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国の経済成長やGDPに大きく影響を及ぼす雇用の経済指標を徹底解説

国の経済成長やGDPに大きく影響を及ぼす雇用の経済指標を徹底解説

2023.4.6に更新

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大手町のランダムウォーカー

トータルSNSフォロワー20万人の会計インフルエンサー。著書の『世界一楽しい決算書の読み方』はシリーズ累計30万部突破。

目次

雇用は経済にどんな影響を与えている?

雇用は人々が経済活動を行うためになくてはならない要素です。雇用されることで得た給与を消費や投資に回すことで、経済へ影響を与えます。国内の経済規模や景気動向を測る指標であるGDPは、その半分が個人消費により占められています。雇用の冷え込みにより個人消費が締め付けられれば、GDPにも悪影響あり。すなわち、雇用の活性化こそ経済成長の源なのです。

産業全体の動向がわかる経済指標

国内経済の動向は、労働者の雇用状況を測る指標と密接な関係があります。雇用に関する指標には景気と連動しているものが多く、指標を読み解くことで景気の動向を推測できるといえます。

現金給与総額とは

現金給与総額は、支払われた給与の総額を指す指標です。所得税や社会保険料、組合費などを差し引かれる前の金額であり、給与の額面金額に所定外労働給与(残業代)を足した「きまって支給する給与」、賞与や期末手当などの特別に支払われた給与である「特別に支払われた給与」を合算した総額を指しています。
厚生労働省が毎月発表する「毎月勤労統計調査」において、きまって支給する給与と特別に支払われた給与が業界別に一覧で発表されます。この資料からは、業界ごとの給与と前年比が比較できるため、給与の面から業界の動向をうかがうことができます。
現金給与総額は、好調な業界から伸び始める指標です。着工から収益までのスパンが長い建設業では先行指標として、その他の業界では一致指標としての動きをします。
厚生労働省「毎月勤労統計調査(全国調査・地方調査)

所定外労働時間とは

所定外労働時間は、企業が定めた労働時間である所定労働時間を外れた労働時間です。早出、残業、臨時の呼び出しや休日出勤等における実労働時間数が対象です。
厚生労働省が毎月発表する「毎月勤労統計調査」では、所定外労働時間に対する給与である「所定外給与」が発表されます。基本給である「所定内給与」と比較すると、忙しく人手不足の業界の傾向を推測できるでしょう。
厚生労働省「毎月勤労統計調査(全国調査・地方調査)

常用雇用指数とは

常用雇用指数とは、各月末の常用労働者を、基準年である2005年平均の常用労働者の数で割って100倍した指数です。基準年に比べて労働者の増減傾向を確認できます。
厚生労働省が毎月発表する「毎月勤労統計調査」にて確認できる指数です。一般労働者とパートの雇用形態区分別と、製造業、卸・小売り、医療・福祉の業種別に集計されており、それぞれの雇用形態・業種別に雇用の状況がどのように変化しているのか把握できる指標となっています。
人の雇用は負担が大きいため、企業としては景気が回復してから力をいれたいものです。状態雇用指数が伸びてきている業界は、景気の上昇が見えている好調な業界といえます。
厚生労働省「毎月勤労統計調査(全国調査・地方調査)

有効求人倍率とは

有効求人倍率とは、有効求職者に対する有効求人数の割合です。ここでいう有効求人数は、公共職業安定所(ハローワーク)に登録された求人・求職情報が元になっており、求人情報誌や転職情報サービス等にのみ登録されている求人は対象に含まれていません。
有効求人倍率は、求職者1人に対し、何件の求人があったかを示す指標です。1を上回る場合には求人数が多く、求職者は職業を選ぶ余地があるといえ、1を下回っている時は職業を選ばなくても全員が就職できない就職難の状態を指しています。
集計は毎月行われており、当月分の有効求人倍率は翌月末付近に厚生労働省の「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」の中で公表されます。雇用動向は景気の動きとほぼ一致して動く一致指数であるため、有効求人倍率の動向がそのまま景気の動向を見る指標として活用されています。
厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)

完全失業率とは

完全実業率とは、労働者人口全体における完全失業者の割合を指します。労働者人口とは、15歳以上の人口のうち従業者+休業者+完全失業者のこと。このうち完全失業者は、仕事があればすぐにでも働ける求職者を指します。なお、働く意思がない者や、日雇いなどで労働による収入を得ている者は完全失業者には含まれません。
完全失業率は、総務省統計局「労働力調査」により毎月算出され、該当月の翌月末に公表されています。景気動向指数においては遅行指数に含まれており、景気の回復から遅れて改善される動きが見られます。
総務省統計局「労働力調査

まとめ

雇用は景気を下支えする、経済活動の要です。雇用が活性化すれば景気は向上し、雇用の沈静化は経済の停滞に直結します。GDPの半分を占める個人消費を支えるのは、安定した雇用と充実した給与に他なりません。雇用関係の指標を通じ、日本経済がどちらに向かっているのかを伺ってみるのもよいでしょう。

雇用は経済にどんな影響を与えている?

雇用は人々が経済活動を行うためになくてはならない要素です。雇用されることで得た給与を消費や投資に回すことで、経済へ影響を与えます。国内の経済規模や景気動向を測る指標であるGDPは、その半分が個人消費により占められています。雇用の冷え込みにより個人消費が締め付けられれば、GDPにも悪影響あり。すなわち、雇用の活性化こそ経済成長の源なのです。

産業全体の動向がわかる経済指標

国内経済の動向は、労働者の雇用状況を測る指標と密接な関係があります。雇用に関する指標には景気と連動しているものが多く、指標を読み解くことで景気の動向を推測できるといえます。

現金給与総額とは

現金給与総額は、支払われた給与の総額を指す指標です。所得税や社会保険料、組合費などを差し引かれる前の金額であり、給与の額面金額に所定外労働給与(残業代)を足した「きまって支給する給与」、賞与や期末手当などの特別に支払われた給与である「特別に支払われた給与」を合算した総額を指しています。
厚生労働省が毎月発表する「毎月勤労統計調査」において、きまって支給する給与と特別に支払われた給与が業界別に一覧で発表されます。この資料からは、業界ごとの給与と前年比が比較できるため、給与の面から業界の動向をうかがうことができます。
現金給与総額は、好調な業界から伸び始める指標です。着工から収益までのスパンが長い建設業では先行指標として、その他の業界では一致指標としての動きをします。
厚生労働省「毎月勤労統計調査(全国調査・地方調査)

所定外労働時間とは

所定外労働時間は、企業が定めた労働時間である所定労働時間を外れた労働時間です。早出、残業、臨時の呼び出しや休日出勤等における実労働時間数が対象です。
厚生労働省が毎月発表する「毎月勤労統計調査」では、所定外労働時間に対する給与である「所定外給与」が発表されます。基本給である「所定内給与」と比較すると、忙しく人手不足の業界の傾向を推測できるでしょう。
厚生労働省「毎月勤労統計調査(全国調査・地方調査)

常用雇用指数とは

常用雇用指数とは、各月末の常用労働者を、基準年である2005年平均の常用労働者の数で割って100倍した指数です。基準年に比べて労働者の増減傾向を確認できます。
厚生労働省が毎月発表する「毎月勤労統計調査」にて確認できる指数です。一般労働者とパートの雇用形態区分別と、製造業、卸・小売り、医療・福祉の業種別に集計されており、それぞれの雇用形態・業種別に雇用の状況がどのように変化しているのか把握できる指標となっています。
人の雇用は負担が大きいため、企業としては景気が回復してから力をいれたいものです。状態雇用指数が伸びてきている業界は、景気の上昇が見えている好調な業界といえます。
厚生労働省「毎月勤労統計調査(全国調査・地方調査)

有効求人倍率とは

有効求人倍率とは、有効求職者に対する有効求人数の割合です。ここでいう有効求人数は、公共職業安定所(ハローワーク)に登録された求人・求職情報が元になっており、求人情報誌や転職情報サービス等にのみ登録されている求人は対象に含まれていません。
有効求人倍率は、求職者1人に対し、何件の求人があったかを示す指標です。1を上回る場合には求人数が多く、求職者は職業を選ぶ余地があるといえ、1を下回っている時は職業を選ばなくても全員が就職できない就職難の状態を指しています。
集計は毎月行われており、当月分の有効求人倍率は翌月末付近に厚生労働省の「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」の中で公表されます。雇用動向は景気の動きとほぼ一致して動く一致指数であるため、有効求人倍率の動向がそのまま景気の動向を見る指標として活用されています。
厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)

完全失業率とは

完全実業率とは、労働者人口全体における完全失業者の割合を指します。労働者人口とは、15歳以上の人口のうち従業者+休業者+完全失業者のこと。このうち完全失業者は、仕事があればすぐにでも働ける求職者を指します。なお、働く意思がない者や、日雇いなどで労働による収入を得ている者は完全失業者には含まれません。
完全失業率は、総務省統計局「労働力調査」により毎月算出され、該当月の翌月末に公表されています。景気動向指数においては遅行指数に含まれており、景気の回復から遅れて改善される動きが見られます。
総務省統計局「労働力調査

まとめ

雇用は景気を下支えする、経済活動の要です。雇用が活性化すれば景気は向上し、雇用の沈静化は経済の停滞に直結します。GDPの半分を占める個人消費を支えるのは、安定した雇用と充実した給与に他なりません。雇用関係の指標を通じ、日本経済がどちらに向かっているのかを伺ってみるのもよいでしょう。

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