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モイとUUUMの比較からインフルエンサービジネスを徹底解説!

2024.4.29

モイとUUUMの比較からインフルエンサービジネスを徹底解説!

会計クイズとは、企業のビジネスモデルと財務数値を結びつけるトレーニングができるコンテンツです。

今回は、インフルエンサービジネスを展開する「モイ」と「UUUM」の2社の比較問題です。

クイズを通じて、分析力やビジネスリテラシーを身に付けましょう!

会計クイズの登場企業紹介

最初に今回の登場企業の紹介です。

  • モイ
  • UUUM

この2社は、どちらもインフルエンサービジネスを展開する企業です。

同じインフルエンサービジネスですが、それぞれサービス内容に違いがあります。

モイとは

モイは、ライブ配信アプリ「ツイキャス」を運営しています。

「ツイキャス」の月間アクティブユーザー数は200万以上です。

モイとは


ツイキャスの仕組み

「ツイキャス」では、ユーザーがアイテムを利用するとライブ時間の延長などができます。

それと同時に、配信者のレベルアップに貢献できます。

ツイキャスの仕組み


モイの収益モデル

モイは、売上高の大半がポイント販売売上で構成されています。

ポイントは、配信を盛り上げるアイテムをユーザーが使用するときに利用されます。

モイの収益モデル

アイテム利用で視聴者から得た収益の一部を配信者へ支払います。

モイの収益モデル


UUUMとは

UUUMは、国内登録者数ランキングトップのはじめしゃちょーなどが所属するYoutuber事務所です。

UUUMとは


UUUMの収益モデル

UUUMのメインの売上高は、動画の再生回数に応じた報酬であるアドセンス収益とタイアップ動画等における広告主からの広告収益です。

UUUMの収益モデル


会計クイズ:問題

ライブ配信アプリ「ツイキャス」を運営するモイと、Youtuber事務所を運営するUUUMの2社の損益計算書のうち、モイの損益計算書はどちらかを予想してみてください。

タップで回答を見ることができます

1

選択肢①

2

選択肢②

損益計算書の読み方を1からしっかり学びたい方には、下記の記事もおすすめです。

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会計クイズ:正解の発表

正解は選択肢②がモイの損益計算書でした。

お付き合い頂き、ありがとうございます。

それでは、会計クイズの解説に移ります。


2社の共通点と相違点

今回の2社はどちらもインフルエンサービジネスを展開しています。

しかし、モイはライブ配信アプリを運営しポイント販売をメインの収益源としていますが、UUUMはYoutuber事務所を運営しアドセンスや広告収益をメインの収益源としています。


Youtuber事務所を運営するUUUM

UUUMの収益モデル

UUUMのメインの売上高は、動画の再生回数に応じた報酬であるアドセンス収益とタイアップ動画等における広告主からの広告収益です。


UUUMの売上原価

アドセンス収益はその一部手数料を、広告収益はその動画制作費をUUUMのクリエイターへ支払っています。

この支払がUUUMの売上原価となります。


UUUMとクリエイターの配分

2019年5月期の有価証券報告書によると、収益のうち約80%をクリエイターに支払い、残りをUUUMが受け取っていることが読み取れます。


UUUMの損益計算書(2021年)

収益の約80%のクリエイターへの支払いが売上原価となるため、売上原価率は高くなります。


ライブ配信アプリ「ツイキャス」を運営するモイ

モイの収益モデル

モイは、売上の大半がポイント販売売上で構成されています。

このポイントは、配信を盛り上げるアイテムをユーザーが使用するときに利用されます。

アイテム利用で視聴者から得た収益の一部を配信者へ支払います。


モイと配信者の配分

決算資料から配信者への支払いは収益の約50%であることがわかります。

したがって、UUUMと比べると、クリエイターへの収益配分はそこまで大きくありません。

なぜモイは、クリエイターへの配分が50%程度なのでしょうか?

その理由は、販管費の支払手数料の存在にあります。

モイは、アプリ経由でユーザーから収益を得ています。

そのため、収益が発生するのと同時にアプリ運営企業に対する手数料が必ず発生します。


UUUMとモイの違い

支払手数料が発生するモイは、配信者への支払い割合をUUUMほど大きくできません。

そのため、UUUMとモイは収益をクリエイターへ還元するビジネスモデルで共通していますが、売上原価率に差が出ます。

モイのほうが集客等の施策の源泉である「売上総利益」は大きく見えます。しかし、以上で解説した通り、販管費の支払手数料は収益と同時に必ず発生します。

そのため、モイは、売上高から配信者に対する報酬額(売上原価)とアプリ運営企業に対する手数料(支払手数料)を差し引いた額を「実質売上総利益」と定義しています。

したがって、この「実質売上総利益」をどのように最大化するかが、今後のモイを見るうえで重要な視点になります。


ポイント販売ビジネス

直近のモイは売上高の96%を占める「ポイント販売売上」に依存しています。そのため、ポイント販売以外の収益源を拡大することが、「実質売上総利益」の最大化に貢献します。

そこで着目したいのが、漫画アプリです。

モイは、外部のクリエイターの力を借りて「アプリ内ポイントを販売する」というビジネスモデルなので、漫画アプリと類似しています。

したがって、既存の漫画アプリが

  • ポイント販売以外にどんな収益源を持っているか
  • どんな施策を打っているか

などは参考になるかもしれません。

漫画アプリの会計クイズはこちらから!


まとめ

今回はインフルエンサービジネスを展開する2社のビジネスモデルの特徴を解説しました。

決算数値を見ることで、身近に使用しているサービスの実態を読み取ることができます。

以上、正解は選択肢②がモイでした。

以上、お付き合いいただきありがとうございました。

決算書や企業のビジネスについて少しでも興味を持っていただけましたら幸いです。

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<この分析記事の出典データ>

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この記事を書いた人

著者:大手町のランダムウォーカー

大手町のランダムウォーカー

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