時価総額とは?計算方法や日本の上位ランキングをわかりやすく解説
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会計2024.6.25
時価総額とは?
時価総額とは、株価に発行済株式数をかけて計算されるものであり、企業の規模や価値を評価するための指標です。時価総額が大きければ大きいほど、企業の価値は高いと判断します。
新聞やニュースでも頻出の用語であるため押さえておきましょう。
この記事では、時価総額の計算方法や使い方、日本企業の時価総額ランキングなどについて図解を用いてわかりやすく解説します。
ぜひ最後まで読んでいただけますと幸いです。
時価総額の計算方法
時価総額は、以下の計算式で求めます。
- 時価総額=株価×発行済株式数
例えば、株価が100円で発行済株式数が1,000株の企業の場合、時価総額は100,000円(100円×1,000株)となります。
時価総額の英語表記
時価総額は英語で「market capitalization」や「market cap」と表現します。
海外の企業を調べる際に出てくる英単語のため、この機会に覚えておきましょう。
時価総額の基本的な考え方
時価総額の考え方はシンプルで、時価総額が大きいほど企業の価値が高い、会社の規模が大きいと判断します。
例えば、下図の場合、企業Aの方が価値が高く、会社の規模も大きいと簡易的に判断します。
時価総額の目安
時価総額は、1,000億円以上が1つの目安です。
時価総額1,000億円以上の企業は業績が安定していると評価できるため、参考の1つとして時価総額1,000億円を目安に企業の価値を判断することができます。
日本企業の時価総額ランキング
2024年6月24日時点の日本企業の時価総額ランキングは以下の通りです。
時価総額と間違えやすい指標を解説
時価総額と間違えやすい指標は主に3つあります。
- 企業価値
- 株価
- 総資産
企業価値
企業価値とは、企業が持っている価値を数値化したものです。
「事業価値+非事業資産価値」または「有利子負債+株主価値」で求めることができます。
- 企業価値=事業価値+非事業資産価値
または
- 企業価値=有利子負債+株主価値
時価総額は株価の総額であり「株主価値」を意味するのに対して、企業価値はこの時価総額に対してさらに有利子負債の金額を加えたものを指します。
また、時価総額は投資家が企業の規模や市場での位置づけを判断する際に利用される一方で、企業価値は買収や合併の際の評価を測る際に使われます。
株価
株価とは、各企業が発行している株式1株あたりの値段のことです。
株式を買いたい投資家が多いほど株価は上がり、逆に株式を売りたい投資家が多いほど株価は下がります。
株価は企業の株式1株あたりの値段を表すのに対して、時価総額は株価に発行済株式数をかけて計算されるものであり、企業の規模や価値を表す違いがあります。
総資産
総資産とは、企業が保有する資産の合計額です。
1年以内に現金化される流動資産と1年以上使用される固定資産で構成されています。
総資産は企業の財務状況や資産運用の効率性を測る際に使われますが、時価総額は投資家が企業の市場価値を評価するために使われる違いがあります。
時価総額の使い方とは?
それでは、時価総額の使い方について解説していきます。
時価総額は、企業の価値や規模の大きさを測ることができる指標です。
しかし、計算式に当てはめて株式指標を算出するだけでは、その数値が良いのか、悪いのかを判断することができません。
そのため、時価総額を使って分析する際は比較する必要があります。
時価総額を使う際は
- 市場全体との比較
- 業界内での比較
の主に2つの比較をします。
市場規模との比較
投資対象の企業が時価総額ピラミッドのどこに位置しているかを考えることで、市場全体の中でどのように評価されているかを把握することができます。
上述した通り、時価総額の目安は1,000億円以上のため、参考の1つとして時価総額1,000億円を目安に企業の価値を判断することができます。
業界内での比較
基本的に同業界の企業は事業内容やビジネスモデルが似ている場合が多くあり、数値に差がないことが多いです。
時価総額は業界によって平均値が異なるため、業界内での比較が有効となります。
市場全体との比較だけでなく業界での比較も行うことで、より正確に投資対象の企業の立ち位置を把握することができます。
時価総額を使う際の注意点
時価総額を使う際の注意点は主に2つあります。
- 株価だけでは会社の価値は測れない
- 時価総額と株価の値上がりとの関係性
順に解説していきます。
株価だけでは会社の価値は測れない
株価だけを比較しても企業の価値は測れません。
具体例として、有名企業であるトヨタ自動車とキーエンスを例に解説します。
トヨタ自動車の株価は3,150円に対して、キーエンスの株価は69,800円とキーエンスの方が高いです。
しかし、キーエンスの方が約22倍価値があるというわけではありません。
時価総額で比較すると、トヨタ自動車は49兆円に対して、キーエンスは17兆円です。
キーエンスの方が株価が高いにもかかわらず時価総額はトヨタ自動車の方が高い理由は、発行済株式数が異なるためです。
株価は発行済株式数の多さによって左右されてしまうため、会社の価値を測る際は株価ではなく時価総額で判断する必要があります。
時価総額と株価の値上がりとの関係性
時価総額が高いと安心感はありますが、株価の値上がりはあまり期待できないため注意が必要です。
具体例として、電子部品メーカーの村田製作所と、家計簿アプリでおなじみのマネーフォワードを比較して解説します。
村田製作所の事例
時価総額が高い企業は長年にわたる経営で成熟した会社が多いです。
そのため、売上高は安定して推移していますが翌年に倍になることはありません。
したがって、直近10年の株価の推移を見てもあまり値上がりを期待できないことが分かります。
マネーフォワードの事例
次に2017年9月29日に上場したマネーフォワードを見ていきます。
上場時の時価総額は約500億円であり、時価総額ピラミッドでいう成長企業に位置しています。
マネーフォワードの売上高は上場時から急成長を続けており、2021年8月時点では時価総額が約4,000億円まで増加しました。
下の株価を見てもわかる通り、売上高が急成長しているのにあわせて株価も右肩上がりで上昇しています。
もちろん、上記の事例は一部であり時価総額が低いからといって必ずしも株価が上がるわけではありません。
しかし、時価総額が高い企業は株価が上がりづらく、低い企業は上がりやすいという特徴は覚えておいて損はないでしょう。
時価総額の調べ方とは?
最後に、実際の指標の調べ方を紹介します。
今回はYahoo!ファイナンスとバフェット・コードを使ってメルカリの時価総額を取りに行きます。
Yahoo!ファイナンスから時価総額を調べる
まずは、Yahoo!ファイナンスのページから調べたい企業を検索してください。
検索結果が出たら、企業名をクリックします。
株価情報の下にある「参考指標」のページから、企業の時価総額を把握することができます。
バフェット・コードから時価総額を調べる
バフェット・コードとは、企業分析を行うための個人投資家向けサイトです。
下記のリンクからご覧いただけます
はじめに、Googleで「バフェット・コード」と検索しましょう。
検索したらバフェット・コードのサイトをクリックします。
※基本的に1番上に出てきます。
トップページが開いたら、調べたい企業名を入力して検索をかけます。
個別企業のページが開いたら「企業概要」のページから、時価総額の数値を取得することができます。
※Yahoo!ファイナンスとは異なり、リアルタイムの数値ではない点に注意が必要です。
時価総額のまとめ
以上、時価総額の解説でした。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
時価総額は大きいほど、企業の価値は高いと判断します。市場全体や業界内との比較を行うことで、株価では測れない企業の価値を評価することができます。
ぜひ時価総額を日々の企業分析に取り入れてみてください!
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