この記事では企業分析を行う際に、役に立つ株式指標の意味と使い方について解説します。
図解を入れながら解説していきますので、ぜひ最後まで読んでいただけますと幸いです。
配当性向とは?
配当性向とは、当期純利益の中からいくらの配当金を支払っているかを表す株式指標です。
1年間で儲けたお金からどれほど還元しているかを見ています。
1株あたり配当額とEPSを比較して算出
配当性向は、下記の計算式で算出します。
1株あたり配当額÷EPS×100=配当性向(%)
1株あたり配当額とEPS(1株あたり純利益)を比較することで、当期純利益に占める年間配当金の割合を見ています。
EPS(1株あたり純利益)とは
EPSとは、「Earnings Per Share」の略で、企業の1株あたり純利益を表す株式指標です。
EPSは、下記の計算式で算出します。
純利益÷発行株式数=EPS(円)
純利益を発行済株式数で割って計算することで、1株あたりの純利益を見ることができます。
配当性向の目安
来期以降も継続して配当金を支払える会社が望ましいため、配当性向100%以下であれば及第点と言えます。
また、投資先の支払い余力が高いほど望ましいため、目安としては配当性向50%以下が好ましいです。
配当性向100%以上は要注意
1株あたり純利益以上の配当金を出している配当性向100%以上の企業は、かなり無理をして配当金を支払っていると考えられます。
来期以降も継続して配当金を支払えない可能性があるため注意が必要です。
業種ごとの傾向
配当性向は業種ごとに異なります。
ITベンチャーなどの新興企業は、利益を将来への投資に回すため、配当金を出さない企業も存在します。
一方、電気・通信などの成熟企業は利益を配当金に回すため、配当性向が高くなる傾向があります。
配当性向を見る際は業種ごとの傾向も踏まえて判断しましょう。
配当性向の使い方
配当性向を見る際のポイントは主に2つあります。
- 過去の実績値と来期の予想値を確認
- 配当性向50%以下か確認
過去の実績値と来期の予想値を確認
配当性向は常に一定ではありません。
企業の業績や市場の影響によって配当金額が変わります。
そのため、決算書から過去の配当性向と来期の予想値を確認しておく必要があります。
配当性向50%以下か確認
配当金の継続性の観点から配当性向は50%以下であることがベストです。
配当金>1株あたり純利益となるような配当性向100%以上の企業は、来期以降も継続して配当金を支払える可能性が低いため、投資先の企業を分析する際は確認しておきましょう。
配当性向の調べ方とは?
それでは実際の指標の調べ方です。
今回は有価証券報告書を使って配当性向の数値を取りに行きます。
有価証券報告書から配当性向を計算する
有価証券報告書の、「1【主要な経営指標等の推移】」の欄には、配当性向のデータが数年分掲載されています。
「(2)提出会社の経営指標等」から配当性向のデータを数年分把握することができます。
配当性向のまとめ
以上、配当性向の解説でした。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
1株あたり配当額とEPSを比較して、ぜひ配当性向を実際の銘柄分析に活用してみてください!
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