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【売上高研究開発費率】研究開発への投資の割合を見る指標

【売上高研究開発費率】研究開発への投資の割合を見る指標

2022.6.24に更新

売上高研究開発費率とは

売上高研究開発費率とは、売上高に対する研究開発費の割合のことを表す経営指標です。
企業の規模に対してどれだけ研究開発に力をいれているかどうかを判断する際に使います。

研究開発がうまくいけば、企業にとって強みになり得るため、企業の成長性などを把握する際に有効です。

売上高研究開発費率の計算式

研究開発費÷売上高×100=売上高研究開発費率(%)
売上高研究開発費率とは

売上高研究開発費率の考え方

売上高研究開発費率は、指標概要でも記載した通り、売上高に対し、研究開発費にどれほど投資しているのかどうかを把握することができます。

例えば、製薬会社の場合、研究開発費用は新薬の開発や薬の改良などに使われます。
この研究開発がうまくいけば、企業の強みとなり企業が成長する一つの要因となります。
そのため、研究開発費は企業によっては成長のために欠かせないものとなっています。

ただし、研究開発費をかければ、必ず将来の売上高や利益につながるわけではないため、研究開発費が大きいほど企業の成長が期待できるなどはありません。
研究開発費に加えて、研究開発費をかけることで得られた結果もあわせて見るのがおすすめです。
売上高研究開発費率の考え方

研究開発費とは

‍研究開発費は、
・研究費
・開発費
の2つに分けられます。

研究費とは、新しい知識の発見を目的とした探求にかかった費用のことを指し、開発費が新しい製品・サービスを作るのにかかった経費の事を指します。

実際に財務諸表には、研究費と開発費にわけて記載されているわけではないですが、どんな内容で構成されているのかを把握しておくことは重要です。
参考:EY HP
研究開発費とは

売上高研究開発費率の使い方

指標を見る際は、
・時系列の比較
・業界平均と比較
すると有益な示唆を得られることが多いです。

時系列での比較

企業の過去の動向を追うことができるため、今後企業がどのように研究開発費をかけるのかをおおまかに予測することができます。

競合企業との比較

研究開発費の投資効率を競合企業と比較することで、研究開発費に対してどれほど売上高を上げているかが読み取れます。
さらに、企業のビジネスモデルの特徴も見えるため、競合との強みや弱みなどの違いを把握することにも役立ちます。
売上高研究開発費率の比較

プロダクトの把握

研究開発費率のみでは、企業の財務諸表等を読み切れません。

その際に、プロダクトを把握する必要があります。
・プロダクトの競争優位性の把握
・プロダクトライフサイクルの把握
により深く分析することができます。

取り扱っているプロダクトが、業界内で競争優位性はあるのかどうかや業界自体の動向を把握する必要があります。
業界によっては常に進化を求められ、多額の研究開発費をかける必要がある場合があります。
売上高研究開発費率とは

プロダクトライフサイクルの把握

プロダクトライフサイクルを把握することで研究開発費の動向がわかることがあります。
企業のプロダクトが「導入期」・「成長期」・「成熟期」・「衰退期」のどれに該当するのかにより研究開発費の投資が効率的になりやすいかどうかが把握できます。
「導入期」や「成長期」の場合は、これから市場の拡大余地が大きいため先行投資を回収できる可能性が高いです。
反対に「成熟期」や「衰退期」では、市場の拡大余地が小さいため、投資分を回収するのが難しくなります。

具体的に製薬業界でイメージすると、新薬を開発するタイミングでは多額の研究開発費が必要ですが、完成してしまえばその費用はほとんどかかりません。
ただし、新薬が特許で守られる期間は決まっているため、新薬が完成したとしてもまた次の新薬の開発にとりかかり継続的に研究開発費がかかる傾向があります。
売上高研究開発費率を見る際には、プロダクトライフサイクルを意識

研究開発費の妥当性を見る際に気を付けるべきこと

常に多額の研究開発費をかけて改善を繰り返し、業界順位をあげなければならない企業は、市場での競争優位性が低い可能性があります。
研究開発費をかけて、優位性を獲得したとしても優位性が一時的な可能性があるからです。

そのため、製品ライフサイクルを把握して、
・競争優位性が高いのか
・投資対効果が高いのか
どうかを把握する必要があります。

大前提として、研究開発費をかけることで、競争優位性が生まれる可能性があります。
しかし、研究開発費をかければ成功するわけではないため、多額の研究開発費を掛けて新しい製品やサービスを作ればいいわけではありません。
研究開発費から考える競争優位性

研究開発費率の調べ方

それでは実際の指標の調べ方です。
今回は有価証券報告書を使って売上高研究開発費率の計算に必要となる数値を取りに行きます。
有価証券報告書の第一部【企業情報】の中の、第5【経理の状況】に売上高と研究開発費が記載されています。
経理の状況の研究開発費を売上高で割ると算出することができます。
売上高研究開発費率と有価証券報告書
売上高研究開発費率と有価証券報告書

以上、指標の解説でした。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
どんな指標でも同じことが言えますが、指標の比率が高い低いだけではなく、なぜ高いのか?なぜ低いのか?をビジネスに結び付けて考えられるとより示唆のある分析となります。
指標を比べ差が出ることがわかったら、次はその原因がどこにあるのかを調べることで一歩深堀した企業分析を行うことができます。
ぜひ参考にして頂けると幸いです。

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