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【図解】メディア事業の儲けの仕組みは?noteの利益モデルと成長可能性を解説!

【図解】メディア事業の儲けの仕組みは?noteの利益モデルと成長可能性を解説!

2023.1.10に更新

この記事では、企業のビジネスモデルと財務数値を結びつける会計クイズを元に、サービスの儲けの仕組みを解説します。
1日1問挑戦して、ビジネス知識を身に付けましょう。

今回は、月間利用者4,000万人と言われるコンテンツプラットフォーム「note」の事例を元に、メディアビジネスの儲けの仕組みを解説します。

メディア関連の他社のビジネスと比較することで、どのように収益を生み出しているかや、事業を見るうえで重要となる指標を解説します。

会計クイズ:登場企業紹介

最初に今回の登場企業の紹介です。

  • note(コンテンツプラットフォーム)
  • はてな(はてなブログを運営)
  • Gunosy(ニュースメディア)


この3社はメディア関連のビジネスを展開する企業です。
しかし、それぞれのビジネスモデルは大きく異なります。

登場企業紹介

note:事業内容と特徴


noteは、ユーザー投稿型プラットフォーム「note」を運営している企業です。
ブログ記事などに値段を付けて販売し、販売金額をクリエイターとnoteでレベニューシェアするモデルを採用しています。
noteの事業内容と特徴

はてな:事業内容と特徴


はてなは、ブログサービス「はてなブログ」を運営している企業です。
noteと同様に誰でも記事を発信することができますが、収入の大部分は広告で成り立っています。
はてなの事業内容と特徴

Gunosy:事業内容と特徴


Gunosyは、キュレーションメディア「グノシー」を運営している企業です。
様々な媒体のニュースがアプリ上に表示され、ユーザーは無料で利用することができます。
売上の大部分は広告収入で成り立っています。

グノシーの事業内容と特徴

会計クイズ:問題


以上を踏まえてクイズです。
クリエイタープラットフォーム「note」を運営しているnoteの損益計算書はどれでしょう?
3社のビジネスモデルがどのようなコスト構造になるのかを予想して考えてみてください。

損益計算書について詳しく知りたい方は、下記の記事もおすすめです。


【図解】メディア事業の儲けの仕組みは?noteの利益モデルと成長可能性を解説!の会計クイズ

このクイズの解答は...
(下記のボタンを押して回答できます)

選択肢①

選択肢②

選択肢③



ぜひ、ビジネスをイメージしながら考えてみてください。
それでは、ここからは解答と解説です。




会計クイズ:正解の発表


正解は選択肢②がnoteの損益計算書でした。
お付き合い頂き、ありがとうございます。

会計クイズの正解発表

ここからはnoteの決算資料から、事業の内容や儲けの仕組みを読み取っていきます。
まずは、noteの登場背景を解説していきます。

noteの登場の背景


noteが生まれる前には、既にPV(閲覧数)に応じた収入を得ることができるメディアが確立されていました。
記事のPV数に応じて広告収入を得たり、または記事内に広告枠を用意しそれを販売する等の、代表的なメディアビジネスです。

しかし、従来のメディアビジネスでは、広告収入に依存してしまうため、PVをとにかく高めようとする思考になりがちです。
その結果、PVを稼ぐためのフェイクニュースや過激な表現であふれてしまい、良質なコンテンツが生まれにくいという課題がありました。

そこで、noteは広告収入ではなくコンテンツ課金による収益モデルを構築し、クリエイターと共存するサービスを創造しました。
これがnote登場の背景となっています。

noteの登場背景

noteのビジネスモデルとは


noteはクリエイターのコンテンツを読者が購入し、レベニューシェアの形で収益を配分するマネタイズモデルを採用しています。
例えば、1,000円の有料noteを購入した場合、約800円が記事作成者に配分され、残りの200円がnoteに配分される仕組みです。



noteは、このマネタイズモデルを採用することで、広告に依存しない新しいメディアを形成することに成功しました。

noteのビジネスモデル

それでは、ここからはnoteの財務数値を見ていきましょう。

noteの売上高はいくら?


noteの売上高は、コンテンツプラットフォーム「note」での収益が約8割を占めています。

noteの売上高の内訳


直近2021年の売上高は18億円となっており、継続的に右肩上がりで成長していることが読み取れます。

noteの売上高の推移

また、noteは手数料ビジネスであるため、note内で売買された流通総額の約20%が売上高となります。
従って、売上高のみならず、流通総額もセットで確認することが重要です。



2021年11月時点の流通総額は84億円となっており、このうちの約20%がnoteの売上高となっています。


noteの流通総額とテイクレート

それではここからは、noteの収益構造の詳細を確認していきます。

noteの収益構造は?


コンテンツプラットフォームの収益分解をすると下図の通りとなります。

note事業の売上高はGMV(流通総額)×テイクレート(手数料率)に分解できます。
テイクレートは、プラットフォームの魅力を表しており、容易に引き上げることができません。
従って、短期的にはGMVが重要なKPIとなります。



上記の収益構造を踏まえて、noteの流通総額を構成するKPIを見ていきます。

noteの発信者のKPI


noteはコンテンツプラットフォームであるため、コンテンツの量が増えるに連れてプラットフォームの魅力が高まります。
コンテンツ量を高めるための先行指標がクリエイター数です。
noteの累計ユニーククリエイター数は年々増加しており、直近では約100万人ものクリエイターを抱え込んでいます。

noteの主要KPI

そして、クリエイターの増加に伴い、noteの内部にある公開コンテンツの量も右肩上がりで増加しています。
2022年5月時点での公開コンテンツの量は250万件を超えています。

noteの主要KPI

有料noteの購入者のKPI


クリエイター数、コンテンツ量と右肩上がりで増加しているnoteですが、noteで発信しているクリエイターはどの程度収益を生み出しているのでしょうか?
ここからは購入者側のKPIを確認していきます。


noteの重要指標:ARPPUとは?


まずは、note読者の月間平均金額(ARPPU)を確認していきます。

ARPPUは「Average Revenue per Paid User」の略で、課金ユーザー1人あたりの平均課金額を示す指標です。
ARPPUは「売り上げ÷課金ユーザー数」の計算式で求められ、「ARPPU×ユーザーの課金率」がARPUになります。

  • ARPU(総顧客の平均課金額)=売上高÷全ユーザー数
  • ARPPU(課金ユーザーの平均課金額)=売上高÷課金ユーザー数


ARPUとの違いは、全ユーザーではなく課金ユーザーのみを対象にしている点です。
noteには、無料で記事を読むユーザーと有料noteを購入して記事を読むユーザーがいます。

財務的な視点から見ると、無料ユーザーがどれだけ増えても、広告収入を採用していないnoteの売上高は増加しません。有料noteの購入者のみの平均データが、決算書を見る上で重要になります。

noteのARPPUはいくら?


それでは、noteのARPPU(課金ユーザーあたりの平均課金金額)を見ていきましょう。
皆さんは、noteのARPPUはどの程度だと思いますか?
ぜひ、自身の感覚と照らし合わせて考えてみてください。
(余談ですが、筆者は平均して毎月3,000円ほど有料noteを購入しています)



さて、noteのARPPUですが、決算資料に開示されています。
こちらを確認すると、直近の2022年8月期時点のARPPUは2,650円となっています。

近年では約2,000~3,000円のレンジとなっていることから、ARPPUは一定の水準で維持していることが読み取れます。


一方、月間購読者数という指標も開示しており、こちらは近年大きく増加しています。
直近2022年8月期の時点での購読者は約35万人です。



以上の情報から、ARPPUは一定水準で維持しつつ、購読者を増加させることで、noteの流通総額を高めていることがわかります。



なお、noteは決算資料にて、「月額課金金額別構成比率」も開示しています。
こちらのデータを見ると、購入総額の半分以上が5,000円を超える有料noteとなっています。

noteの主要KPI

また、noteは決算資料にて「記事投稿開始年度別売上高」という指標を開示しています。

noteでマネタイズしているクリエイターは継続して売上を生み出すことができています。
しかし、年度別の売上高が横ばいとなっていることから、単価が上げづらい特徴も読み取れます。
発信者のマネタイズはnoteにとっても重要な論点となるため、今後この数値がどのように変化してくるかは要注目です。

noteの主要KPI

noteの損益計算書


以上を踏まえてnoteの損益計算書を見ていきます。
noteは広告収入を採用しないコンテンツ課金型のビジネスモデルであるため、他の広告収入を採用しているメディア企業と比べると売上高が伸びづらいという特徴があります。

noteの損益計算書

また、メディアビジネスのコスト構造からもわかる通り、固定費が中心となります。
従って、黒字転換に向けて、今後の売上高の増加が大きな注目ポイントとなっています。
noteのコスト構造

「仮に広告収入を採用していれば黒字になっていたのでは?」というお話は、色々な場所で耳にしますが、その場合、これだけ素晴らしいクリエイタープラットフォームは世に受け入れられていなかったかもしれません。



広告マネタイズに依存しない新しいメディアビジネスとして、noteの今後に注目です。

はてなのビジネスモデル


それではその他の選択肢の企業を紹介します。

まずは、はてなのビジネスについてを解説します。
はてなは、企業に対するデータ販売やマーケティング支援がメインの収入源です。
また、広告枠を提供し広告料を得る広告収入や有料プランでの課金収入も展開しています。

はてなのビジネスモデル

売上高の内訳を見ると、データ販売やマーケティング支援などがメインの収益源であることが読み取れます。

はてなの売上高の内訳

以上を踏まえて、はてなの損益計算書を確認します。
はてなはnoteと同じメディアビジネスを展開しているため、メディアの運営にかかるコストが販管費に計上されます。
また、はてなはメディアビジネスのみならず、データ販売やマーケティング支援など複数の収益源を有していることも特徴です。

はてなの損益計算書

Gunosyのビジネスモデル


最後にGunosyのビジネスモデルを解説します。
Gunosyは広告主にグノシーの広告枠を提供し、広告料を得る広告配信収入がメインです。
外部メディアからも広告枠を仕入れて広告主に販売するアドネットワークも展開しています。

Gunosyのビジネスモデル

Gunosyは、キュレーションメディア「グノシー」などでの広告配信収入がメインです。

Gunosyの売上高の内訳


以上を踏まえて、Gunosyの損益計算書を確認します。
Gunosyはアドネットワークでの広告枠の仕入費用が多く計上されるため、他のメディア企業と比べて売上高原価率が高くなりやすい傾向があります。

Gunosyの損益計算書

会計クイズ:まとめ


最後にまとめです。
今回はメディアビジネスというテーマで、3社のビジネスモデルを比較しました。
メディアビジネスと言っても、各社のメディアの特徴やビジネスモデルが全く違うことが決算数値を見ることによって読み取ることができます。

会計クイズのまとめ

以上、今回のクイズの正解は、選択肢②がnoteでした。
会計クイズの正解発表

お付き合いいただきありがとうございました。
決算書や企業のビジネスについて少しでも興味を持っていただけましたら幸いです。

基礎からしっかり学びたい方は、ぜひ学習アプリ「Funda簿記」をご覧ください。
アプリ内で決算書の構成や作り方を学ぶことができます。

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出典:note株式会社
新規上場申請のための有価証券報告書
https://www.jpx.co.jp/listing/stocks/new/co3pgt0000001sxv-att/12note-1s.pdf

事業計画及び成長可能性に関する事項
https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS05592/fa315c27/8750/4136/8610/d0376a2a3e3f/20221222172840633s.pdf


出典:株式会社はてな
2022年7月期有価証券報告書
https://ssl4.eir-parts.net/doc/3930/yuho_pdf/S100PFDL/00.pdf


出典:株式会社Gunosy
2022年5月期有価証券報告書
https://ssl4.eir-parts.net/doc/6047/yuho_pdf/S100P3ML/00.pdf

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