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【図解】粗利率(売上総利益率)とは?企業分析のプロがわかりやすく解説

【図解】粗利率(売上総利益率)とは?企業分析のプロがわかりやすく解説

2022.10.31に更新

この記事では企業分析を行う際に、役に立つ経営指標の意味と使い方について解説します。無機質な説明のみでは詰まらないと思いますので、実際の企業の事例を豊富に入れて解説していきますので、ぜひ最後まで読んで頂けますと幸いです。

売上総利益率(粗利率)とは

売上総利益率とは、売上高に対する売上総利益の割合を表す経営指標です。
別名、粗利率とも呼ばれます。

売上総利益率(粗利率)の計算式

売上総利益÷売上高×100=売上総利益率(%)
売上総利益率(粗利率)とは

売上総利益率(粗利率)がわかる会計クイズ

さて、それでは、早速クイズです。
ドラッグストアを運営する2社の商品構成から、どちらの方が売上総利益率(粗利率)が高いかを考えてみましょう。
今回登場する企業は、マツモトキヨシを運営するマツキヨココカラHDと、コスモス薬局です。

【図解】粗利率(売上総利益率)とは?企業分析のプロがわかりやすく解説の会計クイズ

このクイズの解答は...
(下記のボタンを押して回答できます)

マツキヨココカラHD(マツモトキヨシ)

コスモス薬局

それでは、クイズの解説をする前に、商品力の強さを測る指標である売上総利益率(粗利率)の読み方を紹介します。

売上総利益率(粗利率)の基本的な考え方

売上総利益率が高ければ高いほど、企業の商品力が強いとされています。

なぜ売上総利益率が高いほど商品力が強いのかを解説する前に、そもそも「商品力」とは何かを理解するために、売上総利益率の構成要素である売上総利益についてを解説していきます。

売上総利益(粗利)とは

売上総利益とは、企業が販売している商品やサービスが生み出した利益のことを指します。

数字を使って具体的に見ていきます。
仕入先から100円で仕入れたものを、販売先に1,000円で売る場合、商品から900円の利益が生み出されます。ここで生み出された利益が売上総利益です。
※売上原価の詳しい解説はこちらから!

売上総利益(粗利)の考え方

この仕入販売の動きを図解化すると、以下のような図となります。
売上総利益(粗利)のイメージ

売上総利益(粗利)が重視される理由

売上総利益が最も重要視される利益と言われる理由は2つあります。
①売上総利益が大きければ大きいほど、企業に残る利益が大きくなる。
②売上総利益が大きければ大きいほど、様々な販売施策を打つことが可能となる。

※合わせて売上高営業利益率の記事も読むと理解が深まります。
売上総利益(粗利)は利益の源泉

売上総利益と販売施策の考え方

売上総利益率(粗利率)の見方と分析方法

ここからは、売上総利益を見る際に意識すべきポイントについてを解説します。
ポイントは大きく2つです。
①売上総利益率の見方
②売上総利益の分析方法
それぞれについてを1つずつ解説していきます。

売上総利益率(粗利率)は商品力を表している

売上総利益率は、企業の商品力が強いほど高くなります。

「商品力が強い」とは、言い換えると、顧客にとって価値が高いということです。
顧客に取っての価値が高い場合には、商品を高値で販売することが可能となり、
その結果、商品が稼ぎ出す利益の額も大きくなります。

一方、どこでも買えるような商品の場合には、他の商品との差別化が難しく、行きつく先は値段を下げての販売となってしまいます。値段を下げてしまうと、商品が稼ぎ出す利益の額も小さくなります。

革のカバンを想像してみてください。
革のカバンでも、ブランドがあるかないかで価格が変わります。
ブランドがない革のカバンとルイヴィトンが製造し販売している革のカバンでは、ほぼ同じ原価なのに、価格が数倍から数十倍違います。
端的に言えば、これが商品力です。
売上総利益(粗利)と商品力の関係

また、売上総利益率は販管費率とも深く関係しています
売上総利益率が高い企業ほど、企業の手許に多くの利益が残るため、広告宣伝等の営業費用に資金を投下することが可能となります。
逆に売上総利益率が低い企業は、企業の手許に残る利益も少ないため販売施策が限定されてしまう傾向があります。

このように、売上総利益率の大小により企業の打ち手が大きく左右されます。

売上総利益(粗利)と販売施策の関係


売上総利益の分析方法

売上総利益は、以下の4つの分解をすることで、意味のある示唆を得ることできます。
①売上高と売上原価の分解
②商品構成の分解
③顧客構成の分解
④事業構成の分解
それでは、一つずつ順を追って見ていきます。
売上総利益(粗利)の分析方法

①売上高と売上原価の分解

売上総利益は、売上高と売上原価に分解することができます。
売上高と売上原価に分解することで、企業の商品についてをより深く理解することに繋がります。

売上高はさらに単価×数量等に分解することが可能であり、売上原価の場合は原材料費+労務費+製造経費と分解することが可能です。
このように、構成要素に分解することで、売上総利益に大きな影響を与えている変数についてを知ることができます。
売上総利益(粗利)の分解

②商品構成の分解:マツモトキヨシとコスモス薬品の粗利率の違い

商品構成の違いは、売上総利益に大きな影響を与えます。
同じ業種であったとしても取り扱っている商品構成が異なることで売上総利益の大きさに差が生じます。

ここで冒頭のクイズの解説として、ドラッグストアの事例を紹介します。
マツモトキヨシが利益率の高い化粧品や医薬品の割合が大きいのに対し、コスモス薬品は利益率の低い食品の割合が大きいです。この商品構成の違いが売上総利益率に反映され、利益率の高い商品の割合が大きいマツモトキヨシの方が売上総利益率は大きくなります。
売上総利益(粗利)の製品構成の分解

③顧客構成の違い:コメダとルノアールの粗利率の違い

販売先の違いは、売上総利益に大きな影響を与えます。
販売先は、個人の顧客法人の顧客に加え、国内顧客海外顧客といった切り口で分けることができます。
売上総利益(粗利)の顧客構成の分解

カフェ運営企業の事例を紹介します。
コメダコーヒーを展開するコメダHDはFC企業への卸売り(toB)がメインの販売先であり、一方で銀座ルノアールは一般顧客(toC)への販売がメインの販売先です。
販売先の異なる両者の売上総利益率を比較すると、企業への卸売りが中心のコメダHDは約37%一般消費者への販売が中心の銀座ルノアールは約88%となっています。販売先が違うことで売上総利益率も大きく異なります。
カフェ運営企業の売上総利益(粗利)

④事業構成の分解:JR東日本の事業ごとの粗利率

最後は事業毎の分解です。多くの企業は複数の事業を展開しています。
展開している事業の種類は売上総利益率に大きな影響を与えます。

実際の企業の事例を紹介します。日本を代表する鉄道会社である東日本旅客鉄道(JR東日本)は、不動産、鉄道、小売のように様々な事業を展開しています。それぞれの事業によって売上原価の中身が異なるため、売上総利益率にも大きな違いが現れます。
売上総利益(粗利)の事業セグメントの分解

売上総利益率の調べ方

それでは実際の指標の調べ方です。
今回は有価証券報告書を使って売上総利益率の計算に必要となる数値を取りに行きます。
有価証券報告書の第一部【企業情報】の中の、第5【経理の状況】に売上高と売上総利益が記載されています。
経理の状況の売上総利益を売上高で割ると算出することができます。
有価証券報告書と売上総利益(粗利)
有価証券報告書と売上総利益(粗利)
有価証券報告書と売上総利益(粗利)
以上、今回の指標の解説でした。どんな指標でも同じことが言えますが、利益率が高い、低いだけではなく、なぜ高いのか?なぜ低いのか?をビジネスに結び付けて考えられるとより示唆のある分析へと繋がります。
企業を分析する際に、この記事をぜひ参考にして頂けると幸いです。

ぜひ、類似のクイズにも挑戦して、売上総利益率の理解を深めましょう!

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