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マーケティングミックスとは?競合企業の分析を考えるフレームワーク

2024.4.29

マーケティングミックスとは?競合企業の分析を考えるフレームワーク

マーケティングミックス(4P分析)とは、立案したマーケティング戦略に基づいて、何をどのように実行するかの具体的な施策を考えるフレームワークです。

自社の施策立案に加え、競合企業がどのような施策を打っているかを分析する際にも使います。

マーケティングミックス(4P分析)とは

マーケティングミックスは、「Product:製品」「Price:価格」「Place:流通」「Promotion:プロモーション」の4つのPで構成される実行施策を考えるフレームワークです。

※現在は、プロモーションではなく、コミュニケーションと呼ばれることが多いです。

マーケティングを実行する際に、どのようにアプローチをかけるか、施策に漏れがないかなどを考える場合や、他者に説明する際に有効です。


マーケティングミックス(4P分析)の用語解説


Product:製品

製品には、製品自体の価値に加えて、それと関連するあらゆる要素が含まれます。

製品そのものの価値

製品の機能や特性、性能など、製品を使って得ることができる効用

例:iPhone 電話やインターネットなど、基本的なスマートフォンとしての機能

製品のブランド価値

パッケージやデザイン、ロゴなどの製品をイメージさせるブランド価値

例:iPhone Appleのロゴというブランド

製品の付随価値

アフターサービスなど、製品を購入することでの付随的な価値

例:iPhone Apple Store使えたり、他Apple製品との連携がしやすい


Price:価格

価格だけではなく、支払いに関連する要素である支払い方法、支払い条件などが含まれます。

価格

顧客が払える価格、競合の価格を考えた上で、自社の製品コストを考えて決定

例:iPhone 競合と比較して高単価。しかし、ブランド価値から単価が高くても手に入れたいファンがいる。


支払い方法

「買い切り」なのか、「月額」なのか、「年額」なのかなどが決済方法

例:iPhone 携帯販売代理店やApple Storeで分割払いまで対応


Place:流通

顧客が商品を購入する販売場所だけではなく、製品を製造して顧客に届けるまでの全ての事象が含まれます。


販売場所

直販なのか、外部の小売企業なのかなど、顧客が購入する場所

商品をどれくらいの店舗数に展開するのかなどの規模感

例:iPhone 全国の8,000ほどある携帯販売代理店や家電量販店に加え、Apple Store、Apple ECサイトで販売


製品の製造から販売までの長さ

D2C(Direct to Consumer)モデルを採用するのか、従来のように卸売企業に商品を卸してから小売店で販売するのかなど、顧客に商品が届くまでの流れや関わる企業の数

例:iPhone 製品の製造を外部の企業に委託し、企画と販売を行う


Promotion:プロモーション(コミュニケーション)

広告、販売促進、人的販売、PRなどが含まれます。

どんな内容を、どこでどうやって伝えるかを考える必要があります。

例:iPhone マス向けのテレビ広告に加え、CEOによる商品説明会


マーケティングミックス(4P分析)の使い方

4つのPは、取るべき戦略や業界特性、ビジネスモデルによって、重視するポイントが変わります。

何が一番の強みか、売りたい内容かを考えて優先順位づけして、施策を立てるのがおすすめです。

低価格戦略ならば、どれだけコストを切り下げて価格を下げられるかが一番の論点になり、次にどこで販売するかなどを考えます。

ブランドを活用した差別化戦略で最も重要なのは、そのブランドに共感してファンになってくれるであろう人と接点を持つことです。

そのため、広告の打ち方やどこで販売するかが重要になります。

競合他社の分析でも、競合の一番の強み、顧客に選ばれている理由などから分析する必要があります。


マーケティングミックス(4P分析)をする際に意識するポイント

狙っている領域と各要素が合っているか

STP分析で決めた「ターゲット」や「セグメント(領域)」に、マーケティングミックスの施策が合っているかが重要です。

例えば、美肌成分が多く入っている洗顔料を、20-30代で肌を特に気にかけている働いている男性をターゲットとして、商品を展開すると仮定します。

その場合、

・美肌成分が多く入っている洗顔料がターゲットにマッチしているか?

・そのターゲットに知ってもらうのに適切な広告か?

・そのターゲットがアクセスする販売場所か?

を考える必要があります。


要素間の施策が合っているか

製品、価格、流通、広告それぞれが実現できるかどうかが重要です。

例えば、上記のように20-30代の肌を気にかけている働いている男性をターゲットとした場合を考えます。

最近は美意識が高い人が増え、高単価・高品質で訴求する方が効果があると考え、高単価にしました。

しかし、仕事を終わりにご飯を買うついでに買ってもらおうという理由で、販売場所にスーパーを選ぶのはどうでしょか?

安い商品が並ぶスーパーで高価格帯の化粧品を出しても、なかなか売れないことがイメージできると思います。

このように、要素間での施策にずれがないかを考える必要があります。


マーケティングミックス(4P分析)のリサーチ方法

競合企業の情報をキャッチアップしたい場合は、

・IR資料

・ニュースリリース

・CM

・スーパーなどの販売店にいく

・実際に購入してみる

などがおすすめです。


マーケティングミックス(4P分析)の事例:ユニクロ

ユニクロを事例に考えてみます。

Product:製品

ユニクロでは、究極の普段着をテーマに、高品質でベーシックな商品を展開

Price:価格

ファストファッションとして、参入しているため、比較的低価格で商品を展開

比較的低価格で提供できる主な要因は、自社で企画して、服の製造を海外工場に委託しているため

Place:流通

2020年8月時点で、全国に813店舗展開

駅近や大型スーパー、ロードサイドなどさまざまなところに出店

現在は、より多くの顧客を獲得するために店舗の大型化を進めている

EC販売率も13%ほどとなっていて、強力な販売チャネルを持っている

Promotion:プロモーション

マス向けのテレビ広告に加えて、目立つところへの出店がプロモーションになっている

マーケティングミックス(4P分析)のまとめ

マーケティングミックス(4P分析)とは、STP分析などでセグメントやターゲットを絞った後に、そのセグメントやターゲットが購入してくれるように実行の施策や戦略をたてるフレームワークです。

フレームワークは埋めるだけでは使えるようにならないため、注意点や意識するポイントをおさえた上で活用しましょう。

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この記事を書いた人

著者:大手町のランダムウォーカー

大手町のランダムウォーカー

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トータルSNSフォロワー20万人の会計インフルエンサー。著書の『世界一楽しい決算書の読み方』はシリーズ累計30万部突破。

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