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会計クイズ:正解
それでは正解の発表です。
正解は選択肢①コメダHDでした。
お付き合い頂きありがとうございました。

それではここからは解説です。
どうして同じ喫茶店事業を展開しているにもかかわらず、商品を販売してから現金化までのスピードに差が出るのかを解説していきます。
ビジネスモデル:喫茶店の出店状況
まずは3社の喫茶店の出店状況から確認していきます。
出店方法は、
の2つのパターンに分けられます。
3社の出店状況をまとめます。
- 銀座ルノアールはほとんどの店舗が直営店による出店
- ドトールは直営店とフランチャイズが半々程度
- コメダHDはほぼすべての店舗がフランチャイズによる出店
と3社それぞれ違う特徴を持っています。
今回はこの出店状況の違いが、どうして「現金回収のスピード」に影響を与えるのかを、コメダHDの事例を元に解説していきます。

ビジネスモデル:コメダ珈琲店の販売先
さて、「喫茶店ビジネス」というとどのようなイメージを持ちますか?
多くの方がイメージする喫茶店ビジネスは、私たち一般消費者に対してコーヒーやパン等を販売し売上を生み出しているイメージを持たれるのではないかと思います。
それでは、コメダHDの売上高の内訳を確認してみます。
売上高の内訳を確認するとわかるように、大部分が卸売り収入で構成されていることがわかります。
通常、卸売り収入というのは、流通業者などに商品を販売する業態のビジネスで用いられる収入です。コメダHDは一体誰に商品を販売しているのでしょうか?

ビジネスモデル:コメダ珈琲店の儲けの仕組み
コメダHDが誰に対して商品を販売しているのかを知るために、コメダHDのビジネスモデルの理解が必要です。コメダHDがどのようなビジネスで収益を生み出しているのかを確認していきます。
結論から言うと、コメダHDのメインの販売先は、私たち一般消費者ではなく、フランチャイズ店舗です。コメダHDは、コーヒーを販売する喫茶店に対して、コーヒー豆や商品を販売する会社です。
フランチャイズ店舗が増えれば増える程、コメダHDの販売先が増えます。販売先が増えれば増える程、売上高も増えていくため、コメダHDとフランチャイズ店舗は共存共栄の関係にあります。

ビジネスモデル:喫茶店各社の販売先
コメダHDがフランチャイズ店舗に対して卸売りを行っていることはわかりましたが、どうして商品を販売してから現金化するまでのスピードが長くなるのでしょうか?
ここに一般消費者向けビジネス(ToC)と企業向けビジネス(ToB)の違いが存在します。
一般消費者向けのビジネスの場合、現金での販売が中心となります。
特に単価の安いカフェの場合、大半の人が現金で支払いを行います。そのため、商品を販売してから現金化までのスピードが比較的早くなりやすいという傾向があります。
一方、企業向けのビジネスの場合、商品と現金をその場で交換する取引は稀で、多くの企業が月末締めの翌月以降の支払いとなります。
商品を仕入れる度に現金での交換が発生すると非常に煩雑になってしまうことから、月末締めで、翌月以降にまとめて決済というのが通常の慣習となります。

売上債権回転期間:使い方の解説
今回の喫茶店の事例で当てはめて見ていくと、直営店中心の銀座ルノアールが、商品を販売してから現金化までの時間が最も短くなります。
これは、一般消費者向けビジネスが中心のため、現金交換の比率が多いという理由です。
一方、一番長いのはフランチャイズに対しての販売比率の多いコメダHDです。
販売先が企業ということもあり、商品を販売してから現金での回収が最も長くなります。
最後に、一般消費者向けと企業向けビジネスを半々に行っているドトール日レスHDがちょうど中間に位置します。

会計クイズ:まとめ
以上、今回の問題の解答解説でした。
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<この分析記事の出典データ>
ドトール・日レスホールディングス IRページ
銀座ルノアール IRページ
コメダホールディングス IRページ
