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2021年9月に上場したばかりの監視カメラSaaS「セーフィー」について、ビジネスモデルの特徴や売上が2.5倍に増加した背景などを決算書から読み解きます。

会計クイズ

コロナ禍で急成長！監視カメラSaaSセーフィーのビジネスモデルを徹底解説

GDPは国の経済状態がわかる重要な経済指標です。投資をするうえで長期的な視点は欠かせません。この記事でマスターしましょう！

GDPとは？意外と知られてないGDPを徹底解説

<h2 id="ha39e283f35">産業全体の動向がどのように経済に影響を与えるのか</h2><p>人が豊かな生活を送るには、経済活動により収入を得ることが必要です。そうした収入は仕事をすることで得られますが、産業が活発でなければ仕事のもらい先である会社が十分な利益を得られず、個人の収入も十分なものにならないでしょう。<br>新型コロナの影響により、一時は多くの産業が活動を沈静化させました。経済活動ができなくなった産業に従事する人は、収入がないためお金を消費できず。その結果他の産業にもお金が回らなくなり、日本全体の経済が動きを鈍らせてしまったのです。<br>得た収入を市場に還元することで、経済は回り続けます。経済を活発に回すためには、多くの収入を得られる産業が必要。すなわち、産業が活発であって初めて経済は豊かに回り始め、市場が活性化していくのです。</p><h2 id="hb76fe65c5f">産業全体の動向がわかる経済指標</h2><p>産業には製造業、商業、金融業、サービス業など、多くの種類があります。経済統計によれば、細分化した数はなんと400以上。それぞれの産業の活動が鈍ければ、他の産業にも影響を与え、経済全体の動きが鈍化してしまいます。そうならないためにも、各産業がどのような動きを見せ、何に問題を抱えているのかを明確にするのが大切。そのために用いられるのが、産業全体の動向を測定する経済指標です。</p><h3 id="h18bdd2d599">法人企業統計とは</h3><p>財務省主導で行われる、営利法人等の企業活動の実態を把握するための調査・統計です。調査には2種類あり、営利法人等のその年度における確定決算の計数を調査する「年次別調査」、資本金等が1,000万円以上の営利法人を対象とした四半期ごとの仮決算数を調査する「四半期別調査」に分かれています。<br>調査対象は2009年度以降、資本金5億円以上の全企業および資本金1億円以上の保険業・金融業が対象となっています。この調査では、各企業の貸借対照表・損益計算書に基づくあらゆる計数が集計され、業界別に集計されて公表。この統計により、業界ごとの景気の状況や設備投資の動向といった動きが読み取れます。<br>財務省財務総合政策研究所「<a href="https://www.mof.go.jp/pri/reference/ssc/index.htm" target="_blank" rel="noopener noreferrer">法人企業統計調査</a>」<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/bcfd931040344c99bcb573b1e96c836f/AT_indusries_keizaisihyou_1.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="法人企業統計"><br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/468a5879d3ef4c1393334a12cf36724d/AT_indusries_keizaisihyou_2.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="法人企業統計・年次別調査"></p><h3 id="hadd1e88344">日銀短観とは</h3><p>日本銀行が主導で全国の企業に調査を行う統計調査です。正式名称を「全国企業短期経済観測調査」といい、全国の企業動向から適切な金融政策の運営を行うことを目的としています。<br>調査対象は全国の資本金2,000万円以上民間企業から抽出された約1万社。回答義務や罰則がない調査ですが、回答率は軒並み99%という驚異的な数値を誇ります。<br>調査は毎年3・6・9・12月に行われ、翌月初～中旬に調査結果が公表されます。速報性が高いことから、市場からも注目を集める経済指標とされています。<br>調査内容は、売上や設備投資額などに対する実績や予測値など、企業活動全般に渡ります。また事業の状況に対する経営者の判断項目もあり、数値には表面化しにくい経営者の心理的動向も調査しています。<br>市場におけるあらゆる判断材料が集計されるため、政府主導の調査でないにも関わらず、非常に高い信頼度を持つ統計となっています。そのため日銀による景気動向の判断だけでなく、投資家による市場判断にも活用されています。<br>日本銀行「<a href="https://www.boj.or.jp/statistics/tk/index.htm/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">短観</a>」<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/9de8946d57be4dca91b95eedc276c181/AT_indusries_keizaisihyou_3.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="日銀短観"><br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/2bc70c0aa1d948cf98111bea6ea5cee4/AT_indusries_keizaisihyou_4.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="日銀短観"></p><h3 id="h7787e4d66b">景気動向指数とは</h3><p>景気全体の現状の把握や未来の動向を予測するための指標です。内閣府が主導でまとめており、計30の指標から総合的に景気の動向を判断しています。<br>景気動向指数はコンポジット・インデックス（CI）とディフュージョン・インデックス（DI）に分かれており、さらにそれぞれ先行指数、一致指数、遅行指数の3本の指数に分かれています。それぞれ判断材料とする指標が異なり、景気の動向を過去・現在・未来の観点から分析するために用いられます。<br>景気動向指数は毎月第1～2週目に前月分の速報指数が発表され、約2か月後に改訂状況として再発表されます。速報性が高く、参照する指標も豊富な点が、GDPよりも優位な点として捉えられています。<br>内閣府「<a href="https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/di.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">統計表一覧：景気動向指数 結果</a>」<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/36fbd3e776b3456ea6837d092e9a1abc/AT_indusries_keizaisihyou_5.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="景気動向指数"></p><h4 id="hc48e37ed0f">CI,DI、先行指標、一致指数、遅行指数の違い</h4><p>景気動向指数を構成する5つの要素が「CI」「DI」「先行指標」「一致指数」「遅行指数」です。<br>CIとDIは、同じ指数を異なる観点から分析する景気指標です。<br>CIは景気変動の大きさやテンポを表す指数です。構成する指標の動きを合成して測定します。2015年の指数を基本値となる100とし、前月の指数が100を上回るようなら景気が拡大局面、下降しているなら後退局面であることを示します。また指数変化の大きさがテンポを表しており、指数の変化が大きいほど拡張または後退のテンポが早いことを表します。<br>DIは、関連する経済指標の中で、景気の拡大を示している指標の割合を示したものです。50%を景気の拡大・後退の境目とし、100%に近いほど景気は拡大局面にあり、0%に近いほど後退局面であることを示します。<br>先行指標・一致指数・遅行指数は、景気との連動の仕方によって分類される指数です。<br>先行指標は景気に対して先行して動く指標です。将来の景気がどのように変化をするか、先行きの予測に適しています。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/48ffd4f4c4b34f0889c65df1509525e5/AT_indusries_keizaisihyou_6.JPG" alt=""><br>一致指数は景気に対してほぼ一致する状態で連動する指数です。現在の景気の状態を把握するのに適しています。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/2b22240b7d30489989760455708e3ed2/AT_indusries_keizaisihyou_7.JPG" alt=""><br>遅行指数は、景気の変動と一致せず、やや遅れて変化する指数です。およそ数ヶ月から半年ほど遅れるとされており、景気対策の効果検証に適しています。<br>全国では、以下の指標を景気動向指数の分析に用いています。なお、都道府県によっては異なる基準を設けている場合もあります。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/46239b3744324eacb3eefbf24a0d3c8d/AT_indusries_keizaisihyou_8.JPG" alt=""></p><h3 id="h2283fbe59f">景気ウォッチャー調査とは</h3><p>地域ごとの景気動向を把握し、国内の景気動向を判断するための調査です。対象地域は北海道・東北・北関東・南関東・甲信越・東海・北陸・近畿・中国・四国・九州・沖縄の12地域に分割。小売業やレジャー業、運送業といった地域の経済活動の動向を観察できる業種の中から「家計動向判断」「企業動向関連」「雇用関連」の調査に適した計2,050人を対象に、電話もしくはWebサイトを使ってインタビュー、または電子メールで質疑応答を行います。<br>調査期間は毎月25日から月末にかけて行われ、調査結果は翌月中旬に発表されます。調査内容は指数ではなく、各分野ごとに景気の現状判断、業種・職種、判断の理由、具体的状況の所感をリスト化。現地における景気の変動を肌で感じた声から、実態としての景気動向を推し量ることができます。<br>内閣府「<a href="https://www5.cao.go.jp/keizai3/watcher/watcher_menu.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">景気ウォッチャー調査</a>」</p><h3 id="h7f77d85e55">企業倒産件数とは</h3><p>日本国内における倒産件数を集計した調査です。民間企業である株式会社東京商工リサーチが実施しており、全国かつ負債総額1,000万円以上の倒産統計を対象に「倒産月報」として月次で発表。さらに年半期（1～6月、7～12月）、年度半期（4～9月、10～3月）ごとに集計しています。<br>倒産件数の推移から、現在の景気の動向や景気対策の成果が読み取れます。また産業別・地域別に集計された倒産件数からは、業界や地域に紐付く動向が見え、投資家の判断材料としても有効に活用できるでしょう。<br>株式会社東京商工リサーチ「<a href="https://www.tsr-net.co.jp/news/status/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">企業倒産件数状況</a>」<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/8ab57c612fe4440d9c762744044f8be5/AT_indusries_keizaisihyou_11.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="企業倒産件数"><br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/6d6e02591277433e8bc0aee0dfa243a2/AT_indusries_keizaisihyou_10.JPG" alt=""></p><h3 id="h8ea963d848">鉱工業指数とは</h3><p>日本国内全体の鉱業・工業の動向を示す統計です。生産・出荷・稼働率などの項目において、基準時と比較した指数を用いて現在の状況を表現します。<br>基準時は2015年1～12月の平均値を100とし、比較対象は数量の変動のみとしています。<br>指数比較の対象となる項目は、それぞれ以下の内容です。<br><br>集計は月次で行われ、速報は翌月末、確報は翌々月中旬に行われます。鉱工業の動向を通じて国内の生産業の景気を判断し、生産活動や生産動向の先行きに関する基調判断、GDP、景気動向指数といったあらゆる指標の集計に幅広く利活用されています。<br>経済産業省「<a href="https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/gaiyo.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">鉱工業指数の概要</a>」<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/0c1ccf9c09a647f69141d4525a91564c/AT_indusries_keizaisihyou_13.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="鉱工業指数"><br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/c984cecbd3404fd09e03f5b6cc805601/AT_indusries_keizaisihyou_14.JPG" alt=""></p><h3 id="h8011386c96">第３次産業（サービス産業）活動指数</h3><p>第3次産業（サービス業）に属する業種の生産活動を総合的に捉えるため、経済産業省によって統計が出される経済指標です。対象は非製造業に該当する広義のサービス業であり、2015年を基準年とした「日本標準産業分類」の13大分類に属する業種が対象。集計時には11分類に再編成されています。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/2add0cc3246f443abfd591d89d9b854f/AT_indusries_keizaisihyou_16.JPG" alt=""><br>集計は月次で行われ、該当月の統計は翌々月の中旬に経済産業省のホームページにて発表されます。<br>第３次産業活動指数は景気動向を捉えるための指数として「景気動向指数」や「月例経済報告」の参考とされています。「鉱工業生産指数」と並んで、国内産業の動向を捉えるための指数として大変重要な存在です。<br>経済産業省「<a href="https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/index.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">第３次産業（サービス産業）活動指数</a>」<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/70891e7a1e554663aa6bc24f16c8506b/AT_indusries_keizaisihyou_15.JPG" alt=""></p><h2 id="ha214098e44">まとめ</h2><p>産業の動向を指標を通じて読み解くことで、経済の動向をより深く分析できるようになるでしょう。各産業の指標は、短期的な分析だけでなく長期的な視野も重要。数字の動きがどのように経済に結びついているかを考えると、一歩進んだ経済分析に繋がります。ぜひそれぞれの産業指標を読み解いてみてください。</p>

産業ごと動向を把握するのは、株式投資や事業作り、就活・転職でも有効です。調べ方からデータ元、データの扱い方を徹底解説

産業全体の動向がわかる経済指標を徹底解説

<h2 id="h10c0159254">産業の仕組みと業種について</h2><p>経済を構成する産業には様々な種類の業種があり、大きく分けて三つに分類されています。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/965b05c9ca504b71b0f15a51d75ceaa8/AT_segments_keizaisihyou_1.JPG" alt=""><br>各産業は、他の産業と密接に関わり合いながら、それぞれの事業を成立させています。第二次産業は第一次産業が、第三次産業は第二次産業がなければ、事業を成立させることはできず、第一次産業も第二次・第三次産業からの需要があってこそ成り立っています。<br>各家庭にレトルトのカレーが並ぶには、まずカレーの材料を生産・収獲（第一次産業）し、それを加工会社が製品へ加工（第二次産業）。運送業が運搬し小売業で販売（第三次産業）して、初めて消費者の手に届きます。どこかひとつが好調ならよいというものではなく、相互に支援しあう関係であってこそ、それぞれの産業が好調になるのです。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/e0dd88c535b04d7e9127064ae660588f/AT_segments_keizaisihyou_2.JPG" alt=""></p><h2 id="h42adf03676">業種ごとのGDPの割合</h2><p>GDPを業種ごとに見た割合は以下の通りです。<br>&nbsp;<img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/32fb1c69bbc84216bec123f28e621082/AT_segments_keizaisihyou_3.JPG" alt=""><br>国内では製造業のGDP比率が最も高く全体の約2割。次いで卸売・小売業、不動産業が続きます。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/9652cad9ee6148349ed6266e6860784e/AT_segments_keizaisihyou_4.JPG" alt=""><br>2010年から2019年にかけて増進傾向にあるのが専門・科学技術、業務支援サービス業と保健衛生・社会事業。IT化の促進と保健・福祉への意識の高まりが、GDPへも現われている結果となっています。<br>内閣府「<a href="https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/kakuhou/files/2019/2019_kaku_top.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">2019年度国民経済計算</a>」</p><h2 id="h74fe844f9b">鉱工業の動向がわかる経済指標</h2><p>GDPにおいて大きな比率を占める鉱業・製造業の総計である鉱工業。日本経済において重要な役割を担う業種であり、その動向ひとつでGDPにも大きな影響を与えます。<br>その鉱工業全体の動向を示す統計が「鉱工業指数」です。鉱工業指数は、基準年を100とした指数の形で、その時点の鉱工業の状況を示します。日本のGDPの2割を占め、関連業種も含めれば4割もの経済活動に影響を与える鉱工業は、その動向が非常に重要。また景気の動きに敏感に反応するため、国内の経済状況の変動を察知するための指標として非常に優秀です。</p><h3 id="h80a5bd4f60">鉱工業指数</h3><p>鉱工業指数は、国内の鉱業・製造業の生産量や出荷量、設備の稼働状況などを把握するための指数です。5年ごとに更新される基準年（現在は2015年）と該当年を比較し、生産・出荷・在庫・在庫率の指数を算出します。</p><h4 id="hf1d8ef0056">生産指数、出荷指数、在庫・在庫率指数とは</h4><p>鉱工業指数は、主に「生産指数」「出荷指数」「在庫指数」「在庫率指数」の4つの指数で構成されています。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/4a580fcfb1384c7b904cad2cee6a0668/AT_segments_keizaisihyou_6.JPG" alt=""><br>基準年＝100として、当該月の生産・出荷・在庫量を品目ごとに指数化。鉱工業全体や業種別・品目別などの目的別に集計し、総合的な指数を算出します。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/31c6e7feebc74825a8396346a8839830/AT_segments_keizaisihyou_5.JPG" alt=""></p><h2 id="h72622baf3d">製造業の動向がわかる経済指標</h2><p>鉱工業指数とは別に、製造業特有の指数も存在します。第二次産業である製造業は、あらゆる業種との繋がりを持つ日本における主要産業のひとつです。動向のひとつひとつが日本経済に大きな影響があるため、指標を用いて動向を見守る必要があるのです。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/c785ecc3afc343ffb319822fc837bd1b/AT_segments_keizaisihyou_7.JPG" alt=""></p><h3 id="h4b0b05a8a4">生産指数 集積回路とは</h3><p>集積回路とは、半導体基板の上に抵抗やコンデンサ、トランジスタなどをまとめた電子部品を指します。鉱工業指数の対象となる157の品目のひとつとして数えられます。<br>集積回路は、あらゆる電子製品に組み込まれる部品であり、その需要は非常に高いものです。あらゆる電子製品の開発が求められるハイテク産業においては必須の部品であることから、集積回路は経済の動向を判断する指標のひとつとして注目されています。<br>経済産業省「<a href="https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/index.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">鉱工業指数(生産・出荷・在庫、生産能力・稼働率)、製造工業生産予測指数</a>」</p><h3 id="hcf6c6c8fc7">粗鋼 生産高とは</h3><p>一般社団法人日本鉄鋼連盟では、国内における粗鋼の生産高を集計し公表しています。毎月速報として公開され、暦年・年度の集計データがそれぞれ年に1度更新されています。<br>粗鋼は圧延や鍛造といった加工を施される前の鋼です。主に自動車などの材料や建築に使われる建材に用いられます。<br>比較的高級商材となる材料であることから、粗鋼の生産高は景気の動向を測る指標のひとつとして用いられています。<br>一般社団法人日本鉄鋼連盟「<a href="https://www.jisf.or.jp/data/seisan/index.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">鉄鋼生産速報</a>」</p><h3 id="hcfd2001e44">新車販売台数とは</h3><p>一般社団法人日本自動車販売協会連合会が発表する、自動車の登録台数を集計した指標です。毎月稼働日1日目に新車登録車数の総計を発表。4日目には新車メーカー別、8日目には中古車のデータが公表されます。<br>2018年における自動車製造業の製造品出荷額は62兆3,040億円。全製造業における製造品出荷額のおよそ19%が自動車であり、GDPの約1割を占める巨大産業として大きな存在感を持っています。自動車の販売台数は、そのまま日本経済の隆盛に直結するといえるほど大きな比率を占めているため、新車販売台数は景気の動向を判断する材料のひとつとして重視されているのです。<br>一般社団法人日本自動車販売協会連合会「<a href="http://www.jada.or.jp/data/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">統計データ</a>」</p><h2 id="h803d612946">建設業の動向がわかる経済指標</h2><p>建設業はGDPの約5%に留まっていますが、建材や各種サービスとも関係が強く、経済への影響は非常に大きな業界といえます。建設業の動向を調査することにより、日本経済の動向を予測できる面も大いにあるでしょう。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/2ae8bad53b9d497fbec000789dd13fdf/AT_segments_keizaisihyou_8.JPG" alt=""></p><h3 id="h8adae0a86a">建設工事受注</h3><p>建設業の動向は、建設工事受注動態統計調査を通じて確認できます。工事は、受注から着工、竣工と長い期間をかけて行われるため、経済的な影響が起きるのは受注時点よりも未来となります。そのため建設工事受注は先行指標としての側面を持ち、建設業の将来的な景気を予測する材料となります。<br>建設工事受注動態統計調査は、建設大手50社を対象に毎月実施され、翌月末に公表。また年計は翌年の1月末、年度計は翌年の4月末に、対象月の月報と共に公表されます。<br>国土交通省「<a href="https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&amp;toukei=00600130&amp;tstat=000001015811" target="_blank" rel="noopener noreferrer">建設工事統計調査</a>」</p><h3 id="h40308256fd">新設住宅着工</h3><p>建設業の指標において、もうひとつ注目したいのは新設住宅着工に関する指標です。新築住宅の購入は金額が大きく、一般的にはそうそう簡単に購入には踏み切れません。1%でも値下がりが発生すれば支払金額に大きく影響するため、景気が悪化トレンドにある間は、下がりきるまで買い控える傾向が強く見られます。そうした市民心理の影響をダイレクトに受ける指標のため、民間消費に影響する指標として注目されています。<br>新築住宅着工は建築動態統計調査の一部として行われ、毎月の統計は翌月末に公表されます。また年計は翌年の1月末、年度計は翌年の4月末にまとめて発表されるのが通例です。<br>国土交通省「<a href="https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&amp;toukei=00600120&amp;tstat=000001016966" target="_blank" rel="noopener noreferrer">建築着工統計調査</a>」</p><h3 id="h1546a2c873">マンション契約率</h3><p>株式会社不動産経済研究所が発表する「マンション市場動向」では、毎月のマンション契約率を集計し公表しています。非常に高額な買い物であるマンションは支払いが数十年と続くため、個人の先行きが不透明である間はなかなか購入に踏み切れないものです。そのため契約率の上昇が見られるようになると、財政状態が良好である個人が経済の先行きを明るいと判断している証拠となるため、民間消費の動向を表す指標のひとつと考えられています。<br>株式会社不動産経済研究所「<a href="https://www.fudousankeizai.co.jp/mansion" target="_blank" rel="noopener noreferrer">マンション市場動向</a>」</p><h2 id="h00dd97bc4a">サービス業の動向がわかる経済指標</h2><p>第一次産業・第二次産業を除くサービス産業（広義）は、GDPの約7割。市場規模は拡大の傾向を続けています。動向が経済に大きな影響を与えるサービス業を測る指標を通じて、経済動向を見極めましょう。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/400198f689234300a8e3c9939bba3dba/AT_segments_keizaisihyou_9.JPG" alt=""><br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/396e0a828b8a46e280ea1653db1782c7/AT_segments_keizaisihyou_10.JPG" alt=""></p><h3 id="hfccb86221d">広告扱い高</h3><p>広告費は景気が悪くなると削られる対象となる経費の「3K（交通費、交際費、広告宣伝費）」のひとつ。すなわち広告への資金流入が多ければ多いほど、景気が好調であるとみなすことができます。また広告費は実際の収益に繋がる前の先行投資であるため、経済指標においては先行指標となり、今後の経済を予測する材料として非常に大きな役割を果たします。<br>株式会社電通「<a href="https://www.dentsu.co.jp/news/release/2021/0225-010340.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">2020年 日本の広告費</a>」</p><h3 id="h936089092c">第三次産業活動指数</h3><p>第三次産業の活発さを表す指標として、経済産業省が公表しています。全産業のうち、第一次産業と第二次産業を除くすべての産業が含まれる第三次産業は、経済産業省の区分では広義のサービス業に該当。GDPの7割を占めるサービス業の動向を指数で読み解くことにより、経済活動に繋がる産業の生産活動を総合的に捉えることができます。<br>経済産業省「<a href="https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/index.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">第３次産業（サービス産業）活動指数</a>」</p><h4 id="h52ff0ac2a8">指数の仕組みの解説</h4><p>第三次産業活動指数は、基準年である2015年の付加価値額の平均を100とした指数で表されています。第三次産業活動指数の対象となる業種は「日本標準産業分類」の13大分類を一部組み替えた11分類に属する業種です。<br>その11分類は個人を相手にした「広義対個人サービス」と事業者を相手にした「広義対事業所サービス」に分けられ、それぞれの区分ごとに指数が算出されます。<br>また月次の指数は、季節季節による指数の動きの癖を無視した「原指数」と、クセを加味した「季節調整済指数」として算出。原指数は前年同月と、季節調整済指数は同年前月との比較において使用されます。&nbsp;&nbsp;&nbsp;</p><h3 id="hd2de3d4025">小売業販売額</h3><p>経済産業省が公表する商業動態統計には、全国の小売業の販売活動の動向を明らかにする指標として「小売業販売額」が含まれています。<br>集計は毎月行われ、速報値は調査対象月の翌月末、確報値は翌々月末に公表されます。<br>小売業販売額はサービス業の動向を見る指標としては非常に有効です。小売業販売額の増減は家計の消費支出とかかわりが深く、GDPの個人消費の割合とも連動して動くため、個人消費の観点から景気の動向を見るには優れた指標といえます。<br>経済産業省「<a href="https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/syoudou/index.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">商業動態統計</a>」</p><h3 id="hf001cfccbf">全国百貨店売上高</h3><p>一般社団法人日本百貨店協会では、定期的に「百貨店売上高」として、地区別の百貨店売上高を指標として公表しています。<br>日本全国の百貨店を対象に、衣料品・身の回り品・雑貨など8大分類19小分類別に売上高を集計し、百貨店全体における経済活動の状況を集計しています。集計は月次で行われ、翌月末付近に公表されます。<br>全国百貨店売上高に反映される売上高は、贅沢品が多く含まれる傾向が強い傾向があります。可処分所得に余裕がある個人による贅沢品の購入傾向から、個人が景気の先行きをどのように見通しているかを伺いすることができる指標です。<br>一般社団法人日本百貨店協会「<a href="https://www.depart.or.jp/store_sale/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">百貨店売上高</a>」</p><h3 id="h67a82cc853">チェーンストア売上高</h3><p>日本チェーンストア協会では、チェーンストアの販売統計を公表しています。<br>日本全国1万店舗以上のチェーンストアを対象に、食料品・衣料品・住関品などの項目別に売上高を集計。前年同月比、前月比を算出しています。集計は月次で行われ、翌月下旬に公表されます。<br>チェーンストアは生活必需品や食料品といった身近な商品を購入する場所です。そのためチェーンストアの売り上げ推移から、個人が持つ消費に対する意識を推測できるでしょう。<br>日本チェーンストア協会「<a href="https://www.jcsa.gr.jp/public/statistics.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">チェーンストア販売統計</a>」</p><h3 id="ha6d1e5de04">コンビニエンスストア売上高</h3><p>一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会が公表しているのが「コンビニエンスストア売上高」です。<br>協会正会員であるコンビニエンスストアチェーン5万店舗以上を対象に、「日配食品」「加工食品」「非食品」「サービス」の分類ごとに売上高を集計。来店客数、平均客単価といった指標を集計しています。集計は月次で行われ、翌月下旬に公表されます。<br>コンビニエンスストアはチェーンストア同様、生活必需品を購入する場所です。客単価、来店数といったチェーンストアにない指標も加え、より個人レベルでの消費への意識を推測しやすい指標といえるでしょう。<br>一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会「<a href="https://www.jfa-fc.or.jp/particle/320.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">コンビニエンスストア統計データ</a>」</p><h3 id="h4ec209783b">旅行取扱状況</h3><p>旅行取扱状況とは、主要旅行業者による旅行商品の取扱高の統計です。観光庁が主導で集計を行っています。<br>海外旅行、インバウンド向け外国人旅行、国内旅行ごとに集計した取扱高と、前年同月比・前々年同月比を併記します。<br>旅行や観光の多くはレジャーであり、景気が悪い時期には需要が落ち込みます。一方で好景気時には非常に賑わう業界のため、景気との一致指数として非常に優秀な指標です。また昨今はコロナ禍の影響もあり、前々年同月比が非常に落ち込んでいます。この数値が戻る時には、よりダイレクトに景気の回復とコロナ禍からの脱却を感じ取ることができるでしょう。<br>観光庁「<a href="https://www.mlit.go.jp/kankocho/siryou/toukei/toriatsukai.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">旅行業者取扱額</a>」</p><h2 id="ha214098e44">まとめ</h2><p>経済の動きは産業の活性化と強く連動しており、産業の動向はあらゆる指標から読み解くことができます。身近な商品が手元に届くまでには、あらゆる産業のかかわりがあり、どこかひとつの産業がなくなっても商品の売買・製造は成り立ちません。</p>

各業種の動向を見ることで、日本経済への理解が深まります。日々のニュースに加えて、経済について知りたい方は必読です。

各業種の動向がわかる経済指標を徹底解説

<h2 id="h920db31c64">雇用は経済にどんな影響を与えている？</h2><p>雇用は人々が経済活動を行うためになくてはならない要素です。雇用されることで得た給与を消費や投資に回すことで、経済へ影響を与えます。国内の経済規模や景気動向を測る指標であるGDPは、その半分が個人消費により占められています。雇用の冷え込みにより個人消費が締め付けられれば、GDPにも悪影響あり。すなわち、雇用の活性化こそ経済成長の源なのです。</p><h2 id="hb76fe65c5f">産業全体の動向がわかる経済指標</h2><p>国内経済の動向は、労働者の雇用状況を測る指標と密接な関係があります。雇用に関する指標には景気と連動しているものが多く、指標を読み解くことで景気の動向を推測できるといえます。</p><h3 id="h1dd826b5e4">現金給与総額とは</h3><p>現金給与総額は、支払われた給与の総額を指す指標です。所得税や社会保険料、組合費などを差し引かれる前の金額であり、給与の額面金額に所定外労働給与（残業代）を足した「きまって支給する給与」、賞与や期末手当などの特別に支払われた給与である「特別に支払われた給与」を合算した総額を指しています。<br>厚生労働省が毎月発表する「毎月勤労統計調査」において、きまって支給する給与と特別に支払われた給与が業界別に一覧で発表されます。この資料からは、業界ごとの給与と前年比が比較できるため、給与の面から業界の動向をうかがうことができます。<br>現金給与総額は、好調な業界から伸び始める指標です。着工から収益までのスパンが長い建設業では先行指標として、その他の業界では一致指標としての動きをします。<br>厚生労働省「<a href="https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/30-1a.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">毎月勤労統計調査（全国調査・地方調査）</a>」</p><h3 id="h3dbcfc0bc0">所定外労働時間とは</h3><p>所定外労働時間は、企業が定めた労働時間である所定労働時間を外れた労働時間です。早出、残業、臨時の呼び出しや休日出勤等における実労働時間数が対象です。<br>厚生労働省が毎月発表する「毎月勤労統計調査」では、所定外労働時間に対する給与である「所定外給与」が発表されます。基本給である「所定内給与」と比較すると、忙しく人手不足の業界の傾向を推測できるでしょう。<br>厚生労働省「<a href="https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/30-1a.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">毎月勤労統計調査（全国調査・地方調査）</a>」</p><h3 id="h7ec09b57e2">常用雇用指数とは</h3><p>常用雇用指数とは、各月末の常用労働者を、基準年である2005年平均の常用労働者の数で割って100倍した指数です。基準年に比べて労働者の増減傾向を確認できます。<br>厚生労働省が毎月発表する「毎月勤労統計調査」にて確認できる指数です。一般労働者とパートの雇用形態区分別と、製造業、卸・小売り、医療・福祉の業種別に集計されており、それぞれの雇用形態・業種別に雇用の状況がどのように変化しているのか把握できる指標となっています。<br>人の雇用は負担が大きいため、企業としては景気が回復してから力をいれたいものです。状態雇用指数が伸びてきている業界は、景気の上昇が見えている好調な業界といえます。<br>厚生労働省「<a href="https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/30-1a.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">毎月勤労統計調査（全国調査・地方調査）</a>」<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/b3dd261b1b314b9fa2956f41ae2b712e/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%891.JPG" alt=""><br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/3e78202e14b2410da3e9d96fa7a48554/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%892.JPG" alt=""></p><h3 id="h7626eadf4b">有効求人倍率とは</h3><p>有効求人倍率とは、有効求職者に対する有効求人数の割合です。ここでいう有効求人数は、公共職業安定所（ハローワーク）に登録された求人・求職情報が元になっており、求人情報誌や転職情報サービス等にのみ登録されている求人は対象に含まれていません。<br>有効求人倍率は、求職者1人に対し、何件の求人があったかを示す指標です。1を上回る場合には求人数が多く、求職者は職業を選ぶ余地があるといえ、1を下回っている時は職業を選ばなくても全員が就職できない就職難の状態を指しています。<br>集計は毎月行われており、当月分の有効求人倍率は翌月末付近に厚生労働省の「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」の中で公表されます。雇用動向は景気の動きとほぼ一致して動く一致指数であるため、有効求人倍率の動向がそのまま景気の動向を見る指標として活用されています。<br>厚生労働省「<a href="https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/114-1.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">一般職業紹介状況(職業安定業務統計)</a>」</p><h3 id="h9d9641d4de">完全失業率とは</h3><p>完全実業率とは、労働者人口全体における完全失業者の割合を指します。労働者人口とは、15歳以上の人口のうち従業者＋休業者＋完全失業者のこと。このうち完全失業者は、仕事があればすぐにでも働ける求職者を指します。なお、働く意思がない者や、日雇いなどで労働による収入を得ている者は完全失業者には含まれません。<br>完全失業率は、総務省統計局「労働力調査」により毎月算出され、該当月の翌月末に公表されています。景気動向指数においては遅行指数に含まれており、景気の回復から遅れて改善される動きが見られます。<br>総務省統計局「<a href="https://www.stat.go.jp/data/roudou/longtime/03roudou.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">労働力調査</a>」</p><h2 id="ha214098e44">まとめ</h2><p>雇用は景気を下支えする、経済活動の要です。雇用が活性化すれば景気は向上し、雇用の沈静化は経済の停滞に直結します。GDPの半分を占める個人消費を支えるのは、安定した雇用と充実した給与に他なりません。雇用関係の指標を通じ、日本経済がどちらに向かっているのかを伺ってみるのもよいでしょう。</p>

経済において、雇用は大きな影響を与えます。雇用が生まれないと個人消費が生まれず、企業にもお金が入らず悪循環になってしまうためです。

国の経済成長やGDPに大きく影響を及ぼす雇用の経済指標を徹底解説

<h2 id="h2165c678d5">物価は経済にどんな影響を与えている？</h2><p>物価とは、モノやサービスの平均的な価格を表した指標です。物価の変動は景気の動向を表す一面もあるため、経済の動向と密接な関係にあるといえます。つまるところ、経済を理解したければ、物価の動向を観察するのがひとつの選択肢として有効なのです。</p><h2 id="h320077a59b">物価の動向がわかる経済指標</h2><p>物価は需要と供給のバランスにより変動します。市場に溢れるモノやサービスの需要を決める要素のひとつにあるのが、消費者のお財布事情。個人消費を支える雇用を見れば、経済の動向も見えてきます。</p><h3 id="h1dd826b5e4">現金給与総額とは</h3><p>厚生労働省では、毎月「毎月勤労統計調査」をまとめ、労働者の給与実態を調査集計しています。<br>そのうち「きまって支給する給与」と「特別に支払われた給与」を合算した数値が、現金給与総額です。<br>きまって支給する給与は、契約で定められた通常の給与に所定外労働給与（残業代）を足したものです。<br>特別に支払われた給与は、突発的に支給された契約外の賞与やボーナスが含まれます。<br>現金給与総額は一般労働者およびパートタイム労働者別に月次で集計され、給与水準の推移確認に用いられます。<br>給与は会社の景気が改善したのちに変動する要素であるため、景気動向指数のうち遅行指数に該当します。<br>現金給与総額が上昇傾向にあるなら、景気の上昇は進んでいる状態であると判断する材料になるでしょう。<br>現金給与総額は、厚生労働省が公表する「毎月勤労統計調査」内「第1表　月間現金給与額」から、「きまって支給する給与」と「特別に支払われた給与」を合算して算出します。<br>当月分の速報は翌々月初旬、確報は翌々月下旬からさらに翌月の初旬に公開されます。<br>厚生労働省「<a href="https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/30-1.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">毎月勤労統計調査</a>」</p><h3 id="h3dbcfc0bc0">所定外労働時間とは</h3><p>所定外労働時間は、企業が定めた定時である「所定労働時間」を超えて働いた残業時間を指します。あくまで所定労働時間は企業の定めによりますので、1日8時間の法定労働時間を超えた時間とは限りません。所定労働時間が7時間に定められている場合には、7時間を超えた時間がすべて該当します。<br>所定外労働時間は、製造業では先行指数、全産業では一致指数に該当する指数です。所定外労働時間が延びる傾向が見られるなら、景気の上昇傾向にあると判断できるでしょう。<br>厚生労働省が毎月公表する「毎月勤労統計調査」内「第2表　月間実労働時間及び出勤日数」から「所定外労働時間」を参照します。<br>当月分の速報は翌々月初旬、確報は翌々月下旬からさらに翌月の初旬に公開されます。<br>厚生労働省「<a href="https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/30-1.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">毎月勤労統計調査</a>」</p><h3 id="h7ec09b57e2">常用雇用指数とは</h3><p>常用雇用指数とは、各月月末の常用労働者数を指数化したものです。<br>常用労働者とは、無期限もしくは1か月以上の期間を定めて雇われている者を指し、労働者の増減傾向を確認できます。<br>労働者の雇用は、企業にとって大きな負担になりえるため、企業は景気の回復を実感してからでないと雇用に踏み切らない傾向があります。そのため常用雇用指数は景気動向指数の遅行指数のひとつとされており、景気の上昇から遅れて上がり始めます。<br>常用雇用指数は、厚生労働省が公表する「毎月勤労統計調査」内「時系列第2表　労働時間指数 」に集計されています。<br>当月分の速報は翌々月初旬、確報は翌々月下旬からさらに翌月の初旬に公開されます。<br>厚生労働省「<a href="https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/30-1.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">毎月勤労統計調査</a>」</p><h4 id="h80b6ff4b3f">指数の考え方</h4><p>毎月勤労統計調査で作成される指数は、基準年の平均値を基準値100として求められます。<br>常用雇用指数における基準年は2005年であり、5年ごとに見直しがされています。<br>指数を算出する算式は以下の通りです。<br>各月の指数＝各月の調査結果の実数/基準値×100<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/b3dd261b1b314b9fa2956f41ae2b712e/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%891.JPG" alt=""><br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/3e78202e14b2410da3e9d96fa7a48554/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%892.JPG" alt=""></p><h3 id="h74c1e85cf2">消費者物価指数とは</h3><p>消費者物価指数とは、消費者が購入するあらゆる商品やサービスの価格の変化を指数化し、変動を測定できるようにしたものです。<br>基準時を100とした指数に対し、数値が上回っていれば物価が上昇。指数が105を示したなら、5%の物価上昇が発生しているとみることができます。<br>景気がよい時には消費者の購買意欲が高く、物価も上昇する傾向となります。一方景気が悪化している時は低下気味の消費者の購買意欲を支えるため、物価も下がる傾向がみられます。<br>しかし景気が悪化しているのに物価が上昇する「スタグフレーション」という状態もあるため、物価指数のみで景気動向を判断するのは危険といえるでしょう。<br>消費者物価指数は総務省統計局が毎月公表。当該月の翌月下旬に公表と、年末・年度末にも12か月分の動向が集計されます。<br>総務省統計局「<a href="https://www.stat.go.jp/data/cpi/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">消費者物価指数</a>」</p><h4 id="h80b6ff4b3f">指数の考え方</h4><p>消費者物価指数は、品目または類ごとに計算されます。<br>基準年の年間平均を100とした場合の算式は以下の通りです。<br>各品目の指数＝各品目の調査結果の実数/基準値×100<br>基準年は2021年10月現在は2020年としており、末尾が0と5の年ごとに見直しされます。<br>2020年基準における指定品目は582種類となっており、それぞれの指数に指定されたウェイトで加重平均し、最終的に総合指数などを算出します。</p><h2 id="ha214098e44">まとめ</h2><p>物価はモノやサービスの価格を表す指標であり、その動きは需要と供給によって決まります。需要が景気の向上によって伸びれば、経済が大きく回り、景気に紐付くあらゆる指標に変化が見られるでしょう。<br></p>

日々生活の中でよく見るモノの値段から経済を把握することができます。

物価の状況から経済を把握できる経済指標を徹底解説

<h2 id="h257fafd6c1">お金の流れが経済にどんな影響を与えているのか？</h2><p>経済活動は、お金の動きが作っているといっても過言ではありません。お金は経済の血液とも呼ばれ、お金の流れ無くしては経済は回らず、社会が成り立たちません。<br>一方で、お金の流れは日本銀行の介入により、誘導される場合もあります。どのような指標を参考に経済の流れは決められているのか、経済に直結する指標を学んでおく必要があります。</p><h3 id="h3905b952f2">お金の動向がわかる経済指標</h3><p>経済の流れを作るお金の動向を見れば、今後経済がどのようい変化していくかの予測も付きやすくなるでしょう。経済に関連する指標は日本銀行や財務省など、公的な機関から発表されています。</p><h3 id="ha2ba05ea9f">マネーストックとは</h3><p>マネーストックは、日本銀行を含む各金融機関から経済全体に供給されている通貨の総量を指す指標です。通貨の範囲が細かく分類されており、それらを組み合わせにより、4つの指標を設けています。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/445493e4d3a34305a98969c12ce7f8d8/AT_money_keizaisihyou_1.JPG" alt=""><br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/e94228304f824f0aa1d54985d138792f/AT_money_keizaisihyou_2.JPG" alt=""><br>マネーストックの動きは景気と密接な関係があることから、経済指標の中でも非常に重要視されています。金融機関による積極的なお金の貸し出しは、流通する通貨量の増加に繋がります。景気は市場の通貨量と連動して上昇する傾向にあり、景気が上昇することで、企業側が投資のためのお金を借りたがるようになるという好循環が生まれるのです。<br>マネーストック指標は日本銀行が月次で公表。当月の指標は翌月初中旬に公表されています。<br>日本銀行「<a href="https://www.boj.or.jp/statistics/money/ms/index.htm/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">マネーストック</a>」</p><h3 id="h34ad05b075">M3増加率とは</h3><p>4種類のマネーストック指標のうち、最も重視されているのがM3です。<br>M3は現金通貨＋預金通貨＋準通貨（定期性預金）＋CD（譲渡性預金）を示す指標です。M2と同じ項目が使われていますが、M2で集計する預金通貨、準通貨、CDの発行者が国内銀行等に限定されているのに対し、M3は全預金取扱機関が対象となっています。この全預金取扱機関は国内銀行の他、郵便局・農協・信用組合などの預貯金や金銭信託が加わっているため、世の中に流通しているお金の総量に最も近い指標と考えられています。</p><h3 id="h2e4df1a6ce">マネタリーベースとは</h3><p>マネタリーベースは、日本銀行が市場に供給するお金の総量のことです。資金供給量ともいい、通貨当局である日本銀行が発行した現金通貨および民間金融機関が日本銀行に預けている法定準備預金（日銀当座預金）の合計がマネタリーベースにあたります。マネタリーベースは日本銀行から金融機関に供給された後、個人や企業に貸し出され市場に流れます。マネーストックの基になる通貨のため「ベースマネー」と呼ばれることもあり、景気調整に日本銀行が介入する場所となっています。<br>マネタリーベースは日本銀行によって、当月分の集計が翌月初旬に公表されています。<br>日本銀行「<a href="https://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/mb/index.htm/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">マネタリーベース</a>」</p><h3 id="hcad2724344">コールレート翌日物とは</h3><p>金融機関が短期的な資金の過不足を調整するために行う「コール取引」のうち、借りた翌日に返す超短期取引の金利を指します。金融機関が日本銀行に預金が義務づけられている法定準備預金の残高が不足するような場合、お金が余っている金融機関が翌営業日までお金を借りて不足分の法定準備預金を埋めるように使います。<br>コールレートは、日本銀行が金融市場調整の操作目標としており、法定準備預金の総額を上限させることで、資金の需給バランスを変化させ金利をコントロールしています。<br>コールレートは毎営業日当日の速報が夕方17時15分頃、前日の確報が午前10時頃に公表されます。<br>日本銀行「<a href="https://www3.boj.or.jp/market/jp/menu_m.htm" target="_blank" rel="noopener noreferrer">コール市場関連統計（毎営業日）</a>」</p><h3 id="hb3c29b9f74">新発10年国債利回りとは</h3><p>新発10年国債利回りとは、新規発行された償還期間10年の国債の流通利回りを指します。国債には償還期限1年の短期国債から15年以上の超長期国債など、さまざまな種類があります。それぞれ償還期限だけでなく金利も異なるため、金利の動向を把握する基準として、新規発行の償還期間10年の国債が選ばれています。<br>新発10年国債利回りは長期金利の基準となっており、金融機関の貸出金利や住宅ローン金利の基準にもなっています。国債は価格ではなく金利を対象に取引が行われるため、発行量の増加や買い手の減少によって金利が上昇。発行量の減少や買い手の増加によって需要高まれば金利が下がるという動きを見せます。<br>こうした動きが市場の動向調査に使えるため、景気動向判断の指標としても有用とされています。<br>新発10年国債利回りは、日本相互証券株式会社により、営業日ごとに公表されています。<br>日本相互証券株式会社「<a href="https://www.bb.jbts.co.jp/ja/historical/main_rate.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">新発10年国債利回り</a>」</p><h3 id="h913286e749">銀行計貸出残高とは</h3><p>銀行計貸出残高は、銀行などの金融機関が個人や他の金融機関に貸し出したお金の総額です。<br>一般的に、景気の拡大に伴い企業からの借り入れは増加する傾向にあります。そのため貸出残高の動向は、景気の先行指標として有用と考えられています。<br>銀行計貸出残高は、日本銀行により月次で集計され、毎月19日＋8営業日に公表されます。<br>日本銀行「<a href="https://www.boj.or.jp/statistics/dl/depo/dcl/index.htm/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">預金・現金・貸出金</a>」</p><h3 id="h3f95252f45">国内銀行貸出約定平均金利とは</h3><p>国内銀行貸出約定とは、国内銀行および信用金庫による資金の貸出金利を平均した指標を指します。金融機関向けの貸出金利は対象外です。<br>指標は当月中に貸し出した「新規」と、月末時点において残高のあるすべての貸出を対象とする「ストック」に分類されます。<br>新規の貸し出された金銭の量および貸出金利の推移から資金需要が推測できることから、景気の動向を探る指標としても活用されています。<br>国内銀行貸出約定金利は日本銀行により月次で集計され、翌月下旬または翌々月上旬に公表されています。<br>日本銀行「<a href="https://www.boj.or.jp/statistics/dl/loan/yaku/index.htm/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">貸出約定平均金利</a>」</p><h3 id="h6d9b748c4f">外貨準備高</h3><p>外貨準備高は、通貨当局が管理する外貨建ての資産を指します。債権や金、預金といった換金性が高いもので構成されています。通貨危機などにより自国の通貨の信用が低下した場合などに、他国に対する返済に使われます。また為替相場変動の急激な変動を抑えるための為替介入にも使われます。<br>日本では、財務省および日本銀行が通貨当局として外貨準備高を管理。外貨準備高の残高は財務省が、当月分を翌月上旬に公表しています。<br>財務省「<a href="https://www.mof.go.jp/policy/international_policy/reference/official_reserve_assets/index.htm" target="_blank" rel="noopener noreferrer">外貨準備等の状況</a>」</p><h2 id="ha214098e44">まとめ</h2><p>経済を活性化させるには、お金の流通を促進させる必要あり。そしてその流れはGDPの5割以上を占める個人消費によって支えられています。日本銀行は、個人消費に直結する指標の数々を集計し、景気判断に役立てています。経済の流れをつかむためにも、お金にまつわる指標のチェックが必要です。</p>

経済の流れを作るお金の流れや動向をみると、今後の経済がどのように変化していくのか予測することができます。

お金の量や動きを把握できる経済指標を徹底解説

<h2 id="ha3255cf156">国際収支は国の損益計算書？</h2><p>国際収支とは、日本と海外の間で行われた資金のやり取りの記録です。財貨やサービスの輸出をプラス、輸入をマイナスとして計上し、一定期間内の収支を集計します。<br>日本からいくらの資金が支出され、いくらが収益となったか。プラスとマイナスを比較した成績を算出するところから、国の損益計算書とも呼ばれています。<br><a href="https://www.boj.or.jp/statistics/outline/exp/exbpsm6.htm/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">国際収支の仕組み</a><br>国際収支は、日本国内の居住者（居住者）と外国の居住者（非居住者）の間で行われた取引を、以下の区分により計上します。<br>・経常収支<br>・金融収支<br>・資本移転等収支<br>計上する価格は原則として取引価格を使用し、取引が発生した時点を計上時期とします。<br>原則として国際収支の資料は円建てで作成され、外貨建ての取引は市場実勢レートにて円換算されます。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/99305afb08cc406b83210a74cbf6796e/AT_trading_keizaisihyou_1.JPG" alt=""><br></p><h3 id="hcf170198ff">経常収支</h3><p>経常収支は、居住者と非居住者の間で行われた経済活動のうち、財貨・サービス・所得の取引や経常移転を対象としたものです。集計上は以下の項目に分けて集計されます。<br>・貿易・サービス収支<br>・第一次所得収支<br>・第二次所得収支</p><h3 id="hd3ada1dfb2">貿易・サービス収支</h3><p>居住者と非居住者の間で行われた対価を伴う取引が計上されます。<br>財貨を対象とした収支は「貿易収支」として計上されます。<br>・一般商品全般<br>・非貨幣用金<br>無形財であるサービスを対象とした収支は「サービス収支」として計上されます。<br>・輸送<br>・旅行<br>・金融<br>・知的財産使用料<br>・通信・コンピューター・情報サービス<br>・文化・娯楽サービス<br>・その他業務サービス</p><h3 id="h99b1f8c94e">第一次所得収支</h3><p>第一次所得収支は、居住者・非居住者間で発生した雇用者報酬、投資収益が計上されます。また投資収益は以下の3つに区分されます。<br>・直接投資収益：親会社と子会社の間で発生した配当金・利子<br>・証券投資収益：子会社以外からの配当金、債券等の金融商品の利子<br>・その他の投資収益：上記に該当しない利子。貸付金・借入金・預金などの利子・利息が該当する</p><h3 id="ha2a820fbb9">第二次所得収支</h3><p>第二次所得収支は、居住者と非居住者間で発生した、対価を伴わない資産の提供にかかる収支が計上されます。<br>食糧や衣料品などの無償資金援助、外国人労働者による本国への送金などが該当します。</p><h3 id="h750e4c4095">金融収支</h3><p>金融収支は、居住者と非居住者の間で行われた経済活動のうち、貨幣的資本の取引を対象としたものです。集計上は以下の項目に分けて集計されます。<br>・直接投資<br>・証券投資<br>・金融派生商品<br>・その他投資<br>・外貨準備</p><h4 id="h04c15562fd">直接投資</h4><p>外国企業の株式取得、貸付期間が1年を超える金銭の貸付けなどの企業間取引が計上されます。資本を投下した対象によって以下に区分されます。<br>・株式資本<br>・収益の再投資<br>・負債性資本</p><h4 id="h2fda069d51">証券投資</h4><p>証券投資は、株式、投資信託、債券の取引のうち、直接投資や外貨準備に該当しないものを計上します。具体的には以下の項目が該当します。<br>・株式<br>・投資ファンド持分<br>・債券（中長期債、短期債）</p><h4 id="h20c72ee5ab">金融派生商品</h4><p>先物取引、オプション取引、スワップ取引など、他の金融商品の価格に連動して価格が決まる金融商品を計上します。</p><h4 id="heda3a59c77">その他投資</h4><p>直接投資、証券投資、金融派生商品、外貨準備のいずれにも該当しない金融取引を対象に計上します。具体的には以下の項目が該当します。<br>・持分<br>・現預金<br>・貸付・借入<br>・保険・年金準備金<br>・貿易信用・前払<br>・その他資産・その他負債</p><h4 id="hc132d4775d">外貨準備</h4><p>為替介入や通貨危機に対する対応などに使用する通貨当局が管理する対外資産を計上します。具体的には以下の項目が該当します。<br>・貨幣用金<br>・特別引出権<br>・IMFリザーブポジション<br>・その他外貨準備</p><h3 id="h520083c714">資本移転収支</h3><p>対価を伴わない固定資産の提供や債務免除等を計上します。性質により以下の項目に分類されます。<br>・資本移転<br>・非金融非生産資産の取得処分<br><br><a href="https://navi.funda.jp/article/gdp" target="_blank" rel="noopener noreferrer">国際収支と密接な関係である「GDP」はこちらから</a></p><h2 id="h2ab3427b74">国際収支の考え方</h2><p>国際収支は、発生した取引を複式簿記の手法を用いて記帳します。<br>複式簿記では、ひとつの取引に対し、資産の増加・負債の減少を借方、資産の減少・負債の増加を貸方に記載します。<br>またその資産の増加・負債の減少の原因となった現象を貸方、資産の減少・負債の増加の原因を借方に記載します。<br>&nbsp;<img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/902a58694e1040f2a30768afe26bc64b/AT_trading_keizaisihyou_2.JPG" alt=""><br>国際収支は、複式簿記の原則に基づき以下の計算式が成り立ちます。<br>経常収支＋資本移転等収支－金融収支（＋誤差脱漏）＝0<br>ただし、国際収支は金額の構成が複雑な上、規模が大きいため誤差が非常に出やすい特徴を持ちます。その誤差は「誤差脱漏」を使用して帳尻を合わせ、貸方・借方それぞれの合計の誤差をゼロにする前提で運用されます。<br>国際収支における黒字・赤字は、一般的には財貨・サービスの輸出入差額を示す経常収支を指しています。</p><h3 id="h4ab9958c71">外貨準備高とは</h3><p>外貨準備高は、国が保有する外貨であり、国際通貨として認知されているものです。国が通貨危機などに陥り、自国の通貨の価値が危ぶまれてしまうと、自国通貨を使った海外との取引が困難となります。<br>外貨準備高は外国の通貨や証券で構成されており、直ちに使用できるものとして準備されています。もし自国の貨幣を使った貿易が困難となった場合でも、外貨準備高を用意しておくことで、緊急時に国際収支を支えることができるのです。</p><h2 id="h539dd78d4e">日本の国際収支は黒字なのか？</h2><p>日本の国際収支は、2020年においては17兆6,976億円の黒字となりました。<br>貿易・サービス収支は、昨年比で▲9,965億円の▲4,905億円となりました。貿易収支が2兆6,645兆円の黒字幅拡大を見せたものの、サービス収支が▲3兆5,362億円の赤字転化をした影響が大きく、貿易収支を食い潰した形となっています。<br>一方で好調なのが第一次所得収支で、堅調に20兆7,175億円の黒字。第二次所得収支、貿易・サービス収支の赤字を吸収してなお、17兆6,976億円の黒字を出しています。<br><a href="https://ecodb.net/ranking/imf_bca.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">諸外国との収支比較</a><br>世界の国際収支を見ると、2020年の1位は中国で2,740億米ドル。2位はドイツで2,670億米ドル。日本は1,644億米ドルで、第3位につけています。4位に台湾、5位に韓国が入り、トップ5中4か国がアジアが占め、アジアの経済力の強さが浮き彫りになりました。<br>一方のアメリカは6,161億米ドルの赤字で、193か国中最下位。192位のイギリスのおよそ6倍の経常赤字を計上しており、世界最大の貿易赤字国の地位を不動のものにしています。<br>ただし、アメリカはGDP成長率が2%台と堅調に推移しており、国内需要が絶好調。多くのモノを必要とするアメリカ国内経済を支えるために、膨大な輸入が必要という側面もあります。</p><h2 id="h76ce952876">国際収支はなぜ重要なのか？</h2><p>国際収支を通じて得られる対外取引状況の数字からは、日本の世界における立ち位置を見ることができます。また国際収支とあらゆる指標との関係を知ることで、国際収支から今後の経済の動向を予測することも可能です。</p><h3 id="h3fd0054c0c">国の経済活動の状況を表している</h3><p>国際収支は、国が海外との貿易でどのような取引をしているのかを明確に表す指標です。国際収支を分析すれば、国が何を収入源として、どんな経済を展開しているのかを見ることができます。<br>日本は長らく”モノ作り大国・日本”として、製品の輸出が外貨の稼ぎ頭でした。しかし近年では貿易収支は赤字となり、貿易大国の姿は鳴りを潜めています。一方で経常収支を押し上げているのが、投資や第一次所得です。対外経済取引の主役がモノから人、カネへとシフトしている現状から、日本が投資立国、人材立国としての立場を強めていることがうかがえます。</p><h3 id="he1f78e6da4">国際収支と為替相場は深い関係</h3><p>国際収支の動きは、為替相場と深い関係を持っています。<br>例として、日本からアメリカへの輸出を増やした場合、アメリカからの代金受取により、経常収支は黒字側に振れる動きを見せます。その代金はドルで受け取っているため、代金を受け取った企業はドルで円を買う動きが生まれるため、円の価値が上がり円高ドル安に振れる要因となります。<br>反対にアメリカからの輸入が増えた場合には、アメリカ側で日本円が売られてドルが買われるため、円安ドル高の傾向が強まります。</p><h3 id="hacdef3b63a">国際収支と貿易摩擦の関係</h3><p>貿易摩擦は、貿易黒字国と赤字国の間で起きる貿易上の衝突のこと。輸入される製品が国産品と競合し、国内の生産者が職を失うリスクが生まれます。輸入国側の消費者とすれば、商品の選択肢が増えるため安価な商品の輸入は歓迎したい面もありますが、職を失った生産者の業態転換が簡単ではないため、国は生産者や作業を保護するために輸入制限や高い関税をかける場合もあります。<br>輸入制限や関税がかけられると、輸出側はそれまで通りに売れなくなるため、国際収支に大きなダメージを受けることになります。そのため輸出側は輸入を再開してもらえるように働きかけますが、その折り合いが上手くつかない場合、国家間の対立を招く恐れもあります。</p><h2 id="ha214098e44">まとめ</h2><p>国際収支からは、世界経済において現在の日本がどのような立ち位置にいるかが見えてきます。国際収支の構成を見れば、各国とどのような関係を築いているのか、日本は何を売りにして生きていく国なのかといった実態が見えてくるでしょう。</p>

国際収支は、日本と海外の資金のやり取りを表します。経済を回している資金が日本に入っているのかを把握できます。

国際収支とは？国の損益計算書と呼ばれる国際収支をわかりやすく徹底解説

<h2 id="hcdcafebe04">金利を見れば景気がわかる？</h2><p>金利と景気は、切っても切り離せない密接な関係にあります。一般的には好景気になれば金利は上がり、不景気になれば金利が下がる関係です。<br>すなわち金利の動向を観察すれば、現在の国内の景気をある程度推測できると言ってよいでしょう。<br>一方で、金利は為替の影響を受けやすく、外国為替が変動すれば金利が連動し、さらにその影響を景気が受ける関係でもあります。<br>金利と景気、為替はそれぞれがお互いに影響を与え合う関係であり、どれも無視できるものではありません。</p><h3 id="h960803b3dd">金利とは</h3><p>金利とは、借りた金額に対して上乗せして支払う金額の割合を指します。100万円を借りた1年後に103万円で返さなければならない場合、金利は3%と表されます。<br>なお、金利に従って発生したお金が「利子」または「利息」です。金利と混同されがちですが、金利は支払う金額の割合のこと、利子・利息は支払うお金そのものを指すもののため、観点が異なる存在として区別する必要があります。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/298188c72ee1441b92c6544f4ade9b32/AT_tax_keizaisihyou_1.JPG" alt=""></p><h3 id="h69e9e65ecf">単利と複利とは</h3><p>利息計算の方法は「単利」と「複利」に分かれます。<br>単利は、元本にのみ利息がつく計算方法であり、複利は利率をかける対象が元本だけでなく、増えた利子も含まれる方法です。<br>例として、100万円を年利5%で預け入れたとします。<br>単利の場合には元本の100万円が利息が付き、1年預ければ105万円、2年なら110万円。5年預ければ125万円と増えていきます。<br>複利の場合には増えた利息に対しても利息が付きます。1年目は105万円と単利と変わりませんが、2年目は110.25万円。5年後には127.6万円と、単利よりも多くの利息が増えていきます。<br>短期間なら大きな違いはありませんが、預け入れ期間が長くなればなるほど利息の差は広がっていくため、金融商品の利息計算方法はしっかりと吟味する必要があるでしょう。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/fc030f58c5c4451ebf1e1e543d1e0890/AT_tax_keizaisihyou_2.JPG" alt=""></p><h3 id="h88d35923a3">固定金利と変動金利</h3><p>お金を借りる際の金利は「固定金利」と「変動金利」に分かれます。<br>固定金利は、原則として契約期間中は金利が一定に保たれ、社会環境の変化などがあっても増減しない金利を指します。<br>変動金利は、契約してから一定期間ごとに金利が見直され、変動する金利です。日本銀行が定める政策金利の影響を強く受けます。<br>固定金利は変動金利よりも高めに設定されるのが一般的です。変動金利が長期間低水準で推移する場合、支払う利息の総額は固定金利の方が高額です。一方で変動金利が上昇傾向にある場合、固定金利が低い時に契約しておけば、トータルでの支払利息額は低くなります。</p><h3 id="h204ff8f281">実質金利と名目金利</h3><p>金利の影響は、物価上昇率の扱いの違いにより「名目金利」と「実質金利」という2つの見方ができます。<br>名目金利は、表示されている金利そのものを指します。預金や債券などの金融商品で提示される表面利率が名目金利です。<br>仮に100万円を1年間預けた結果105万円になったなら、その金融商品の名目金利は5%となります。<br>実質金利は、名目金利に物価上昇率の影響を反映させた利率です。物価の上昇・下落の影響を受け、表面利率の価値が変動するという考え方が反映されています。<br>仮に100万円を1年間預けた結果105万円になったとしても、この1年間の間に物価が2%上昇したならば<br>105万円÷102%≒103万円<br>となり、実質金利は3%と考えられます。</p><h3 id="h32255dba53">金利と景気はどういう関係？</h3><p>金利と景気は非常に密接な関係があり、金利を見れば現在の景気を読み解くことができます。<br>一般的に、景気がよければ金利が上がり、景気が悪くなれば金利が下がる関係にあります。<br>景気がよいときは企業の収益が増え、従業員の給与もアップします。そのため消費や投資に使われるお金が増え、商品やサービスの売れ行きが向上。企業は多くの商品やサービスを市場に供給するため、設備投資や広告宣伝費などに投入する資金の需要が向上。積極的にお金を借りる結果、金利が上昇していきます。<br>景気が悪いときは商品やサービスが売れず、企業は設備投資や経費の投入を控えるようになります。従業員の給与も伸びず、市場にお金が流れなくなるため、さらに企業は消費や投資に消極的にならざるを得ません。お金を貸す側としては少しでも借りやすくなるよう、金利を下げる動きを見せるようになります。<br>また、景気の動向には中央銀行による金利の調整が大きく影響します。景気がよくなりインフレが加速すると、中央銀行は金利の引き上げに動きます。預金金利が引き上げられると、人々は余剰資金を預貯金に回し始めます。素の結果市場に回るお金が減り商品やサービスの売れ行きが悪くなり、景気が後退。加熱していたインフレが抑えられはじめます。<br>景気の後退が加速すると、物価が下がるデフレが進行します。中央銀行による金利の引き下げにより、預貯金に回されていた資金が市場に流れ始めると、再び商品やサービスの購入が促進されるため、景気が回復傾向へと向かいます。<br>このように、金利の上昇と景気の回復は常に連動し続ける関係にあります。</p><h2 id="h6e27c0fe01">金利と物価の関係</h2><p>金利と景気に密接な関係があるように、金利と物価にも深い関係があります。</p><h3 id="hcd65093aa9">物価とは</h3><p>物価とは、あらゆる商品やサービスの価格を総合的かつ平均的にみたものです。一般的には商品の価格そのものを表現する言葉として使われますが、経済的な観点では「物価指数」を用いて、市場全体における価格の平均値として捉えられます。<br>物価は、商品やサービスがもつ貨幣に対しての交換価値と捉えることができます。物価が上昇すれば、交換するために必要な貨幣の量が増え、貨幣の価値が強まれば少ない貨幣で交換できるようになるため、貨幣の価値と物価は対照的な関係と考えられます。</p><h3 id="hd735420b44">物価と金利の関係とは</h3><p>景気と金利同様に、物価と金利の間にも密接な関係があります。<br>景気がよくなれば商品やサービスの需要が増します。いわば商品やサービスの価値が上がり、お金の価値が下がる状態になりますので、消費者は預貯金に貯め込まず、積極的に消費する傾向を強めます。<br>市場にお金があふれ、価値が下がり続けてしまうと、物価が上がり続けるインフレの状態が続きます。中央銀行は預貯金の市場への流出を食い止め、過度なインフレを引き起こさないよう、引き締め施策として金利を上昇。高い金利で消費者の資金流出を食い止め、物価の高騰を防ぎます。<br>一方で、景気の悪化により商品やサービスの需要が減ると、価格は下落します。従来よりも少ないお金で商品が買えるようになると、相対的にお金の価値が上昇。消費者はお金を使うよりも貯め込んだ方が得だと考えるようになります。そのため中央銀行は金利を引き下げて市場にお金が流れやすい環境を整え、景気を上昇させるようなアクションを起こすのです。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/4c18faf8bc4247e1b09db68e5367d515/AT_tax_keizaisihyou_3.JPG" alt=""></p><h2 id="h9f44144748">金利と為替</h2><p>金利に影響するもうひとつの大きな要因が為替の影響です。金利は国内の景気や経済活動の結果だけでなく、海外との為替相場の影響によっても上下する性質を持っています。</p><h3 id="h2fec9002e6">為替とは</h3><p>為替とは、現金の移送を伴わない金銭の取引を指し、取引対象によって「内国為替」と「外国為替」に分類されます。<br>内国為替は郵便為替や銀行振込など、現金の代わりとなる証書などで金銭の受け渡しを済ませる方法です。<br>外国為替は、異なる通貨を使用する外国との間で行われる為替取引のこと。為替手形や送金小切手、銀行振込など、こちらも現金を直接用いずに送金・決済します。<br>この海外との為替取引の際、異なる通貨を交換する時に用いる比率が「為替レート（為替相場）」です。為替レートはそれぞれの国内の景気や経済情勢などにより変動し、交換に必要な通過の量が変動します。<br>一般的には為替といえば外国為替を指し、「外為（がいため）」と呼ばれることもあります。</p><h3 id="hadfaf7c998">金利と為替の関係とは</h3><p>為替レートの変動は、金利にも大きな影響を与えます。<br>為替レートが変動し、1ドルを買うための日本円が多く必要になる現象を、円の価値が安くなりドルが高価になることから「円安ドル高」といいます。<br>円安ドル高の状態が進行すると、ドルに対する円の価値が低くなるため、同じ商品を輸入するにも多くの円が必要となります。<br>すると海外からの輸入品が高額となるため、物価が上昇しインフレが進行。消費者は安いうちに商品を買おうと、銀行からお金を引き出す傾向が強まります。<br>銀行は、預金の減少を食い止めるために金利をアップ。今度は円の魅力が上がることでドルから円に替えようとする動きが強まり、円の価値が高い「円高ドル安」へ移行。海外からの輸入品が安くなり物価が低下すると、モノよりもお金が価値を持ち始めます。<br>そうなると、どんどんお金を使わせようと銀行が金利を引き下げる動きが強まり、市場の円流通が活発に。円の価値が薄まり、円安ドル高が進行する……という循環が繰り返されるのが、金利と為替の関係なのです。<br>ただし、為替は対象国内の景気にも左右されます。景気は経済活動だけでなく季節要因によっても変動するため、単純に上記の循環だけで判断するのは危険です。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/6dc440fb68c7438ab388cdb5784392fc/AT_tax_keizaisihyou_4.JPG" alt=""></p><h2 id="ha214098e44">まとめ</h2><p>金利は物価や為替と密接な関係にあり、それぞれと影響を与え合っています。為替の影響により金利が変動し、さらに物価にも影響、また為替に影響がでるという循環により、景気が形作られていくのです。関連する指標を観察することで、将来的な変動を予測することも可能。景気の変動を観るなら、物価や為替といった方面の指標も確認しておくとよいでしょう。</p>

金利と景気には深い関係があります。関係性を理解すると景気の先読みにつながるので確実に身につけましょう。

金利と景気循環の関係性を徹底解説

フリーミアムのビジネスモデルを見る際のポイントや、採用企業の事例、登場の背景を徹底解説します。

①Tesla

②Zoom

③NIKE

<p><strong>フリーミアム</strong>というビジネスモデルはみなさん知っていますか？<br>みなさんが一度は使った経験がある「Spotify」や「モンスト」などもフリーミアムというビジネスモデルを採用しています。<br>この記事では事例を通じて、フリーミアムの仕組みについてを解説します。ぜひ最後までお付き合いください。</p><h2 id="h1ced7f96fb">フリーミアムとは？</h2><p>フリーミアムとは、「フリー」と「プレミアム」を組み合わせた造語です。<br>製品やサービスの基本的な機能を無償で提供し、より高度な機能やサービスを有料で提供し収益を得るビジネスモデルです。<br><br>クリスアンダーソンは著書『<a href="https://amzn.to/3FNYKb4" target="_blank" rel="noopener noreferrer">フリー</a>』で、1人当たりの運営費用が0に近いデジタル商品の場合は、5%の有料ユーザーによって、95%の無料ユーザーの費用を回収できると述べています。<br><br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/243ea1a9fb174f1f8f9fd8ff64da94f2/AT_freemium_1.PNG" alt=""><br><br>フリーミアムモデルを採用している企業の分析事例に興味がある方は、下記の記事もおすすめです。<br><a href="https://navi.funda.jp/article/google-meta-twitter"><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/bfa872247f074e3f999c72eba0f07340/%E3%82%B5%E3%83%A0%E3%83%8D%E3%82%A4%E3%83%AB%EF%BC%9A%E6%B1%BA%E7%AE%97%E6%9B%B8%E3%81%AE%E8%AA%AD%E3%81%BF%E6%96%B9%EF%BC%9A%E5%BA%83%E5%91%8A%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9.png?w=960&amp;h=540" alt=""></a><br><br>フリーミアムモデルでは、無料ユーザーに制限を設けることで、無料ユーザーにストレスを与えたり、有料ユーザーになると使える機能やサービスなどに魅力を持ってもらい、有料ユーザーになることを促します。<br><br>フリーミアムモデルで機能やサービスに制限を設ける場合は、いくつかパターンがあります。</p><h3 id="h8fda7e18eb">フリーミアムとは：①機能の制限</h3><p>無料版では、一部機能を使えないように制限を設けているケースです。<br>例えば、クックパッドでは、有料ユーザーにならなければ、レシピの検索機能が使えません。</p><h3 id="hc1a438cc7c">フリーミアムとは：②利用上限</h3><p>ストレージの使用量や毎月の閲覧件数などで、利用上限を設けているケースです。<br>例えば、iPhoneを持っている方ならご存じの通り、一定量までは無料でiCoudでデータを保存することができます。しかし、一定量を超えると有料ユーザーにならなければ、それ以上のデータをiCloudに保存できません。</p><h3 id="h154e75f1a5">フリーミアムとは：③サポートの制限</h3><p>無料プランでは、カスタマーサポートが使えないなどのサポートに制限をかけるケースです。<br>例えば、adobeのソフトウェアの体験版は原則としてサポート対応していません。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/2698d18094b14cec8c42b2a9e0577461/AT_freemium_2.jpg?w=1280&amp;h=720" alt="フリーミアム　制限"></p><h2 id="h2203034309">フリーミアム：採用事例のクイズ</h2><p>それでは、ここまでの説明を踏まえて、簡単なクイズです。<br><strong>フリーミアムのビジネスを採用している企業</strong>は以下のうち、どれだと思いますか？</p>

2021年9月に上場したばかりの監視カメラSaaS「セーフィー」について、ビジネスモデルの特徴や売上が2.5倍に増加した背景などを...