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スクラップアンドビルドとは?意味や事例を解説

スクラップアンドビルドとは?意味や事例を解説

2023.4.6に更新

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大手町のランダムウォーカー

トータルSNSフォロワー20万人の会計インフルエンサー。著書の『世界一楽しい決算書の読み方』はシリーズ累計30万部突破。

目次

スクラップアンドビルドとは

企業の中で採算や効率の悪い部門を整理して、新たな部門を設けることや、建造物や設備で老朽化・陳腐化し、物理的、機能的に古くなった建物を廃棄し、新しい設備に置き換えることを指します。
要は、収益性や効率性を考えて、採算が悪いものは閉鎖したり、閉鎖して新設備に投資したり、もっと伸ばせる部分を拡大しようという動きのことを指します。

例えば、小売業界では、古くなった店舗や小さな店舗を閉店し、同じエリア(地域)でリニューアルしたり、大きな店舗に置き換えることをいいます。
同じ商圏の中で、不採算店舗を閉店させ、新店舗を構えることで利益率の改善につながり、販売シェアの拡大が狙えるため、ある一定の店舗数に達したチェーン店で使われる手法です。

スクラップアンドビルドの対象

ほとんど全ての企業がスクラップアンドビルドの対象になります。
なぜなら、スクラップアンドビルドは、無駄が生まれるものの全てが対象だからです。
企業の持っている資産や組織など必ず無駄が生まれます。

では、一つずつ解説していきます。

店舗を展開する企業

店舗の場合は、効率化と収益性が論点になります。
店舗の採算が悪化している場合に、採算が悪化している店舗を閉鎖して、販売戦略や立地などを見直した上で、店舗を新設します。
店舗の新設により、収益性の改善に加え、新規出店というPRにもなります。
マイナスの理由だけではなく、人気の店舗で、店舗のキャパシティを越えているため、顧客を取りこぼさないようにするために店舗を大型化して出店することもあります。

例:イオン

イオンは、店舗をリニューアルしてより大きく改築しています。
2021年5月にリニューアルオープンしたイオンモール川口では、元々あった店舗より大型化しています。

工場を持つ企業

工場の場合は、効率化とコストが論点になります。
工場の生産設備の生産性の低下により、工場の効率性が低下している場合に、生産性を高めるために工場そのものを新設したり、生産設備の入れ替えなどを行います。
新設や設備の入れ替えによって、効率化が進み、コスト競争力の強化につながります。

例:ジャパンフーズ

飲料の受託生産を行うジャパンフーズでは、スクラップアンドビルドをすることで、競争力の向上をかかげていました。
中期経営計画にて、既存工場の効率化と新工場の設立に投資をしています。

複数事業を展開する企業

複数事業ある企業の場合は、効率化と収益性が論点になります。
複数事業のうち、採算の悪い事業や将来性の感じない事業を撤退することで、自社内のリソースを、将来性がある事業に集中投下することができます。
将来性がある事業に集中投下することで、企業全体の競争力の強化につながります。

例:SONY

SONYは、パソコン事業を売却するなどして、事業を整理しました。
その後、エンターテイメント事業と金融事業に力をいれることで、赤字から脱却に成功しました。

スクラップアンドビルドを有報から読み解く

スクラップアンドビルドを見る際は、日頃のニュースや決算説明会資料、IRニュース等でも知ることはできますが、スクラップアンドビルドの規模感がはわからない場合があります。
その際は、有価証券報告書の設備の状況を見る必要があります。
そして、先ほどのイオンのように元々あったイオンを壊して、新しく新設する場合もあるため、数年の企業の動きを把握しなければいけません。

有価証券報告書からは、設備投資の計画を読み取ることができます。
実際にどの程度の規模なのか、いつ工事を始めるのか完成するのかを、「設備の新設、除去等の計画」から読み取れます。

以下の画像は、イオンモール株式会社の有価証券報告書ですが、設備の状況の設備投資等の概要が書かれています。
設備の新設、除去等の計画から、国内のイオンモールの新設等の規模や時期が読み取れます。

スクラップアンドビルドの事例:ユニクロ

国内のユニクロでは、スクラップアンドビルドを行い、不採算店舗の閉店や店舗の大型化を進めています。
ユニクロを運営しているファーストリテイリングの2014年8月期第三四半期の決算説明会の質疑応答で、国内ユニクロ事業の出店数について質問がありますが、「よりいい立地にスクラップ&ビルドを行っていきます。ですので、店舗数全体ではあまり増えないと思います。」と応答しており、ユニクロの出店の戦略が読み取れます。
たびたび、決算発表会や記者会見においてもスクラップアンドビルドについて触れており、意識していることがわかります。

国内ユニクロでは、このスクラップ&ビルドの早さがユニクロの収益を上げる一つの理由と考えることができます。

スクラップアンドビルドの動向を追うために、国内ユニクロの出店数と店舗面積についても見ます。
そうすると、店舗数は横ばい傾向のなか、1店舗当たりの面積は拡大傾向にあることが読み取れます。

スクラップアンドビルドのまとめ

スクラップアンドビルドは、企業の中で採算や効率の悪い部門を整理して、新たな部門を設けることや、建造物や設備で老朽化・陳腐化し、物理的、機能的に古くなった建物を廃棄し、新しい設備に置き換えることを指します。
スクラップアンドビルドを行った場合は、有価証券報告書などのIR資料で1次情報を元に、店舗面積、利益率の改善、何を変えたのかを確認するのがオススメです。

スクラップアンドビルドとは

企業の中で採算や効率の悪い部門を整理して、新たな部門を設けることや、建造物や設備で老朽化・陳腐化し、物理的、機能的に古くなった建物を廃棄し、新しい設備に置き換えることを指します。
要は、収益性や効率性を考えて、採算が悪いものは閉鎖したり、閉鎖して新設備に投資したり、もっと伸ばせる部分を拡大しようという動きのことを指します。

例えば、小売業界では、古くなった店舗や小さな店舗を閉店し、同じエリア(地域)でリニューアルしたり、大きな店舗に置き換えることをいいます。
同じ商圏の中で、不採算店舗を閉店させ、新店舗を構えることで利益率の改善につながり、販売シェアの拡大が狙えるため、ある一定の店舗数に達したチェーン店で使われる手法です。

スクラップアンドビルドの対象

ほとんど全ての企業がスクラップアンドビルドの対象になります。
なぜなら、スクラップアンドビルドは、無駄が生まれるものの全てが対象だからです。
企業の持っている資産や組織など必ず無駄が生まれます。

では、一つずつ解説していきます。

店舗を展開する企業

店舗の場合は、効率化と収益性が論点になります。
店舗の採算が悪化している場合に、採算が悪化している店舗を閉鎖して、販売戦略や立地などを見直した上で、店舗を新設します。
店舗の新設により、収益性の改善に加え、新規出店というPRにもなります。
マイナスの理由だけではなく、人気の店舗で、店舗のキャパシティを越えているため、顧客を取りこぼさないようにするために店舗を大型化して出店することもあります。

例:イオン

イオンは、店舗をリニューアルしてより大きく改築しています。
2021年5月にリニューアルオープンしたイオンモール川口では、元々あった店舗より大型化しています。

工場を持つ企業

工場の場合は、効率化とコストが論点になります。
工場の生産設備の生産性の低下により、工場の効率性が低下している場合に、生産性を高めるために工場そのものを新設したり、生産設備の入れ替えなどを行います。
新設や設備の入れ替えによって、効率化が進み、コスト競争力の強化につながります。

例:ジャパンフーズ

飲料の受託生産を行うジャパンフーズでは、スクラップアンドビルドをすることで、競争力の向上をかかげていました。
中期経営計画にて、既存工場の効率化と新工場の設立に投資をしています。

複数事業を展開する企業

複数事業ある企業の場合は、効率化と収益性が論点になります。
複数事業のうち、採算の悪い事業や将来性の感じない事業を撤退することで、自社内のリソースを、将来性がある事業に集中投下することができます。
将来性がある事業に集中投下することで、企業全体の競争力の強化につながります。

例:SONY

SONYは、パソコン事業を売却するなどして、事業を整理しました。
その後、エンターテイメント事業と金融事業に力をいれることで、赤字から脱却に成功しました。

スクラップアンドビルドを有報から読み解く

スクラップアンドビルドを見る際は、日頃のニュースや決算説明会資料、IRニュース等でも知ることはできますが、スクラップアンドビルドの規模感がはわからない場合があります。
その際は、有価証券報告書の設備の状況を見る必要があります。
そして、先ほどのイオンのように元々あったイオンを壊して、新しく新設する場合もあるため、数年の企業の動きを把握しなければいけません。

有価証券報告書からは、設備投資の計画を読み取ることができます。
実際にどの程度の規模なのか、いつ工事を始めるのか完成するのかを、「設備の新設、除去等の計画」から読み取れます。

以下の画像は、イオンモール株式会社の有価証券報告書ですが、設備の状況の設備投資等の概要が書かれています。
設備の新設、除去等の計画から、国内のイオンモールの新設等の規模や時期が読み取れます。

スクラップアンドビルドの事例:ユニクロ

国内のユニクロでは、スクラップアンドビルドを行い、不採算店舗の閉店や店舗の大型化を進めています。
ユニクロを運営しているファーストリテイリングの2014年8月期第三四半期の決算説明会の質疑応答で、国内ユニクロ事業の出店数について質問がありますが、「よりいい立地にスクラップ&ビルドを行っていきます。ですので、店舗数全体ではあまり増えないと思います。」と応答しており、ユニクロの出店の戦略が読み取れます。
たびたび、決算発表会や記者会見においてもスクラップアンドビルドについて触れており、意識していることがわかります。

国内ユニクロでは、このスクラップ&ビルドの早さがユニクロの収益を上げる一つの理由と考えることができます。

スクラップアンドビルドの動向を追うために、国内ユニクロの出店数と店舗面積についても見ます。
そうすると、店舗数は横ばい傾向のなか、1店舗当たりの面積は拡大傾向にあることが読み取れます。

スクラップアンドビルドのまとめ

スクラップアンドビルドは、企業の中で採算や効率の悪い部門を整理して、新たな部門を設けることや、建造物や設備で老朽化・陳腐化し、物理的、機能的に古くなった建物を廃棄し、新しい設備に置き換えることを指します。
スクラップアンドビルドを行った場合は、有価証券報告書などのIR資料で1次情報を元に、店舗面積、利益率の改善、何を変えたのかを確認するのがオススメです。

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