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【売上高原価率】商品・サービスを提供する際にかかる直接的な費用を把握する指標

【売上高原価率】商品・サービスを提供する際にかかる直接的な費用を把握する指標

2022.6.24に更新

売上高原価率とは

売上高原価率は、商品やサービスの販売額のうち、売上原価という費用がどれほど占めるかを表す経営指標です。

売上高原価率の計算式

売上原価÷売上高 ×100=売上高原価率(%)

売上高原価率の考え方

売上高原価率は、売上高に占める売上原価の割合のことを表し、商品・サービスにかかる直接的な費用の大きさを測ることができます。
売上高原価率の考え方を理解してもらうために、売上高原価率の構成要素である売上原価について解説していきます。

売上原価とは

売上原価とは、売り上げた商品と直接的に対応する費用のことを指します。
例えば、八百屋がりんごを仕入れて販売した場合、りんごを仕入れた代金が売上原価となります。

売上高から売上原価を指し引いた売上総利益率はこちらから→売上総利益率
売上原価とは
売上原価の簡単な事例

売上高原価率の使い方

売上原価は売り上げた商品に対して直接的にかかる費用です。そのため、売上高原価率は、業種や取扱商品、ビジネスモデルの影響を受けます。
したがって、すべての企業に適用される明確な基準は存在しません。
同業種や時系列で比較して、その差分の要因を分析することで新たな発見につながります。

また売上原価は費用であるため、基本的に売上高原価率は低いほど望ましいです。
しかし、企業により戦略やビジネスモデルが異なるため、算出された数値だけを見て「売上高原価率が高いからよくない」と判断するのは、間違いです。
売上高原価率を算出して終わるのではなく、ビジネスの実態まで読み解くことが重要です。

売上高原価率を見る際のポイント

指標を見る際に見るべきポイントについて、

  • 売上原価の分解
  • 業種ごとの売上原価の違い
  • 指標を見る際に注意するポイント

の順で解説していきます。

売上原価の構成要素を把握

より深く分析するためには売上原価の中身まで知る必要があります。

売上原価の構成要素は、以下の3つに分類することができます。
①原材料費は、単価×数量に分解
②労務費は、平均給与×人数に分解
③経費は、減価償却費+光熱費等に分解

上記のように分解することで何が要因で売上原価が変動したのか、どこが改善できるポイントなのかを具体的にイメージすることができます。

例えば、洋服の仕入販売ビジネスの場合、売上原価のうち洋服の仕入代が大きな割合を占めます。
仕入代は、仕入単価×数量に分解することができます。
売上原価が増加した場合に、数量が増えたのか仕入単価が増えたのか、それはなぜかを調べることでより深い企業の理解につながります。

※下図参照
売上原価の中身

業種ごとの売上原価の違い

売上原価に該当する費用は業種やビジネスにより異なります。

①製造業(メーカー)なら製造原価
②商社・小売・卸売なら仕入原価
③その他サービス業ならサービス提供原価
などが該当します。

この記事では、3業種の売上原価を紹介します。

①製造業の場合

サーティワンアイスクリームを例に挙げます。

サーティーワンは自社でアイスクリームを製造しています。
サーティーワンの製造原価は、アイス等を作る際の材料費や人件費等のことを指します。
厳密には、他にもアイスクリーム製造機械の減価償却なども含まれてきます。
※自社製造している製造業の場合は売上原価を製造原価と表記することがあります。

製造原価の中身を見てみると、材料費、労務費、経費とわかれていることがわかります。
労務費が人件費にあたり、経費には減価償却等が入ります。
製造業(サーティーワン)の売上原価
製造業(サーティーワン)の売上原価

②小売業の場合

しまむらを例に挙げます。

自社で生産せずに、仕入れたものを販売するしまむらの場合は、おもな売上原価は仕入原価になります。
つまり、しまむらが取り扱う洋服の仕入代金が売上原価に計上されます。
小売業の売上原価

③サービス業の場合

カカクコムを例に挙げます。(カカクコムは購買支援サイト「価格.com」を運営しています)

カカクコムは、商品の紹介など購入支援のサイトのため、商品を仕入れて販売などは行っていません。
よって、カカクコムの売上原価の内訳は、労務費と経費が大半を占めます。
サービス内容から、労務費はサイト運営者の給料などと予想することができます。
サービス業(カカクコム)の売上原価

売上高原価率を見る際に注意するポイント

売上原価を見る際に注意すべき点があります。

それは売上原価には、今期に販売した分の仕入原価や製造原価しか含まれないということです。

具体的に説明すると、今期商品を10個仕入れても販売数量が2個の場合は、売上原価には商品2個分の費用しか計上されないということです。


一般的には、商品の仕入も製造も、一度に大量に扱うほうが1つあたりの費用は低くなる傾向があります。
そのため、商品1つあたりの費用のみを考慮すると、大量仕入は企業にとって大きなメリットです。

しかし、仕入れた商品の数が、その企業では販売できない量である場合は、いくら商品1つあたりの費用が小さくなろうとも、売れない商品を多く抱えることになります。
したがって、売上原価の大きさと共に、棚卸資産の増減幅も確認することが望ましいです。

売上原価を見る際の注意点

売上高原価率の調べ方

それでは実際の指標の調べ方です。
今回は有価証券報告書を使って売上高原価率の計算に必要となる数値を取りに行きます。

有価証券報告書の第一部【企業情報】の中の、第5【経理の状況】に売上高と売上原価が記載されています。
経理の状況の売上原価を売上高で割ると算出することができます。
売上原価や製造原価の中身を詳細に知りたい場合は、企業が出している明細書から把握することができます。
※企業により明細書を出していないこともあります。
売上高原価率と有価証券報告書
売上高原価率と有価証券報告書
売上高原価率と有価証券報告書
売上高原価率と有価証券報告書
以上、指標の解説でした。
どんな指標でも同じことが言えますが、原価率が低い、高いだけではなく、なぜ低いのか?なぜ高いのか?をビジネスに結び付けて考えられるとより示唆のある分析となります。
指標を比べ差が出ることがわかったら、次はその原因がどこにあるのかを調べることで一歩深堀した企業分析を行うことができます。ぜひ参考にして頂けると幸いです。

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