標です。

PBRが何を意味するのかを理解する

PBRは、企業の株価がその純資産に対して適切であるかどうかを判断する目安となります。PBRが高い場合、株価が純資産に対して高い評価を受けていると言えます。逆に、PBRが低い場合は、株価が純資産に対して低い評価を受けていると言えます。

PBRの活用方法

PBRを使って、企業の株価が適切であるかどうかを判断し、投資判断を行うことができます。一般的に、PBRが低い企業は割安とされ、投資のチャンスがあるとされますが、業種や市場状況によっては、高いPBRでも成長性が期待できる場合があります。

PBRの計算式は?

PBRを計算するには、次の式を使います。

  • PBR = 株価 ÷ 1株当たり純資産額

ここで言う1株当たり純資産額は、企業の純資産を発行済み株式数で割ったものです。
PBRの計算式

株価

企業の株価は、株式市場で取引される価格です。株価は、インターネット上の金融サイトや新聞などで確認することができます。

1株あたり純資産額(BPS)

1株あたり純資産(BPS)は、企業の純資産(総資産から総負債を引いたもの)を発行済み株式数で割った値です。企業の有価証券報告書や決算短信などから、純資産と発行済み株式数を調べ、その値を計算します。
1株あたり純資産額(BPS)
BPSについて、詳しく学習したい方は下記の記事も一緒にご覧ください。
BPS(一株あたり純資産)をわかりやすく解説

PBRの計算事例

具体例として、株価が1,000円、1株あたり純資産が500円の場合を考えてみましょう。

  • 株価:1,000円
  • 1株あたり純資産(BPS):500円


先程の計算式に当てはめてPBRの値を算出します。

  • PBR = 株価 ÷ 1株あたり純資産
  • PBR = 1,000円 ÷ 500円
  • PBR = 2


この例では、PBRが2となります。この値は、企業の株価が1株あたり純資産の2倍で評価されていることを示しています。

PBRの目安は?

一般的に、PBRが1.0以下の場合は割安1.0~1.5程度であれば適正1.5以上であれば割高とされます。ただし、この目安はあくまで一般的なものであり、業種や市場状況によって異なることがあります。

PBRの目安を知る際に、併せて知るべきポイントについてをそれぞれ説明します。
PBRの目安

PBRを見る際の基本

PBRが1より大きい場合企業の株価が純資産に比べて高く評価されていると言えます。逆に、PBRが1より小さい場合は、株価が純資産に比べて低く評価されていると判断できます。

PBRを使って投資判断を行う際、PBRが低い企業ほど割安であるとされますが、業種や市場状況によっては、高いPBRでも成長性が期待できる場合があります。

業種別のPBRの違いを理解する

業種によっては、成長性や収益性が高いため、PBRが高い状態でも投資家から評価されることがあります。逆に、成長性が低い業種では、PBRが低くても適正とされることがあります。そのため、企業の評価をする際は、業種別のPBRの違いを考慮することが大切です。

個別企業の状況を考慮する

PBRの目安だけでなく、企業の業績や財務状況、市場環境なども考慮して投資判断を行うことが重要です。例えば、業績が急速に改善している企業や、将来的な成長が期待される企業は、PBRが高くても投資価値があるとされることがあります。

PBRの使い方は?

PBRは、株価が割安か割高かを評価する指標の一つです。しかし、計算式に基づいて求められた株式指標の数値だけでは、その数値が良いのか悪いのかを判断することは難しいです。

そのため、PBRを活用して分析を行う際には、適切な比較が必要となります。具体的には、以下の2つの方法を主に用いて比較を行います。

  • 同業界比較
  • 時系列比較

これら2つの比較方法を用いてPBRを分析することで、企業の株価が適正かどうかを判断し、投資判断に役立てることができます。
PBRの使い方

PBRの値を時系列で比較する

PBRを時系列で見ることで、過去における企業の株価評価の変化を理解することができます。これにより、企業がどのような状況で割安や割高とされたのか、その背景を把握することが可能になります。
時系列比較

PBRの値を同業種で比較する

PBRの値は、企業の成長性や業種、市場環境によって異なります。そのため、同じ業種の企業や市場全体の平均PBRと比較することで、その企業の株価が適切かどうか判断できます。
同業種比較

同業種のPBRが近似する理由

同じ業種の企業は、多くの場合、類似したビジネスモデルや市場環境に置かれています。このため、成長性や収益性、リスクなどの基本的な特性に類似点が見られることが一般的です。

さらに、投資家は業種全体の成長性や市場環境を基に企業を評価する傾向があります。その結果、同じ業種内の企業は、類似した市場環境の中で投資家から同様の評価基準で見られることが多いのです。

業種の特性や競争状況、投資家の評価基準が類似していることから、PBRという指標も近い数値になる傾向があります。このため、同業種の企業同士でPBRを比較することは、各企業の評価や投資判断において有益な情報を提供するきっかけとなるでしょう。投資家は、業種内でのPBRの比較を通じて、企業の割安性や投資リスクを評価し、より適切な投資判断を行うことが可能となります。

PBRを使う際の注意点

PBRを使う際の注意点は主に2つあります。

  • 1株あたり純資産はあくまで帳簿上の数値
  • PBRが低い状態で放置されている銘柄

下記の2点について、それぞれ解説します。
PBRを使う際の注意点

1株あたり純資産はあくまで帳簿上の数値

PBRは、企業の株価を1株あたり純資産で割った値です。しかし、1株あたり純資産は会計上の数値であり、実際の企業価値とは必ずしも一致しないことがあります。例えば、土地や建物などの資産が古い場合、帳簿上の価値よりも実際の市場価値が高いことがあります。そのため、PBRを使って企業を評価する際には、1株あたり純資産の背後にある実際の資産価値や事業の状況も考慮することが重要です。

PBRが低い状態で放置されている銘柄

PBRが低い企業は割安とされることがありますが、すべての低PBR銘柄が良い投資対象とは限りません。PBRが低い状態で放置されているケースとして、下記の3つがあります。

  • 株式市場が下落中の場合
  • 業績悪化を株価が先取りしている場合
  • 投資家から不人気の場合

これらの理由から、PBRが低い状態で放置されている銘柄が存在します。投資判断を行う際には、これらの理由を考慮し、他の財務指標や業績、業界動向なども総合的に分析して、適切な評価を行うことが重要です。

それぞれのケースについて詳しく解説します。
PBRが低い状態で放置されている銘柄

株式市場が下落中の場合

株式市場全体が下落している場合、多くの銘柄が売られることで株価が下がります。この結果、企業の1株あたり純資産に対する株価が低くなり、PBRが低い状態になることがあります。市場全体の下落が一時的であれば、PBRが低い銘柄は再評価される可能性がありますが、長期的な下落の場合はPBRが低いまま放置されることがあります。

業績悪化を株価が先取りしている場合

企業の業績が悪化することが予想される場合、投資家はそのリスクを織り込んで株価を下げます。このため、株価が下がり、PBRが低い状態になることがあります。業績が回復すれば、PBRも上昇する可能性がありますが、業績が悪化し続ける場合は、PBRが低いまま放置されることがあります。

投資家から不人気の場合

ある企業が投資家から不人気である場合、その企業の株式の需要が低くなり、株価が下がることがあります。その結果、PBRが低い状態になります。投資家の関心が戻れば、PBRも上昇する可能性がありますが、投資家から見放され続ける場合は、PBRが低いまま放置されることがあります。

PBRとPERの違いは?

PBRとPERは、どちらも株式投資において企業の割安度や割高度を判断するための指標です。それぞれの共通点と相違点を説明します。

共通点

PBRとPERは、両者共に株式投資で使われる指標です。企業の価値を評価するための指標として利用されます。

相違点

両者は計算に用いるデータが異なります。PBRは「株価」と「1株あたり純資産」を使って計算されますが、PERは「株価」と「1株あたり利益(EPS)」を使って計算されます。

また、評価する際の基準も異なります。PBRは企業の資産価値を根拠に評価しますが、PERは企業の利益を根拠に評価します。つまり、PBRは企業の財務状況に注目し、PERは企業の収益性に注目しています。

PERについて詳しく学びたい方は下記の記事もお勧めです。
株価に対する収益性を表す指標「PER」をわかりやすく解説

両指標の使い分け

PBR企業の財務状況に注目するため、資産価値が適正に評価されているかどうかを確認する際に役立ちます。一方、PER企業の収益性に注目するため、将来の利益成長が期待できるかどうかを評価する際に利用します

したがって、投資目的や分析の目的に応じて、PBRとPERを使い分けることが重要です。
PBRとPERの使い分け

PBRの調べ方は?

PBRを調べる方法をシンプルに説明します。

ステップ1:有価証券報告書や決算短信を入手する

企業のPBRを調べるには、まず、有価証券報告書や決算短信を手に入れましょう。これらの資料は、企業のウェブサイトや証券取引所のウェブサイトで見つけることができます。
PBRの調べ方

ステップ2:1株あたり純資産を探す

次に、有価証券報告書や決算短信の中から、「1株あたり純資産」というデータを見つけましょう。これは、企業の財産の価値を1株当たりに換算したものです。
PBRの調べ方

ステップ3:現在の株価を調べる

株価は、インターネットで調べることができます。各証券会社のウェブサイトや金融ニュースサイトを使って、調べたい企業の株価を探しましょう。
PBRの調べ方

ステップ4:PBRを計算する

最後に、PBRを計算します。現在の株価を、先ほど調べた1株あたり純資産で割ります。計算結果がPBRです。
PBRの調べ方

PBRのまとめ

この記事では、株価評価指標であるPBR株価純資産倍率)について解説しました。PBRは企業の株価と1株あたり純資産の比率を示す指標で、株価が割安か割高かを判断する際に用いられます。一般的には、PBRが1.0より小さい場合は割安、1.5より大きい場合は割高とされることが多いですが、業界や時期によって目安は変わることがあります。

PBRは企業分析や投資判断に役立つ重要な指標ですが、他の指標(PERなど)も併せて学び、総合的な分析を行うことが大切です。

ぜひ、これからの企業分析に活用してみてください。
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また、簿記の学習に興味がある方は、下記の記事もおすすめです。
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PBR(株価純資産倍率)とは?

PBR」とは、「株価純資産倍率」の略で、企業の株価と企業の純資産(財産の価値から負債を引いたもの)の比率を示します。これは、企業の価値が適切に評価されているかどうかを判断するための指標として利用されます。
PBRとは
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株式と株価の基本

株式とは、企業の所有権の一部を示すもので、株式を持っている人(株主)は企業の一部のオーナーとなります。株価は、その企業の株式がどれくらいの価値があるかを示す金額です。

企業価値の評価方法

企業の価値を評価する方法には、いくつかの指標があります。そのうちの一つがPBR(株価純資産倍率)です。PBRは企業の株価とその純資産(企業が持っている財産から借金を引いたもの)の関係を示す指標です。

PBRが何を意味するのかを理解する

PBRは、企業の株価がその純資産に対して適切であるかどうかを判断する目安となります。PBRが高い場合、株価が純資産に対して高い評価を受けていると言えます。逆に、PBRが低い場合は、株価が純資産に対して低い評価を受けていると言えます。

PBRの活用方法

PBRを使って、企業の株価が適切であるかどうかを判断し、投資判断を行うことができます。一般的に、PBRが低い企業は割安とされ、投資のチャンスがあるとされますが、業種や市場状況によっては、高いPBRでも成長性が期待できる場合があります。

PBRの計算式は?

PBRを計算するには、次の式を使います。

  • PBR = 株価 ÷ 1株当たり純資産額

ここで言う1株当たり純資産額は、企業の純資産を発行済み株式数で割ったものです。
PBRの計算式

株価

企業の株価は、株式市場で取引される価格です。株価は、インターネット上の金融サイトや新聞などで確認することができます。

1株あたり純資産額(BPS)

1株あたり純資産(BPS)は、企業の純資産(総資産から総負債を引いたもの)を発行済み株式数で割った値です。企業の有価証券報告書や決算短信などから、純資産と発行済み株式数を調べ、その値を計算します。
1株あたり純資産額(BPS)
BPSについて、詳しく学習したい方は下記の記事も一緒にご覧ください。
BPS(一株あたり純資産)をわかりやすく解説

PBRの計算事例

具体例として、株価が1,000円、1株あたり純資産が500円の場合を考えてみましょう。

  • 株価:1,000円
  • 1株あたり純資産(BPS):500円


先程の計算式に当てはめてPBRの値を算出します。

  • PBR = 株価 ÷ 1株あたり純資産
  • PBR = 1,000円 ÷ 500円
  • PBR = 2


この例では、PBRが2となります。この値は、企業の株価が1株あたり純資産の2倍で評価されていることを示しています。

PBRの目安は?

一般的に、PBRが1.0以下の場合は割安1.0~1.5程度であれば適正1.5以上であれば割高とされます。ただし、この目安はあくまで一般的なものであり、業種や市場状況によって異なることがあります。

PBRの目安を知る際に、併せて知るべきポイントについてをそれぞれ説明します。
PBRの目安

PBRを見る際の基本

PBRが1より大きい場合企業の株価が純資産に比べて高く評価されていると言えます。逆に、PBRが1より小さい場合は、株価が純資産に比べて低く評価されていると判断できます。

PBRを使って投資判断を行う際、PBRが低い企業ほど割安であるとされますが、業種や市場状況によっては、高いPBRでも成長性が期待できる場合があります。

業種別のPBRの違いを理解する

業種によっては、成長性や収益性が高いため、PBRが高い状態でも投資家から評価されることがあります。逆に、成長性が低い業種では、PBRが低くても適正とされることがあります。そのため、企業の評価をする際は、業種別のPBRの違いを考慮することが大切です。

個別企業の状況を考慮する

PBRの目安だけでなく、企業の業績や財務状況、市場環境なども考慮して投資判断を行うことが重要です。例えば、業績が急速に改善している企業や、将来的な成長が期待される企業は、PBRが高くても投資価値があるとされることがあります。

PBRの使い方は?

PBRは、株価が割安か割高かを評価する指標の一つです。しかし、計算式に基づいて求められた株式指標の数値だけでは、その数値が良いのか悪いのかを判断することは難しいです。

そのため、PBRを活用して分析を行う際には、適切な比較が必要となります。具体的には、以下の2つの方法を主に用いて比較を行います。

  • 同業界比較
  • 時系列比較

これら2つの比較方法を用いてPBRを分析することで、企業の株価が適正かどうかを判断し、投資判断に役立てることができます。
PBRの使い方

PBRの値を時系列で比較する

PBRを時系列で見ることで、過去における企業の株価評価の変化を理解することができます。これにより、企業がどのような状況で割安や割高とされたのか、その背景を把握することが可能になります。
時系列比較

PBRの値を同業種で比較する

PBRの値は、企業の成長性や業種、市場環境によって異なります。そのため、同じ業種の企業や市場全体の平均PBRと比較することで、その企業の株価が適切かどうか判断できます。
同業種比較

同業種のPBRが近似する理由

同じ業種の企業は、多くの場合、類似したビジネスモデルや市場環境に置かれています。このため、成長性や収益性、リスクなどの基本的な特性に類似点が見られることが一般的です。

さらに、投資家は業種全体の成長性や市場環境を基に企業を評価する傾向があります。その結果、同じ業種内の企業は、類似した市場環境の中で投資家から同様の評価基準で見られることが多いのです。

業種の特性や競争状況、投資家の評価基準が類似していることから、PBRという指標も近い数値になる傾向があります。このため、同業種の企業同士でPBRを比較することは、各企業の評価や投資判断において有益な情報を提供するきっかけとなるでしょう。投資家は、業種内でのPBRの比較を通じて、企業の割安性や投資リスクを評価し、より適切な投資判断を行うことが可能となります。

PBRを使う際の注意点

PBRを使う際の注意点は主に2つあります。

  • 1株あたり純資産はあくまで帳簿上の数値
  • PBRが低い状態で放置されている銘柄

下記の2点について、それぞれ解説します。
PBRを使う際の注意点

1株あたり純資産はあくまで帳簿上の数値

PBRは、企業の株価を1株あたり純資産で割った値です。しかし、1株あたり純資産は会計上の数値であり、実際の企業価値とは必ずしも一致しないことがあります。例えば、土地や建物などの資産が古い場合、帳簿上の価値よりも実際の市場価値が高いことがあります。そのため、PBRを使って企業を評価する際には、1株あたり純資産の背後にある実際の資産価値や事業の状況も考慮することが重要です。

PBRが低い状態で放置されている銘柄

PBRが低い企業は割安とされることがありますが、すべての低PBR銘柄が良い投資対象とは限りません。PBRが低い状態で放置されているケースとして、下記の3つがあります。

  • 株式市場が下落中の場合
  • 業績悪化を株価が先取りしている場合
  • 投資家から不人気の場合

これらの理由から、PBRが低い状態で放置されている銘柄が存在します。投資判断を行う際には、これらの理由を考慮し、他の財務指標や業績、業界動向なども総合的に分析して、適切な評価を行うことが重要です。

それぞれのケースについて詳しく解説します。
PBRが低い状態で放置されている銘柄

株式市場が下落中の場合

株式市場全体が下落している場合、多くの銘柄が売られることで株価が下がります。この結果、企業の1株あたり純資産に対する株価が低くなり、PBRが低い状態になることがあります。市場全体の下落が一時的であれば、PBRが低い銘柄は再評価される可能性がありますが、長期的な下落の場合はPBRが低いまま放置されることがあります。

業績悪化を株価が先取りしている場合

企業の業績が悪化することが予想される場合、投資家はそのリスクを織り込んで株価を下げます。このため、株価が下がり、PBRが低い状態になることがあります。業績が回復すれば、PBRも上昇する可能性がありますが、業績が悪化し続ける場合は、PBRが低いまま放置されることがあります。

投資家から不人気の場合

ある企業が投資家から不人気である場合、その企業の株式の需要が低くなり、株価が下がることがあります。その結果、PBRが低い状態になります。投資家の関心が戻れば、PBRも上昇する可能性がありますが、投資家から見放され続ける場合は、PBRが低いまま放置されることがあります。

PBRとPERの違いは?

PBRとPERは、どちらも株式投資において企業の割安度や割高度を判断するための指標です。それぞれの共通点と相違点を説明します。

共通点

PBRとPERは、両者共に株式投資で使われる指標です。企業の価値を評価するための指標として利用されます。

相違点

両者は計算に用いるデータが異なります。PBRは「株価」と「1株あたり純資産」を使って計算されますが、PERは「株価」と「1株あたり利益(EPS)」を使って計算されます。

また、評価する際の基準も異なります。PBRは企業の資産価値を根拠に評価しますが、PERは企業の利益を根拠に評価します。つまり、PBRは企業の財務状況に注目し、PERは企業の収益性に注目しています。

PERについて詳しく学びたい方は下記の記事もお勧めです。
株価に対する収益性を表す指標「PER」をわかりやすく解説

両指標の使い分け

PBR企業の財務状況に注目するため、資産価値が適正に評価されているかどうかを確認する際に役立ちます。一方、PER企業の収益性に注目するため、将来の利益成長が期待できるかどうかを評価する際に利用します

したがって、投資目的や分析の目的に応じて、PBRとPERを使い分けることが重要です。
PBRとPERの使い分け

PBRの調べ方は?

PBRを調べる方法をシンプルに説明します。

ステップ1:有価証券報告書や決算短信を入手する

企業のPBRを調べるには、まず、有価証券報告書や決算短信を手に入れましょう。これらの資料は、企業のウェブサイトや証券取引所のウェブサイトで見つけることができます。
PBRの調べ方

ステップ2:1株あたり純資産を探す

次に、有価証券報告書や決算短信の中から、「1株あたり純資産」というデータを見つけましょう。これは、企業の財産の価値を1株当たりに換算したものです。
PBRの調べ方

ステップ3:現在の株価を調べる

株価は、インターネットで調べることができます。各証券会社のウェブサイトや金融ニュースサイトを使って、調べたい企業の株価を探しましょう。
PBRの調べ方

ステップ4:PBRを計算する

最後に、PBRを計算します。現在の株価を、先ほど調べた1株あたり純資産で割ります。計算結果がPBRです。
PBRの調べ方

PBRのまとめ

この記事では、株価評価指標であるPBR株価純資産倍率)について解説しました。PBRは企業の株価と1株あたり純資産の比率を示す指標で、株価が割安か割高かを判断する際に用いられます。一般的には、PBRが1.0より小さい場合は割安、1.5より大きい場合は割高とされることが多いですが、業界や時期によって目安は変わることがあります。

PBRは企業分析や投資判断に役立つ重要な指標ですが、他の指標(PERなど)も併せて学び、総合的な分析を行うことが大切です。

ぜひ、これからの企業分析に活用してみてください。
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