この記事では企業分析を行う際に、役に立つフレームワークの意味と使い方について解説します。
図解を交えながら解説していきますので、ぜひ最後まで読んでいただけますと幸いです。
PEST分析とは?
PEST分析とは、マクロ環境を分析するためのフレームワークです。
PEST分析のPESTとは、「Politics(政治)、Economics(経済)、Society(社会)、Technology(技術)」の頭文字をとったものです。
それぞれの要素を分析することで、企業が将来的に直面する可能性のあるリスクや機会を予測し、それに対応する戦略を立てることができます。
PEST分析の構成要素
それでは、それぞれの構成要素について解説していきます。
PEST分析の要素:政治(Politics)
政治(Politics)とは、政治的環境のことで、特定の社会においてさまざまな組織と個人に影響を及ぼし、かつ制約するものが分析対象です。
政治的要素には、次のようなものがあります。
- 法改正
- 政権交代
- 税制改正
例えば、旅行業界はでコロナ禍における政府発令の緊急事態宣言とGo Toトラベルの影響などが政治的要素に含まれます。
これらの要素を分析することで、企業は政治的な状況や政策の変化が、自社に与える影響を予測し、それに対応する戦略を立てることができます。
PEST分析の要素:経済(Economics)
経済(Economics)とは、経済的環境のことで、消費者の購買力と支出パターンに影響を与えるものが分析対象です。
経済的要素には、次のようなものがあります。
- 景気動向
- 経済成長
- 為替・金利
例えば、人材業界ではコロナの影響で求人活動が抑制された事象などが当てはまります。
これらの要素を分析することで、企業は経済的な状況や経済政策の変化が、自社に与える影響を予測し、それに対応する戦略を立てることができます。
PEST分析の要素:社会(Society)
社会(Society)は、社会的環境のことで、統計的な人間社会や基本的な価値観、嗜好などが分析対象です。
社会的要素には、次のようなものがあります。
- 人口動態
- 流行・世論
- 文化
例えば、教育業界では人口減少や出生数の減少などが当てはまります。
これらの要素を分析することで、顧客ニーズや消費者行動などを把握し、新しいビジネスチャンスを見つけることができます。また、文化や宗教などの社会的な要素を考慮した戦略を立てることで、地域や国境を超えたビジネス展開をする際にも有効です。
PEST分析の要素:技術(Technology)
技術(Technology)とは、技術的環境のことで、新しい製品や市場機会を創出することになる新しい技術が分析対象です。
技術的要素には、次のようなものがあります。
- 新技術
- インフラ
- 特許
例えば、IT業界ではメタバースの参入などが当てはまります。
技術の進化に伴う変化を分析することで、新しい技術に対応した製品やサービスの開発を行うことで、競争優位を維持することができます。また、既存の製品やサービスが技術の進化によって古くなってしまうことを予測し、その対策を講じることも重要です。
一方で、技術の落ち込みに伴って、既存のビジネスモデルや製品が使用されなくなることもあります。その場合には、早期に新しいビジネスモデルや製品の開発に乗り出すことで、ビジネスの転換を図ることが重要です。
PEST分析の構成要素:まとめ
PEST分析の構成要素について理解できましたでしょうか?
最後に、ここまでの復習として簡単なクイズです。