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専門商社の決算書の読み方!ソーダニッカ株式会社の事例をもとに解説

専門商社の決算書の読み方!ソーダニッカ株式会社の事例をもとに解説

2024.1.9に更新

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大手町のランダムウォーカー

トータルSNSフォロワー20万人の会計インフルエンサー。著書の『世界一楽しい決算書の読み方』はシリーズ累計30万部突破。

目次



早速ですが、皆さんは、か性ソーダという化学品を聞いたことがありますか?




か性ソーダとは、塩の電気分解によって得られる代表的なアルカリ製品です。
日常生活で耳にすることはほとんどありませんが、多くの産業基盤を支えています。


早速ですが、簡単なクイズです。
下記の3つの日常品のうち、か性ソーダが使われているものはどれでしょう?

  1. 衣類
  2. 電気自動車




正解は、3つ全ての製造過程で、か性ソーダが使われています。
他にも、化学繊維、パルプ、食品、石鹸など、多くの産業を支えています。






今回は、このか性ソーダの国内販売シェアトップクラスである、化学製品の専門商社「ソーダニッカ株式会社(以下ソーダニッカ)」を事例に取り上げ、商社ビジネスの決算書の読み方を解説します。



商社のビジネス



まずは、商社がどのようなビジネスを行なっているのかを解説します。
商社は様々なビジネスを手掛けていますが、その中でも代表的なビジネスに「トレード」ビジネスがあります。



商社のトレードビジネスとは、メーカーと顧客を繋ぐ仲介のビジネスが一般的です。売り手と買い手のニーズを引き合わせ、売買取引を成立させます。
多くの商社が、このトレードビジネスを基盤とし、企業活動を行っています。


商社の種類


商社と言っても様々な種類の商社が存在します。


皆さんが一般的にイメージする商社は「総合商社」と呼ばれる業態かと思われます。
総合商社は、「カップラーメンからロケットまで」と言われる程、幅広い領域の商取引を行っています。

一方、総合商社の他にも、特定の分野の領域に特化して商取引を行う「専門商社」という業態も存在します。


専門商社のビジネス

専門商社は、特定の分野に特化し、商取引を行います。
総合商社ほど、幅広い商品を取り扱っていないものの、特定の領域に特化した知識や経験を元に、付加価値を高めて商品を流通させることが可能な業態です。




特定の分野に特化している専門商社には、多くの強みが存在します。

専門商社の強み①顧客との距離

顧客との距離が近いことは、専門商社の大きな強みです。
顧客の課題やニーズを直接聞き取り、きめ細かなオーダーを引き受け、顧客が最も求めている提案を行うことが可能となります。


専門商社の強み②業界特化の専門知識

業界に特化した専門知識を有することはもちろん、多くのメーカーとの人脈を構築していることも専門商社の大きな強みです。



最適なメーカーの剪定や、専門知識を活かした取引の交渉が可能となります。

専門商社の強み③大きな失敗に繋がりにくい

また、業界構造や業界の歴史と深く関わっていることから、リスクマネジメントに優れていることも専門商社の強みです。
無理な投資、無理な提案などを避け、その結果、大きな失敗を回避することが可能となります。



専門商社の商品開発力

さらに、近年ではトレードビジネスの他にも、専門商社の強みを活かし、メーカーと共同で商品開発を手掛けるケースも増えてきています。
このように、土台となるトレードビジネスで競争優位を構築し、サプライチェーンの川上に進出する柔軟性を有していることも専門商社の強みです。


専門商社の会計クイズ

今回は、化学品の専門商社であるソーダニッカを題材に、専門商社の決算書の読み方を解説します。
ソーダニッカは、素材メーカーから化学品、機能材を仕入れ、花王やライオン等の生活品を扱う顧客へと販売するトレードビジネスを中心に展開しています。



以上を踏まえて、まずは簡単なクイズです。
ソーダニッカの損益計算書は、下記のうちどちらでしょうか?

※損益計算書とは、企業の経営成績を報告する決算書です。


サプライチェーンで登場する2社の比較です。ぜひ専門商社のビジネスをイメージしながら考えてみてください。



早速ですが、皆さんは、か性ソーダという化学品を聞いたことがありますか?




か性ソーダとは、塩の電気分解によって得られる代表的なアルカリ製品です。
日常生活で耳にすることはほとんどありませんが、多くの産業基盤を支えています。


早速ですが、簡単なクイズです。
下記の3つの日常品のうち、か性ソーダが使われているものはどれでしょう?

  1. 衣類
  2. 電気自動車




正解は、3つ全ての製造過程で、か性ソーダが使われています。
他にも、化学繊維、パルプ、食品、石鹸など、多くの産業を支えています。






今回は、このか性ソーダの国内販売シェアトップクラスである、化学製品の専門商社「ソーダニッカ株式会社(以下ソーダニッカ)」を事例に取り上げ、商社ビジネスの決算書の読み方を解説します。



商社のビジネス



まずは、商社がどのようなビジネスを行なっているのかを解説します。
商社は様々なビジネスを手掛けていますが、その中でも代表的なビジネスに「トレード」ビジネスがあります。



商社のトレードビジネスとは、メーカーと顧客を繋ぐ仲介のビジネスが一般的です。売り手と買い手のニーズを引き合わせ、売買取引を成立させます。
多くの商社が、このトレードビジネスを基盤とし、企業活動を行っています。


商社の種類


商社と言っても様々な種類の商社が存在します。


皆さんが一般的にイメージする商社は「総合商社」と呼ばれる業態かと思われます。
総合商社は、「カップラーメンからロケットまで」と言われる程、幅広い領域の商取引を行っています。

一方、総合商社の他にも、特定の分野の領域に特化して商取引を行う「専門商社」という業態も存在します。


専門商社のビジネス

専門商社は、特定の分野に特化し、商取引を行います。
総合商社ほど、幅広い商品を取り扱っていないものの、特定の領域に特化した知識や経験を元に、付加価値を高めて商品を流通させることが可能な業態です。




特定の分野に特化している専門商社には、多くの強みが存在します。

専門商社の強み①顧客との距離

顧客との距離が近いことは、専門商社の大きな強みです。
顧客の課題やニーズを直接聞き取り、きめ細かなオーダーを引き受け、顧客が最も求めている提案を行うことが可能となります。


専門商社の強み②業界特化の専門知識

業界に特化した専門知識を有することはもちろん、多くのメーカーとの人脈を構築していることも専門商社の大きな強みです。



最適なメーカーの剪定や、専門知識を活かした取引の交渉が可能となります。

専門商社の強み③大きな失敗に繋がりにくい

また、業界構造や業界の歴史と深く関わっていることから、リスクマネジメントに優れていることも専門商社の強みです。
無理な投資、無理な提案などを避け、その結果、大きな失敗を回避することが可能となります。



専門商社の商品開発力

さらに、近年ではトレードビジネスの他にも、専門商社の強みを活かし、メーカーと共同で商品開発を手掛けるケースも増えてきています。
このように、土台となるトレードビジネスで競争優位を構築し、サプライチェーンの川上に進出する柔軟性を有していることも専門商社の強みです。


専門商社の会計クイズ

今回は、化学品の専門商社であるソーダニッカを題材に、専門商社の決算書の読み方を解説します。
ソーダニッカは、素材メーカーから化学品、機能材を仕入れ、花王やライオン等の生活品を扱う顧客へと販売するトレードビジネスを中心に展開しています。



以上を踏まえて、まずは簡単なクイズです。
ソーダニッカの損益計算書は、下記のうちどちらでしょうか?

※損益計算書とは、企業の経営成績を報告する決算書です。


サプライチェーンで登場する2社の比較です。ぜひ専門商社のビジネスをイメージしながら考えてみてください。

専門商社の決算書の読み方!ソーダニッカ株式会社の事例をもとに解説の会計クイズ

このクイズの解答は...
(下記のボタンを押して回答できます)

選択肢①

選択肢②


会計クイズ:正解

正解は選択肢①がソーダニッカでした。
皆さんわかりましたか?
会計クイズ:正解発表

それでは、ここからはなぜこのような形の決算書になるのかを順を追って解説します。


ソーダニッカ:事業の内容


ソーダニッカは歴史の古い企業です。
1947年に創業後、化学品の安定供給や、材料の開発サポートを通じて業界の発展と共に成長してきました。



ソーダニッカの事業セグメントは大きく3つあり、化学品事業と機能材事業の2つが柱となります。

ソーダニッカの売上高の内訳


化学品事業は、専門商社の代表的なビジネスであるトレードを主体とした事業です。
原材料メーカーの安定した操業のサポートを行うと同時に、各種生産メーカーの要望に合わせた原材料の安定供給を行っています。



一方、機能材事業は、トレードにビジネスに加えて、商品の開発まで手掛けます。
専門知識を有するコーディネーターとして価値を発揮し、商品の販売はもちろん、製品の設計・金型制作から製品組み立てまでを一貫して提供します。



売上高の内訳を見ても分かる通り、化学品事業と機能材事業で売上の80%以上を構成しています。

専門商社の決算書の読み方

以上を踏まえて、ソーダニッカの決算書を見ていきましょう。

専門商社ビジネスの利益モデル

専門商社のトレードビジネスは、原料メーカーから商品を仕入れ、適切な顧客に対して販売します。
従って、仕入れた商品が売上原価として計上されます。
専門商社のコスト構造

一方、売上高には顧客への販売金額が計上されます。
販売金額は、顧客数と顧客単価に分解することができ、両者が成長すると共に売上高も拡大します。
専門商社の収益構造

このように、専門商社のトレードビジネスは、仕入値と販売金額の利ザヤを得る利益モデルとなります。従って、売上原価の比率が非常に大きくなりやすい傾向があります。

化学系専門商社の損益計算書

この傾向は、ソーダニッカをはじめとした化学系専門商社に限らず、商社全般の特徴と言えます。
伊藤忠エネクス、三菱食品、メディパルHDは、いずれも各領域に特化した専門商社です。それぞれが領域に特化した専門商社のビジネスを行っているため、似たような損益計算書の形となります。
他業種の専門商社の損益計算書


従って、専門商社の決算書を見る際には、利益率よりも利益額を確認することが重要となります。
利益額の推移を確認することで、企業の付加価値が継続的に増加傾向にあるかどうかを確認しましょう。
ソーダニッカの売上総利益の推移

ソーダニッカ株式会社の競争優位性

ここからは、ソーダニッカの競争優位性を確認していきます。

安定的な仕入れの実現

ソーダニッカは歴史のある企業であり、化学品業界の成長と共に発展してきました。そのため、多くの原料メーカーとの繋がりを有しており、ほぼ全ての化学製造メーカーから商品の仕入れが可能となります。


幅広いニーズへの対応が可能

幅広い商品を扱えるという競争優位性は、顧客へ販売する際にも強力な長所となります。顧客である生産メーカーの要望、ニーズに合わせて、商品をコーディネートし提供することが可能です。



その結果、メインの商品である「か性ソーダ」の国内販売シェアはトップクラスです。

専門知識を有する社員の教育体制を構築


「か性ソーダ」は多くの産業基盤を支える商材であり、安定的な需要が存在しますが、劇薬に該当することから、誰でも扱えるわけではありません。






ソーダニッカの大きな強みには、専門知識を有する多くの社員と、社内の育成体制の存在があります。
劇薬である「か性ソーダ」をはじめとした多くの化学品を扱うためには、専門資格が必要となります。
また、顧客への幅広い提案を行うためには、専門知識が必須となります。



この専門資格と専門知識を有する社員はソーダニッカの大きな競争優位となっています。

まとめ

以上、ソーダニッカを題材とした専門商社ビジネスの決算書の読み方でした。

歴史のある専門商社ビジネスを保有しつつも、継続的に成長するためには成長戦略が必要となります。

ソーダニッカは、自社の競争優位性を活かし今後どのような成長戦略を描くのでしょうか?

ここからは、野村IR資産運用フェア2023にて、ソーダニッカの成長戦略についてを紹介します。
大手町のランダムウォーカーが、ソーダニッカ株式会社の長洲社長と、直接対談し、同社の成長戦略についてを伺います。
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