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PBRとは?株価の割安割高を測る株式指標をわかりやすく解説

PBRとは?株価の割安割高を測る株式指標をわかりやすく解説

2023.4.6に更新

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大手町のランダムウォーカー

トータルSNSフォロワー20万人の会計インフルエンサー。著書の『世界一楽しい決算書の読み方』はシリーズ累計30万部突破。

目次


この記事では企業分析を行う際に、役に立つ株式指標の意味と使い方について解説します。
図解を入れながら解説していきますので、ぜひ最後まで読んでいただけますと幸いです。

PBR(株価純資産倍率)とは?

PBRとは、「Price Book-value Ratio」略で、企業が保有する純資産に対して株価が割高か割安かを判断する際に用いる株式指標です。
基本的には、PBRが低いほど、株価が割安であると評価されます。
株価純資産倍率と表現されることもありますが、意味は同義です。
PBRとは

株価とBPSを比較して算出

PBRは、下記の計算式で算出します。

株価÷BPS(1株あたり純資産)=PBR(倍)

会社が解散した場合に投資額(株価)のどれくらいを回収可能かを見ています

例えば、下図の場合は1株あたり純資産(BPS)が200円に対して株価が1,000円です。
つまり、会社が解散した場合に投資額(1,000円)に対して200円しか回収できないという計算になります。
下図の状態をPBR5倍と表すことができます。
PBRとBPSの関係性

BPS(1株あたり純資産)とは

BPSとは、「Book-value Per Share」の略で、PBRの算出や企業の安全性分析などに使う株式指標です。

BPSは、下記の計算式で算出します。

純資産÷発行株式数=BPS(円)

純資産を発行株式数で割って計算することで、1株あたりの純資産を算出します。

PBR(株価純資産倍率)の目安

PBRの考え方はシンプルで、PBRの数値が低ければ低いほど、株価が割安であると判断できます。

しかし、PBRの高低のみを見て終わるのではなく、後述する同業界比較時系列比較使う際の注意点などを踏まえて見ることで、より深い示唆を得ることができます。

特にPBRが低い状態のまま株価が推移している銘柄は、問題を抱えている可能性があるため注意する必要があります。
PBRの目安

PBRの目安は1倍

PBRは、株価がBPSと等しくなる1倍が1つの目安です。

PBRが1倍以下であれば投資額以上の現金を回収できるため割安と判断でき、1倍以上であれば割高と簡易的に割安性を判断することができます。

もちろん業種や業界によってPBRの平均値が異なるため、参考の1つとして1倍という数値を覚えておくぐらいが望ましいでしょう。
PBRの目安

PBR(株価純資産倍率)の使い方とは?

PBRは、株価が割安か割高かを見ることができる指標です。

しかし、計算式に当てはめて株式指標を算出するだけでは、その数値が良いのか、悪いのかを判断することができません。

そのため、PBRを使って分析する際は比較する必要があります。
PBRを使う際は、

  • 同業界比較
  • 時系列比較

の主に2つの比較をします。
PBRの使い方

同業界比較

基本的に同業界の企業は事業内容やビジネスモデルが似ている場合が多くあり、数値に差がないことが多いです。

PBRは業界によって平均値が異なるため、業界内での比較が必要になります。
一般的に、PBRは純資産を使い、より収益を上げそうな企業ほど割高になる傾向があります。

したがって、PBRの目安である1倍だけでなく同業界比較まで深屈することで、より正確に株価が割安かどうかを判断することができます。
PBRの同業界比較

時系列比較

基本的に企業の事業内容が大きく変わることは多くありません。
そのため、過去と今のPBRを比較することで、その会社の適正PBRや特殊要因による異常値を発見することができます。

PBRが低くなった場合は「なぜ低くなったのか?致命的な不祥事はないか?」などを考えることで、株価が割高か割安かを見分けることができます。
PBRの時系列比較

PBR(株価純資産倍率)を使う際の注意点

PBRを使う際の注意点は主に2つあります。

  • 1株あたり純資産はあくまで帳簿上の数値
  • PBRが低い状態で放置されている銘柄

順を追って解説します。
PBRを使う際の注意点

1株あたり純資産はあくまで帳簿上の数値

PBRの算出で使う純資産は資産から負債を引いて計算しますが、あくまで帳簿上の数値となります。

会社の保有している資産は時価で売却されるため、帳簿価格(簿価)通りに売れるとは限りません。

したがって、PBRを見る際は帳簿価格だけでなく時価も見る必要があります。
PBRを使う際の注意点

PBRが低い状態で放置されている銘柄

PBRが低い状態で放置されている銘柄は何かしら問題を抱えている可能性が高いです。
PBRが低いままの銘柄は主に3つの理由が考えられます。

  • 株式市場が下落中の場合
  • 業績悪化を株価が先取りしている場合
  • 投資家から不人気の場合

株式市場が下落中の場合

1つ目の理由として、株式市場が下落中で企業実態よりも売り込まれている可能性が考えられます。

この場合は、一時的にBPSが低くなっている可能性が高いため特に問題はありません。

業績悪化を株価が先取りしている場合

2つ目の理由は、業績悪化による純資産の減少を株価が先取りしている場合です。

この場合は、工場閉鎖や事業撤退などの損失計上や市場環境の悪化による業績悪化などで将来に1株あたり純資産が減少する可能性が高いと投資家が考えた場合、PBRが割安でも株価が下げ止まらない可能性があるため注意が必要です。

投資家から不人気の場合

3つ目の理由は、投資家から不人気で安値で放置されている場合です。

この場合は、理由①と同様、一時的にBPSが低くなっている可能性が高いため特に問題はありません。
PBRを使う際の注意点

また、業績が安定している企業や現金に比べて借金が少ない企業は、PBRが低くても問題を抱えている可能性が低いです。
そのため、低PBR銘柄に投資するときは上記の理由3つと企業の安全性を加味して判断しましょう。

PBR(株価純資産倍率)の調べ方とは?

それでは実際の指標の調べ方です。
今回は有価証券報告書と決算短信を使ってPBRの計算に必要となる数値を取りに行きます。

有価証券報告書からPBRを計算する

有価証券報告書の、「1【主要な経営指標等の推移】」の欄には、1株あたり純資産のデータが数年分掲載されています。
PBRの調べ方

現在の株価を1株あたり純資産の数値で割って計算することで、PBRを算出することができます。
PBRの調べ方

決算短信からPBRを計算する

決算短信には1株あたり純資産が掲載されています。
そのため、株価を1株あたり純資産で割ることでPBRを把握することができます。
PBRの調べ方

PBR(株価純資産倍率)のまとめ

以上、PBRの解説でした。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
同業界比較や時系列比較などを使って、ぜひ企業分析をしてみてください!


企業分析を1からしっかり学びたい方は、企業の経営成績の読み方がわかる下記の記事がおすすめです。



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この記事では企業分析を行う際に、役に立つ株式指標の意味と使い方について解説します。
図解を入れながら解説していきますので、ぜひ最後まで読んでいただけますと幸いです。

PBR(株価純資産倍率)とは?

PBRとは、「Price Book-value Ratio」略で、企業が保有する純資産に対して株価が割高か割安かを判断する際に用いる株式指標です。
基本的には、PBRが低いほど、株価が割安であると評価されます。
株価純資産倍率と表現されることもありますが、意味は同義です。
PBRとは

株価とBPSを比較して算出

PBRは、下記の計算式で算出します。

株価÷BPS(1株あたり純資産)=PBR(倍)

会社が解散した場合に投資額(株価)のどれくらいを回収可能かを見ています

例えば、下図の場合は1株あたり純資産(BPS)が200円に対して株価が1,000円です。
つまり、会社が解散した場合に投資額(1,000円)に対して200円しか回収できないという計算になります。
下図の状態をPBR5倍と表すことができます。
PBRとBPSの関係性

BPS(1株あたり純資産)とは

BPSとは、「Book-value Per Share」の略で、PBRの算出や企業の安全性分析などに使う株式指標です。

BPSは、下記の計算式で算出します。

純資産÷発行株式数=BPS(円)

純資産を発行株式数で割って計算することで、1株あたりの純資産を算出します。

PBR(株価純資産倍率)の目安

PBRの考え方はシンプルで、PBRの数値が低ければ低いほど、株価が割安であると判断できます。

しかし、PBRの高低のみを見て終わるのではなく、後述する同業界比較時系列比較使う際の注意点などを踏まえて見ることで、より深い示唆を得ることができます。

特にPBRが低い状態のまま株価が推移している銘柄は、問題を抱えている可能性があるため注意する必要があります。
PBRの目安

PBRの目安は1倍

PBRは、株価がBPSと等しくなる1倍が1つの目安です。

PBRが1倍以下であれば投資額以上の現金を回収できるため割安と判断でき、1倍以上であれば割高と簡易的に割安性を判断することができます。

もちろん業種や業界によってPBRの平均値が異なるため、参考の1つとして1倍という数値を覚えておくぐらいが望ましいでしょう。
PBRの目安

PBR(株価純資産倍率)の使い方とは?

PBRは、株価が割安か割高かを見ることができる指標です。

しかし、計算式に当てはめて株式指標を算出するだけでは、その数値が良いのか、悪いのかを判断することができません。

そのため、PBRを使って分析する際は比較する必要があります。
PBRを使う際は、

  • 同業界比較
  • 時系列比較

の主に2つの比較をします。
PBRの使い方

同業界比較

基本的に同業界の企業は事業内容やビジネスモデルが似ている場合が多くあり、数値に差がないことが多いです。

PBRは業界によって平均値が異なるため、業界内での比較が必要になります。
一般的に、PBRは純資産を使い、より収益を上げそうな企業ほど割高になる傾向があります。

したがって、PBRの目安である1倍だけでなく同業界比較まで深屈することで、より正確に株価が割安かどうかを判断することができます。
PBRの同業界比較

時系列比較

基本的に企業の事業内容が大きく変わることは多くありません。
そのため、過去と今のPBRを比較することで、その会社の適正PBRや特殊要因による異常値を発見することができます。

PBRが低くなった場合は「なぜ低くなったのか?致命的な不祥事はないか?」などを考えることで、株価が割高か割安かを見分けることができます。
PBRの時系列比較

PBR(株価純資産倍率)を使う際の注意点

PBRを使う際の注意点は主に2つあります。

  • 1株あたり純資産はあくまで帳簿上の数値
  • PBRが低い状態で放置されている銘柄

順を追って解説します。
PBRを使う際の注意点

1株あたり純資産はあくまで帳簿上の数値

PBRの算出で使う純資産は資産から負債を引いて計算しますが、あくまで帳簿上の数値となります。

会社の保有している資産は時価で売却されるため、帳簿価格(簿価)通りに売れるとは限りません。

したがって、PBRを見る際は帳簿価格だけでなく時価も見る必要があります。
PBRを使う際の注意点

PBRが低い状態で放置されている銘柄

PBRが低い状態で放置されている銘柄は何かしら問題を抱えている可能性が高いです。
PBRが低いままの銘柄は主に3つの理由が考えられます。

  • 株式市場が下落中の場合
  • 業績悪化を株価が先取りしている場合
  • 投資家から不人気の場合

株式市場が下落中の場合

1つ目の理由として、株式市場が下落中で企業実態よりも売り込まれている可能性が考えられます。

この場合は、一時的にBPSが低くなっている可能性が高いため特に問題はありません。

業績悪化を株価が先取りしている場合

2つ目の理由は、業績悪化による純資産の減少を株価が先取りしている場合です。

この場合は、工場閉鎖や事業撤退などの損失計上や市場環境の悪化による業績悪化などで将来に1株あたり純資産が減少する可能性が高いと投資家が考えた場合、PBRが割安でも株価が下げ止まらない可能性があるため注意が必要です。

投資家から不人気の場合

3つ目の理由は、投資家から不人気で安値で放置されている場合です。

この場合は、理由①と同様、一時的にBPSが低くなっている可能性が高いため特に問題はありません。
PBRを使う際の注意点

また、業績が安定している企業や現金に比べて借金が少ない企業は、PBRが低くても問題を抱えている可能性が低いです。
そのため、低PBR銘柄に投資するときは上記の理由3つと企業の安全性を加味して判断しましょう。

PBR(株価純資産倍率)の調べ方とは?

それでは実際の指標の調べ方です。
今回は有価証券報告書と決算短信を使ってPBRの計算に必要となる数値を取りに行きます。

有価証券報告書からPBRを計算する

有価証券報告書の、「1【主要な経営指標等の推移】」の欄には、1株あたり純資産のデータが数年分掲載されています。
PBRの調べ方

現在の株価を1株あたり純資産の数値で割って計算することで、PBRを算出することができます。
PBRの調べ方

決算短信からPBRを計算する

決算短信には1株あたり純資産が掲載されています。
そのため、株価を1株あたり純資産で割ることでPBRを把握することができます。
PBRの調べ方

PBR(株価純資産倍率)のまとめ

以上、PBRの解説でした。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
同業界比較や時系列比較などを使って、ぜひ企業分析をしてみてください!


企業分析を1からしっかり学びたい方は、企業の経営成績の読み方がわかる下記の記事がおすすめです。



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