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【図解】紙の書籍VS電子書籍!どちらの方が利益が出る?会計クイズで身に付くビジネスモデル解説

【図解】紙の書籍VS電子書籍!どちらの方が利益が出る?会計クイズで身に付くビジネスモデル解説

2022.11.11に更新

企業の経営戦略と、ビジネス数字を紐づけるトレーニング「会計クイズ」を通じて、ビジネスの裏側や儲けの仕組みを解説します。
本日のテーマは「書籍販売業」です。電子書籍と紙の書籍、さらには、新品と中古の違いも含めて書籍販売業のビジネスモデルの違いについてをクイズを通じて解説していきます。

会計クイズ:登場企業の紹介

最初に今回の登場企業の紹介です。
・パピレス(電子書籍)
・文教堂グループホールディングス(新品書籍)
・ブックオフグループホールディングス(中古書籍)

各社ともに書籍販売を営んでいる共通点がありますが、それぞれの販売商品はもちろん、ビジネスモデルや商流は大きく異なります

電子書籍販売事業のビジネスモデル:パピレス

電子書籍を販売するパピレスの商流です。主にユーザーから利用料を受け取り、その一部を出版社や著者に著作権利用料として支払います。

新品書籍販売事業のビジネスモデル:文教堂

主に新品の書籍を販売する文教堂グループホールディングス(以下文教堂)の商流です。出版社や取次から商品を仕入れ、その商品を消費者に販売します。

中古書籍販売事業のビジネスモデル:ブックオフ

主に中古の書籍を販売するブックオフグループホールディングス(以下ブックオフ)の商流です。
文教堂と似ていますが、決定的な違いは、商品の仕入れ先が一般消費者という点です。

会計クイズ:問題

以上を踏まえてクイズです。
「漫画読むならRenta」のCMでお馴染み、電子書籍サービスを展開するパピレス2020年度の損益計算書はどれでしょう?
各社のビジネスモデルがどのようなコスト構造になるのかを予想して考えてみてください。

<補足:損益計算書とは?>
損益計算書の読み方を知りたい方はこちらから

【図解】紙の書籍VS電子書籍!どちらの方が利益が出る?会計クイズで身に付くビジネスモデル解説の会計クイズ

このクイズの解答は...
(下記のボタンを押して回答できます)

選択肢①

選択肢②

選択肢③






会計クイズ:正解の発表


正解は選択肢③がパピレスの決算書でした。


それでは解説です。

パピレス:電子書籍のビジネスモデル


まずは電子書籍を扱うパピレスを見ていきます。
パピレスの商流は、ユーザーから利用料を受け取り、その対価の一部を著作権利用料として著者や出版社に支払う形態となっています。

パピレスの損益計算書:売上原価

パピレスの売上原価の大半を占めているのは、出版社や著者への支払いです。著作権利用料が、売上高の約40%近く占めていることがわかります。

パピレスの業績の推移を確認してみます。売上高は継続して増加傾向にあり、その一方で売上総利益率は、約55%の数値で一定の推移となっています。著作権利用料は、販売に応じて一定額必ず発生するため、同様の事業を拡大していくのであれば、今後もこの傾向は続くと考えられます。


<補足:売上総利益とは?>
売上総利益の解説の解説はこちら

パピレスの損益計算書:販管費

パピレスの売上原価の大部分が著者への支払いということがわかりました。ここからは、売上原価以外のコストも確認してみます。
販売費および一般管理費(以下販管費)は約45%程度発生しています。中身を見てみると、広告宣伝費や販売促進費といった科目が目立ちます。
パピレスは主に自社のWEBページから電子書籍を販売しています。従って、商品を販売するために、ユーザーを自社サイトへ集客する必要があります。そのため、サイト集客のための広告宣伝費や販売促進費が一定額発生しています。

パピレスの損益計算書:営業利益率

最後にパピレスの営業利益率の推移についてを確認していきます。
営業利益率は近年7%から11%のレンジで推移しています。売上高は年々拡大していることからも事業の好調が読み取れます。広告宣伝費を使いユーザーを集め、集めたユーザーにいかに電子書籍を販売するかがポイントとなるビジネスです。従って、広告宣伝費のかけかたにより、営業利益率は多少前後することはありますが、概ねこの傾向は今後も続くと考えられます。


<補足:営業利益率とは?>
営業利益率の解説はこちらから


文教堂のビジネスモデル

次は文教堂を見ていきます。
文教堂の商流はシンプルで、出版社や取次から商品を仕入れ、その商品を店舗経由から顧客に販売しています。

文教堂の損益計算書:コスト構造

文教堂の原価の内訳を見てみると、書籍や雑誌の仕入原価が中心となっていることがわかります。

新品の書籍は再販売価格維持制度などの慣習があり、書店は原則として値段を変更することができません。
そのため、原価率も一定の水準で推移します。業界構造や制度の変化が無い限り、今後も原価率は毎年約70%の数値で推移していくことが考えられます。


また、実際の店舗で商品を販売することとなるため、テナントの賃料や、販売員の人件費がコストとして発生します。書籍の販売活動は主に出版社が行うことから、広告宣伝費のようなコストが多額に発生しないという点もポイントです。

ブックオフのビジネスモデル

最後にブックオフについてを見ていきます。
ブックオフも文教堂と同様に、店舗を使い書籍を販売するビジネスです。
文教堂と決定的に異なるのは商品の仕入先です。
ブックオフは出版社からの仕入ではなく、消費者からの中古品の仕入となります。


ブックオフのコスト構造

ブックオフの業績推移を確認します。売上高は微増傾向にありつつ、売上総利益率は近年変化がありません。従って、原価率に関しては約40%で安定推移しています。

上述した通り、ブックオフは一般消費者から中古品を仕入れています。ブックオフに本を売りに来る人は、お金を稼ぐ目的の人以外にも、家の整理のために書籍を売りに来たという人も少なくありません。従って、ブックオフは商品を比較的安く仕入れることが可能となります。

会計クイズ:まとめ

まとめます。
今回は、書籍販売というテーマで、各種企業のビジネスモデルを比較しました。
電子書籍販売は、著作権料が原価の40~45%を構成しています。WEBへの集客が最も重要となるため広告宣伝費や販売促進費が多額に発生します。

店舗にて紙の書籍を販売する企業は、テナントの賃料や、販売員の人件費が発生します。
また、新品と中古では仕入れ先が異なるため、原価率も大きく異なります。

以上を踏まえて、正解は選択肢③が電子書籍を扱うパピレスの決算書でした。



以上、お付き合いいただきありがとうございました。
決算書や企業のビジネスについて少しでも興味を持っていただけましたら幸いです。


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<この分析記事の出典データ>
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