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【図解】売上高原価率とは?企業分析に必須の指標をわかりやすく解説

【図解】売上高原価率とは?企業分析に必須の指標をわかりやすく解説

2022.11.16に更新


この記事では企業分析を行う際に、役に立つ経営指標の意味と使い方について解説します。

実際の企業事例を入れながら解説していきますので、ぜひ最後まで読んでいただけますと幸いです。

売上高原価率とは?

売上高原価率とは、商品やサービスの販売額のうち、売上原価という費用がどれほど占めるかを表す指標です。
この指標を使うことで企業の原価率や収益力を把握することができます

売上高と売上原価を比較して計算

売上高原価率は、下記の計算式で算出します。

売上原価÷売上高 ×100=売上高原価率(%)

一般的には、この数値が低ければ低いほど収益力が高いと判断できます。

売上原価とは?

売上高原価率を分析する際に最も重要な勘定科目「売上原価」について詳しく解説します。

売上高に直接対応する費用

売上原価とは、売り上げた商品と直接的に対応する費用のことを指します。
例えば、八百屋がりんごを仕入れて販売した場合、りんごを仕入れた代金が売上原価となります。

また、売上高から売上原価を指し引いた利益率を売上総利益率といいます。
売上総利益率については詳しく知りたい方はこちらから→売上総利益率
売上原価とは
売上原価の簡単な事例

売上原価の構成要素

より深く分析するためには売上原価の中身まで知る必要があります。

売上原価の構成要素は、以下の3つに分類することができます。
原材料費は、単価×数量に分解
労務費は、平均給与×人数に分解
経費は、減価償却費+光熱費等に分解

上記のように分解することで何が要因で売上原価が変動したのか、どこが改善できるポイントなのかを具体的にイメージすることができます。

売上原価が増加した場合に、数量が増えたのか仕入単価が増えたのか、それはなぜかを調べることでより深い企業の理解につながります。
売上原価の中身

業種によって売上原価の種類は異なる

売上原価に該当する費用は業種やビジネスにより異なります。

製造業(メーカー)なら製造原価
商社・小売・卸売なら仕入原価
その他サービス業ならサービス提供原価
などが該当します。

この記事では、3業種の売上原価を紹介します。

①製造業の場合

サーティワンアイスクリームを例に挙げます。
サーティーワンは自社でアイスクリームを製造している会社です。

サーティーワンの製造原価は、アイス等を作る際の材料費や人件費などが該当します。
また、アイスクリーム製造機械の減価償却なども含まれてきます。

※自社製造している製造業の場合は売上原価を製造原価と表記されることがあります。
製造業(サーティーワン)の売上原価

製造原価の中身を見てみると、材料費、労務費、経費と分かれていることがわかります。
労務費が人件費にあたり、経費には減価償却等が含まれます。
製造業(サーティーワン)の売上原価

②小売業の場合

しまむらを例に挙げます。

自社で生産せずに、仕入れたものを販売するしまむらの場合は、主な売上原価は仕入原価になります。
つまり、しまむらが取り扱う洋服の仕入代金が売上原価に計上されます。
小売業の売上原価

③サービス業の場合

カカクコムを例に挙げます。
カカクコムは購買支援サイト「価格.com」を運営しています

カカクコムは、商品の紹介など購入支援のサイトのため、商品を仕入れて販売などは行っていません。
そのため、カカクコムの売上原価の内訳は、労務費と経費が大半を占めます。

サービス内容から、労務費はサイト運営者の給料などと予想することができます。
サービス業(カカクコム)の売上原価

売上高原価率の読み方は?

売上高原価率の基本的な考え方や見る際のポイントについて解説します。

売上高原価率は低い方が望ましい

売上高原価率の考え方はシンプルです。売上高原価率が低ければ低いほど、収益力が高いと判断されます。

しかし、より重要なことは数値の背景までをセットで考えることです。売上高原価率の高低のみを見るのではなく、「なぜそのような数値になるのか?」のように、ビジネスの背景までを理解することでより深い示唆を得ることができます。
売上高原価率の基本的な考え方

業種別に平均値が異なる

中小企業庁による「中小企業実態基本調査(平成30年)」のデータによると、業種別の売上高原価率の平均値は以下の通りです。
売上高原価率の業種平均
コロナ前の調査では、全体の売上高原価率の平均値は74.4%であるのに対して、宿泊業・飲食サービス業では35.4%と売上高原価率の数値が低くなっています。
一方で、卸売業では83.8%と売上高原価率の数値が高くなっています。

宿泊業・飲食サービス業は、材料などの原価よりも不動産の賃貸料や人件費などの販管費率の方が高くなる特徴があります。
一方、卸売業はメーカーと小売業の仲介業のため、あまり付加価値をつけることができず、結果的に売上高原価率が高くなる傾向にあります。

このように業種ごとに売上高原価率の平均値が異なるため、安易に異業種での比較をしても意味をなさない場合があるので注意が必要です。

売上高原価率の分析方法は?

売上高原価率は、企業の原価率や収益力を測ることができる指標です。

しかし、計算式に当てはめて経営指標を算出するだけでは、その数値が良いのか、悪いのか判断することができません。
そのため、売上高原価率を使って分析する際は比較する必要があります。

売上高原価率を使う際は、
同業界での比較
時系列での比較
の主に2つの比較をします。

同業界での比較

基本的に同業界の企業は事業内容やビジネスモデルが似ている場合が多くあり、数値に差がないことが多いです。

そのため、同業界で売上高原価率が高いか低いかを比較することで、企業の原価率や収益力を測ることができます。
また、売上高原価率が業界平均と比較して大きく異なる場合は、「ビジネスモデルが違う」または、「事業の内容や商材が違う」など企業の特徴や強み、弱みの発見につながります。

時系列での比較

基本的に企業の事業内容が大きく変わることは多くありません。
そのため、過去と今の自己資本比率を比較して、原価率が高くなっているかどうかを測ることができます。

さらに、売上高原価率が高くなった、低くなった原因を見ることで、「企業の強みや弱み」、「事業内容やビジネスモデルの変化」などの発見につながります。
売上高原価率の分析方法

売上高原価率を分析する際の注意点

売上原価を見る際に注意すべき点があります。
それは売上原価には、今期に販売した分の仕入原価や製造原価しか含まれないということです。

具体的に説明すると、今期商品を10個仕入れても販売数量が2個の場合は、売上原価には商品2個分の費用しか計上されないということです。

仕入れた商品の数が、その企業では販売できない量である場合は、大量仕入れによって商品1つあたりの費用が小さくなろうとも、売れない商品を多く抱えることになります。

したがって、売上原価の大きさと共に、棚卸資産の増減幅も確認することが望ましいです。
売上原価を見る際の注意点

売上高原価率の調べ方とは?

それでは実際の指標の調べ方です。
今回は有価証券報告書を使って売上高原価率の計算に必要となる数値を取りに行きます。

‍有価証券報告書から売上高原価率を計算する

有価証券報告書の第一部【企業情報】の中の、第5【経理の状況】売上高売上原価が記載されています。
売上高原価率と有価証券報告書
売上高原価率と有価証券報告書

経理の状況の売上原価を売上高で割ると算出することができます。
売上原価や製造原価の中身を詳細に知りたい場合は、企業が出している明細書から把握することができます。
※企業により明細書を出していないこともあります。
売上高原価率と有価証券報告書
売上高原価率と有価証券報告書

売上高原価率のまとめ

以上、指標の解説でした。
どんな指標でも同じことが言えますが、原価率が低い、高いだけではなく、なぜ低いのか?なぜ高いのか?をビジネスに結び付けて考えられるとより示唆のある分析となります。
指標を比べ差が出ることがわかったら、次はその原因がどこにあるのかを調べることで一歩深堀した企業分析を行うことができます。ぜひ参考にして頂けると幸いです。

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