決算書の読み方

<p><br>この記事では、企業分析を行う際に役に立つ<strong style="color:#c7243a">経営指標の意味と使い方</strong>について解説します。<br><strong style="color:#c7243a">実際の企業事例</strong>を入れながら、<strong style="color:#c7243a">初心者にもわかりやすく解説</strong>します。</p><h2 id="h3a03b51ed9">ROA（総資産利益率）とは</h2><p><strong style="color:#c7243a">ROA</strong>とは「<strong style="color:#c7243a">Return On Assets</strong>」の略で、会社の総資産を使ってどれだけの利益を上げられたかを示す投資収益性の指標です。<br>日本語では<strong style="color:#c7243a">総資産利益率</strong>と呼ばれることもあります。ROAを用いることで、<strong style="color:#c7243a">企業の収益力を把握することができる</strong>ため、企業分析を行う際には覚えておいて損が無い必須の指標となります。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/2bf212bb8cdd400f9446f00ada0dfd93/AT_roa_1.JPG?w=1134&amp;h=1134" alt="ROAとは"><br>この記事を読むと下記の内容が身に付きます。</p><ul><li>ROAの基本的な考え方</li><li>ROAを使った、企業の強みの調べ方</li><li>ROAを見る際の注意点</li><li>実際の企業事例でわかるROAとROEの違い</li></ul><p><br></p><h2 id="h7833728ce1">ROA（総資産利益率）の計算式</h2><p>ROAは、下記の計算式で算出します。<br><br><strong style="color:#c7243a">利益÷総資産×100＝ROA（%）</strong><br><br><strong style="color:#c7243a">企業に投下されたすべての資産（総資本）</strong>を使って、<strong style="color:#c7243a">どの程度の利益が生み出されたか</strong>を見ています。<br></p><h2 id="h7678a22d7a">ROA（総資産利益率）の構成要素</h2><p>ROAを分解すると<strong style="color:#c7243a">売上高利益率</strong>と<strong style="color:#c7243a">総資産回転率</strong>に分けることができます。<br>売上高利益率は、<strong style="color:#c7243a">獲得した売上高に占める利益の割合</strong>を意味する収益性の指標です。<br>一方、総資産回転率とは、<strong style="color:#c7243a">全ての資産を使い、どの程度の売上を生み出したか</strong>を表す効率性の指標です。<br><br>ROAを、この2つの指標に分解することで、<strong style="color:#c7243a">企業の成長を牽引する要素を把握</strong>することができます。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/4b635fad4c534c2d802a86371f1099ac/AT_roa_2.JPG?w=1134&amp;h=1134" alt="ROAの構成"></p><h2 id="h97f1c604db">ROAとROEの違いは？</h2><p>ROAと似た指標にROEという指標があります。<br>この２つの指標はどのような違いがあるのかを順を追って解説します。<br></p><h3 id="h36a2cc8957">ROEは自己資本を使った収益性の指標</h3><p><br><strong style="color:#c7243a">ROE</strong>とは<strong>「</strong><strong style="color:#c7243a">Return On Equity</strong><strong>」の略で、</strong><strong style="color:#c7243a">株主が出資した資本を元手に、企業がどの程度の利益を生み出したかを示す投資収益性の指標</strong>です。<br><br>ROAは<strong style="color:#c7243a">企業のすべての資産を分母</strong>にするのに対し、ROEは<strong style="color:#c7243a">企業の株主資本を分母</strong>にする違いがあります。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/c1bcb69228c84d39b0d32e5464a21b75/AT_roa_3.JPG?w=1134&amp;h=1134" alt="ROEとは"><br></p><h3 id="he71aec2481">ROEでは負債の利用度が考慮される</h3><p>ROEを分解すると、売上高利益率、総資産回転率に加え<strong style="color:#c7243a">財務レバレッジ</strong>が追加されます。<br><strong style="color:#c7243a">財務レバレッジ</strong>とは、企業の総資産が自己資本の何倍となるのかを表す指標です。企業が負債をどの程度利用してビジネスを行なっているかを意味しています。<br>ROEは、上記の3つの指標の掛け算であるため、企業の総合力を分析する重要な指標と言われています。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/e5930b9ae0434f4d825d0f2654dc3f19/AT_roa_4.JPG?w=1134&amp;h=1134" alt="ROEの構成"><br><br>ROEについて、より詳しく知りたい方は下記の記事もおすすめです。<br><a href="https://navi.funda.jp/article/roe"><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/6ed8025bd4c948949e0e0bead223d8ca/%E3%82%B5%E3%83%A0%E3%83%8D%E3%82%A4%E3%83%AB%EF%BC%9AROE.png?w=960&amp;h=540" alt=""></a></p><h2 id="hb2a09faede">ROA（総資産利益率）の目安</h2><p>ROAの考え方はシンプルです。<strong style="color:#c7243a">ROAの数値が高ければ高いほど、効率よく利益を生み出している</strong>と判断されます。<br>しかし、<strong style="color:#c7243a">より重要なことは数値の背景までをセットで考えること</strong>です。ROAの高低のみを見るのではなく、「なぜそのような数値になるのか？」のように、ビジネスの背景までを理解することでより深い示唆を得ることができます。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/e515de6e80774f5a8cbff59e825f1889/AT_roa_6.JPG?w=1134&amp;h=1134" alt="ROAの基本的な考え方"></p><h3 id="h2beb275936">ROA（総資産利益率）を使用する際の注意点</h3><p>ROAを使用する際には注意点が2つほどあります。<br>1つ目は、<strong style="color:#c7243a">ROAが企業実態を反映しないケースを知る</strong>ことです。<br><br>例えば、資産に計上されない資源（企業の社員や、会員数など）が競争優位を生み出す企業では、ROAが企業の実態を反映し難い傾向があります。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/996434338b99437d91ead8e616d76a98/AT_roa_7.JPG?w=1134&amp;h=1134" alt="ROAを使用する際の注意点"></p><h3 id="he28532f89e">ROA（総資産利益率）の業種平均</h3><p>2つ目は、<strong style="color:#c7243a">異業種での比較</strong>です。<br>下記の図を見ると分かる通り、<strong style="color:#c7243a">業界業種ごとにROAの平均値が異なります。</strong><br>そのため、安易に異業種での比較をしてもROAの数値が比較対象として意味をなさない場合があります。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/d428420c2ae649f1a998bbb11169f469/AT_roa_8.JPG?w=1134&amp;h=1134" alt="ROAを使用する際の注意点"></p><h2 id="hb2a38827b1">ROA（総資産利益率）の企業事例</h2><p>それではここから実際の上場企業を事例にROAの読み方を解説します。<br></p><h3 id="h2b633122a7">企業事例から読み取るROA：装置型産業</h3><p>まずは「ディズニーランド」でおなじみのオリエンタルランドの事例です。<br>今回は、適切なROAの数値を出すためにコロナ前の数値を使用します。<br><br>オリエンタルランドのROAは9％となります。このROAを分解し、オリエンタルランドの成長ドライバーを把握していきます。<br><br>オリエンタルランドは売上高営業利益率が非常に高く、<strong style="color:#c7243a">ROAを構成する収益性が優れている</strong>ことが分かります。<br>一方、テーマパーク等の設備を使って売上を上げているため、総資産回転率は0.45と1を下回り低くなっています。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/b4e1606693bd4c0a9efcbd1b6875579f/AT_roa_9.JPG?w=1134&amp;h=1134" alt="オリエンタルランドの事例"><br>従って、オリエンタルランドのROAは、高い営業利益率が土台にあることが読み取れます。<br></p><h3 id="h2deb0b3d36">企業事例から読み取るROA：小売業</h3><p>次に、薬局を運営するクスリのアオキHDを見ていきましょう。<br>クスリのアオキHDは商品を仕入れて販売する小売業です。<br><br>クスリのアオキHDのROAも、オリエンタルランドと同様に9％となります。しかし、ROAを分解すると、<strong style="color:#c7243a">効率性が非常に高く、オリエンタルランドとは成長ドライバーが全く異なる</strong>ことがわかります。<br><br>クスリのアオキHDはいかに多く販売するかが重要であるため営業利益率は低いものの、総資産回転率は非常に高くなります。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/ed6e57715a904e7bbb9d0b284f57dbba/ROA_FundaNavi.jpg?w=1134&amp;h=1134" alt="クスリのアオキHDの事例"></p><h3 id="hd73cff19d4">企業事例から読み取るROA：まとめ</h3><p>どちらもROAの数値が9%でしたが、売上高利益率と総資産回転率に分解するとそれぞれの企業の成長ドライバーを把握することができます。<br>ぜひ他の企業でも試してみて下さい！<br></p><h2 id="h20ee355f63">ROA（総資産利益率）の調べ方</h2><p>最後にROAの調べ方を紹介します。ROAの調べ方は主に2つありますので、好みで使い分けてください。<br></p><h3 id="hbb2f06fa21">ROAの調べ方：企業の概況</h3><p>有価証券報告書の第一部【企業情報】の【主要な経営指標等の推移】には、過去5年分の総資産と各種利益が記載されています。<br>ここに記載されている、利益の情報と、総資産の情報を利用しROAを計算します。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/d452239089ff4c1eae0e7693c8279aad/AT_roa_11.JPG?w=1134&amp;h=1134" alt="ROAの指標の調べ方"><br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/c5d3e8b02e4148218dbead4d5e48b6ce/AT_roa_12.JPG?w=1134&amp;h=1134" alt="ROAの指標の調べ方"><br></p><h3 id="h54ce3f8117"> ROAの調べ方：経理の状況</h3><p>次に、2つ目の調べ方を紹介します。<br>有価証券報告書の第一部【企業情報】の中の、第5【経理の状況】に具体的な総資産の各種利益の数値が記載されています。<br><br>経理の状況に記載されている利益を使用し、総資産の金額で割ることでROAを算出することができます。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/0d979660e8f24db69278bdf1463d04b6/AT_roa_13.JPG?w=1134&amp;h=1134" alt="ROAの指標の調べ方"><br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/75fa424a0e914938af84953a90625004/AT_roa_14.JPG?w=1134&amp;h=1134" alt="ROAの指標の調べ方"></p><h2 id="h0b718f3886">ROA（総資産利益率）のまとめ</h2><p>以上、ROAの解説でした。<br>最後まで読んでいただきありがとうございます。<br>指標を比べ差が出ることが分かったら、次はその原因がどこにあるのかを分解式などを用いて調べることで、より深い企業分析を行うことができます。<br>ぜひ参考にしていただけると幸いです。<br><br>企業分析を１からしっかり学びたい方は、企業の経営成績の読み方がわかる下記の記事がおすすめです。<br><a href="https://navi.funda.jp/article/profit-and-loss-statement"><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/221c7191574f4f6082f6bde4f94deb3b/%E3%82%B5%E3%83%A0%E3%83%8D%E3%82%A4%E3%83%AB%E2%91%A0%E6%90%8D%E7%9B%8A%E8%A8%88%E7%AE%97%E6%9B%B8.png?w=960&amp;h=540" alt=""></a><br><br>また、簿記の学習に興味がある方は、下記の記事もおすすめです。<br><a href="https://navi.funda.jp/article/boki3_overview"><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/8797cd8f84dc4b4c99945f2b1e3c1bd2/%E3%82%B5%E3%83%A0%E3%83%8D%E3%82%A4%E3%83%AB%EF%BC%9A%E7%B0%BF%E8%A8%983%E7%B4%9A%E3%81%A8%E3%81%AF%EF%BC%9F.png?w=960&amp;h=540" alt=""></a><br><br></p><h3 id="h552ec798bf">もっと財務諸表を深く学びたい方</h3><p>もっと財務諸表を学びたい、財務スキルを身につけたい、企業のビジネスについて知りたいという方は、「Funda」で学びませんか？<br>どこよりもわかりやすく「財務」や「会計」が学べます。早速、下記の画像をクリックして学習を始めよう！<br><a href="https://funda.jp/"><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/edac759c50d1459c9cb07a5d31a3afb9/Funda_ad_1.JPEG.png?w=1080&amp;h=1080" alt=""></a></p>

企業の投資効率を測る収益性の指標「ROA（総資産利益率）」をわかりやすく解説します。

収益性

効率性

<p>この記事では、企業分析を行う際に役に立つ<strong style="color:#c7243a">経営指標の意味と使い方</strong>について解説します。<br><br><strong style="color:#c7243a">実際の企業事例</strong>を入れながら、<strong style="color:#c7243a">初心者にもわかりやすく解説</strong>します。</p><h2 id="h3a03b51ed9">ROA（総資産利益率）とは</h2><p><strong style="color:#c7243a">ROA</strong>とは「<strong style="color:#c7243a">Return On Assets</strong>」の略で、会社の総資産を使ってどれだけの利益を上げられたかを示す投資収益性の指標です。<br>日本語では<strong style="color:#c7243a">総資産利益率</strong>と呼ばれることもあります。ROAを用いることで、<strong style="color:#c7243a">企業の収益力を把握することができる</strong>ため、企業分析を行う際には覚えておいて損が無い必須の指標となります。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/3e8c3e1d567b4affb901bbda3ae465d3/AT_roa_1.jpeg?w=1134&amp;h=863" alt="ROAとは"><br>この記事を読むと下記の内容が身に付きます。</p><ul><li>ROAの基本的な考え方</li><li>ROAを使った、企業の強みの調べ方</li><li>ROAを見る際の注意点</li><li>実際の企業事例でわかるROAとROEの違い</li></ul><p><br></p><h2 id="h7833728ce1">ROA（総資産利益率）の計算式</h2><p>ROAは、下記の計算式で算出します。<br><br><strong style="color:#c7243a">利益÷総資産×100＝ROA（%）</strong><br><br><strong style="color:#c7243a">企業に投下されたすべての資産（総資本）</strong>を使って、<strong style="color:#c7243a">どの程度の利益が生み出されたか</strong>を見ています。<br></p><h2 id="h7678a22d7a">ROA（総資産利益率）の構成要素</h2><p>ROAを分解すると下記の２つの指標に分けることができます。</p><ul><li><strong style="color:#c7243a">売上高利益率（収益性）</strong></li><li><strong style="color:#c7243a">総資産回転率（効率性）</strong></li></ul><p>売上高利益率は、<strong style="color:#c7243a">獲得した売上高に占める利益の割合</strong>を意味する収益性の指標です。<br>一方、総資産回転率とは、<strong style="color:#c7243a">全ての資産を使い、どの程度の売上を生み出したか</strong>を表す効率性の指標です。<br><br>ROAを、この2つの指標に分解することで、<strong style="color:#c7243a">企業の成長を牽引する要素を把握</strong>することができます。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/0ac9e0b00e6b4fb488c575b1c0608b5e/AT_roa_2.jpeg?w=1134&amp;h=843" alt="ROAの構成要素"></p><h3 id="h83cac83fed">ROAの構成要素のクイズ</h3><p>さて、ここで簡単なクイズです。<br>ディズニーランドを運営するオリエンタルランドですが、コロナ前の2020年3月期決算ではROAが９％です。<br>このROA９％を牽引している要素は、①収益性、②効率性のどちらでしょうか？</p>

会計クイズ

ROAとは？企業の投資効率を測る収益性の指標をわかりやすく解説

<h2 id="h8a95dc7bfc">売上高成長率（伸び率）とは</h2><p>売上高成長率（<span style="color:#4d5156">英語：Sales Growth Rate</span>）とは、基準年度と当年度の売上高を比較することで企業の成長性を表す経営指標です。<br>売上高の成長を数値で表すことで、自社の成長性を客観的な数値として把握することが可能となります。その結果、時系列での比較はもちろん、同業他社の平均値とも比較することが可能となります。<br>‍</p><h2 id="hfdaad577f0"><strong>売上高成長率（伸び率）の計算式</strong></h2><p>売上高成長率は、一般的には、下記の計算式で算出します。<br><br>（当年度売上高÷基準年度売上高‐１）×100＝売上高成長率（％）<br><br>企業によって成長率の計算方法が異なる場合もあるため、その都度、計算の前提を確認することが重要です。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/310c7d5a60ed4ffbbe77e5a3555fc274/%E5%A3%B2%E4%B8%8A%E9%AB%98%E6%88%90%E9%95%B7%E7%8E%871.jpeg?w=839&amp;h=500" alt="売上高成長率とは"><br></p><h2 id="h65aec12d40">なぜ売上高の成長が重要なのか</h2><p>売上高成長率は、基準年度の売上高と当年度の売上高を比較し、どの程度売上高が成長しているかを判断する成長性の指標です。<br><br>売上高は利益の源泉であるため、売上高が増加すればするほど、後々に稼得する利益も拡大すると考えられます。<br>さらに、企業の継続的な成長に必要となる広告宣伝費や人件費等に投下できる金額も売上の成長と共に拡大します。従って、売上高の成長は、今後の企業の拡大を予測する際に非常に重要な情報となります。<br><br></p><h2 id="h8518680e77">売上高成長率（伸び率）の企業分析への応用</h2><p>売上高成長率をさらに一歩進んだ使い方を紹介します。<br>売上高成長率はあくまで指標で、売上高の成長角度を表しているにすぎません。<br><br>従って、売上高成長率を計算して終わるのではなく、「何が伸びているのだろうか？」「それは今後も伸びるのだろうか？」と深掘りして考える必要があります。</p><h3 id="h9df453dfcd">収益構造を分解して確認する</h3><p>売上高成長率の数値から、企業分析に役立つ示唆を得るためには、企業の売上高を分解することが重要となります。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/f0581d168fc24c6f8184e7c79c642f6b/%E5%A3%B2%E4%B8%8A%E9%AB%98%E6%88%90%E9%95%B7%E7%8E%872.jpeg?w=839&amp;h=366" alt="収益構造の分解"><br><br>売上高成長率だけを見ても何が原因でその成長率となっているかを読み取ることは困難です。従って、売上高を構成する要因を分解、どの要因が成長のしているのか？また、その成長は今後も続くのか？を合わせて検討しましょう。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/8b6735448cf641f78a6f16432ef959b3/%E5%A3%B2%E4%B8%8A%E9%AB%98%E6%88%90%E9%95%B7%E7%8E%873.jpeg?w=839&amp;h=582" alt="売上高成長率の企業分析への応用"><br></p><h2 id="h08b070642f">売上高成長率（伸び率）の測り方</h2><p>売上高成長率は、企業の成長性を見る上で重要な指標です。<br>しかし、ただ計算式に当てはめて売上高成長率を算出するだけでは、その数値が良いのか悪いのか判断することができません。<br>そこで、売上高成長率を使用する際には、<strong>必ず比較対象を用意する</strong>必要があります。<br>‍</p><h3 id="h9ca4387289">売上高成長率（伸び率）の比較方法</h3><p><br>売上高成長率の比較対象は、下記の２つとなります。<br><strong>・競合企業の成長率</strong><br><strong>・市場全体の成長率</strong><br>‍<br>分析対象の企業が仮に売上高が成長していたとしても、競合企業がそれ以上に成長していた場合には、市場のシェアを奪われていることを意味します。<br>また、分析対象の企業の成長率と比較して、所属する市場がそれ以上に成長していた場合も同様です。<br><br>このように成長率が良いのか、悪いのかを判断するためには、競合他社や市場全体との比較が重要となります。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/e2ac411aabd44141a44ba1512e8ca089/%E5%A3%B2%E4%B8%8A%E9%AB%98%E6%88%90%E9%95%B7%E7%8E%875.jpeg?w=839&amp;h=508" alt="売上高成長率の使い方"></p><h2 id="hf0fde627b3">売上高成長率（伸び率）を見る際の注意点</h2><p>売上高成長率を使う際に、注意してみておくべき点があります。<br>これは、売上高成長率のみならず、成長企業を見る際にはセットで確認しておくべき内容です。</p><h3 id="h31fde975e0">成長性と安全性はセットで確認</h3><p>企業が急激な成長をすればするほど、安全性の指標が悪化してしまう可能性が高くなります。<br>‍なぜなら、企業を成長させるフェーズでは、経営者は多少のリスクを許容して動く事が少なくないからです。<br>従って、成長性と安全性はセットで確認する必要があります。<br><br>特に注目したい科目は、企業の売上高を成長させる際に関係の深い「棚卸資産」「売上債権」「借入金」等の金額です。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/d0b3f251ccaf47d5bf4e0889b6fdf60f/%E5%A3%B2%E4%B8%8A%E9%AB%98%E6%88%90%E9%95%B7%E7%8E%876.jpeg?w=839&amp;h=412" alt="売上高成長率の注意点"><br>下記では、それぞれがどのように成長性に関係するかを解説します。<br>‍</p><h3 id="hda9ab0a644">売上高成長率とセットで棚卸資産を確認</h3><p>通常、企業が売上をあげるためには販売する商品が必要です。<br>そのため成長フェーズにおいて、多めに製品を製造したり商品を仕入れることも多く、その結果、棚卸資産が一時的に増加することがあります。<br><br>製造または仕入れた商品が増加したとしても、すべて販売できるのであれば問題ありません。<br>注意しなければならないポイントは、需要予測を見誤り商品が売れずに、棚卸資産として企業に滞留してしまった場合です。<br>現金化の難しい資産を抱えているという状況にあるため、経営効率が悪化してしまう可能性があります。<br></p><h3 id="h54c755e147">売上高成長率とセットで売上債権を確認</h3><p>売上高と同時に売上債権が急激に増加している場合には注意が必要です。<br>売上債権とは、販売代金を回収する権利です。<br><br>会計上は商品やサービスを販売した時点で売上になります。しかし売上債権を使って取引している場合、その売上の全てを現金で回収できるとは限りません。<br><br>例えば、厳しいノルマを課せられた営業担当が、ノルマ達成のために支払い能力の無い企業に無理やり販売したとします。もし仮に販売先が倒産した場合、売上高は計上されるも、売上債権は回収出来ないということが起こります。<br>そのため、売上高と同時に売上債権が急激に増加している場合には、その売上債権が回収できるかどうかを考えなければいけません。</p><h3 id="hc80077caa4">売上高成長率とセットで借入金を確認</h3><p>最後に、借入金の増加です。<br><br>企業が成長するフェーズでは、当然投資の原資が必要となります。<br>その原資として多額の借入金が使用されるケースがあります。<br>借入金を使って企業を成長させるというのは王道的な経営手法のため、借入金が悪ということではありません。<br>しかし、時に必要以上に借り入れ、無理な投資を行うケースがあります。<br><br>そのため、売上高の成長性や企業の体力に見合った借入額となっているか、また今後返済することが可能な範囲の借入額となっているかを把握する必要があります。</p><h2 id="hce6e3e6aa5">売上高成長率（伸び率）の調べ方</h2><p>それでは実際の指標の調べ方です。<br>今回は有価証券報告書を使って売上高成長率の計算に必要となる数値を取りに行きます。<br><br>有価証券報告書の第一部【企業情報】の中の、第１【企業の概況】に企業の財務数値数年分のデータが掲載されています。<br><br>「１【主要な経営指標等の推移】」を見ると、売上高のデータが数年分掲載されています。<br>その数値をもとに売上高成長率を計算することができます。<br><br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/885f97f9a6ba429dbeba705585f1dc3f/%E5%A3%B2%E4%B8%8A%E9%AB%98%E6%88%90%E9%95%B7%E7%8E%87%20(7).PNG?w=1134&amp;h=1134" alt="有価証券報告書と売上高成長率"><br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/8be08644e5f546e4b555e1415888a702/%E5%A3%B2%E4%B8%8A%E9%AB%98%E6%88%90%E9%95%B7%E7%8E%877.jpeg?w=828&amp;h=644" alt="売上高成長率の調べ方"><br></p><h2 id="h250ba601e2">売上高成長率のまとめ</h2><p>以上、指標の解説でした。<br>最後まで読んでいただきありがとうございます。<br>指標を比べ差が出ることがわかったら、次はその原因がどこにあるのかを調べることで一歩深堀した企業分析を行うことができます。ぜひ参考にして頂けると幸いです。<br><br>また、簿記の学習に興味がある方は、下記の記事もおすすめです。<br><a href="https://navi.funda.jp/article/boki3_overview"><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/8797cd8f84dc4b4c99945f2b1e3c1bd2/%E3%82%B5%E3%83%A0%E3%83%8D%E3%82%A4%E3%83%AB%EF%BC%9A%E7%B0%BF%E8%A8%983%E7%B4%9A%E3%81%A8%E3%81%AF%EF%BC%9F.png?w=960&amp;h=540" alt=""></a></p><h2 id="hcf83e1357e"><br></h2><p>もっと財務諸表を学びたい、財務スキルを身につけたい、企業のビジネスについて知りたいという方は、「Funda」で学びませんか？<br>どこよりもわかりやすく「財務」や「会計」が学べます。早速、下記の画像をクリックして学習を始めよう！<br><a href="https://funda.jp/"><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/edac759c50d1459c9cb07a5d31a3afb9/Funda_ad_1.JPEG.png?w=1080&amp;h=1080" alt=""></a></p>

「売上高成長率」とは、企業の成長性を測る財務指標の一つです。この記事では、売上高成長率の定義や計算方法、重要性や用途、業界別の基準値などを詳しく解説します。売上高成長率について知りたい方必見の記事です。

営業利益率

業界全体の成長率

総資産回転率

<p>企業の成長性を測る財務指標として、<span style="color:#c7243a">売上高成長率</span>があります。売上高成長率とは、<span style="color:#c7243a">一定期間内に売上高がどれだけ増加したかを示す指標</span>であり、<span style="color:#c7243a">企業の成長性を測る</span>上で重要なものです。<br>この記事では、売上高成長率について、その定義や計算方法、重要性や用途、業界別の基準値などを解説していきます。売上高成長率について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。</p><h2 id="h8a95dc7bfc">売上高成長率（伸び率）とは</h2><p>売上高成長率（英語：Sales Growth Rate）とは、<span style="color:#c7243a">基準年度と当年度の売上高を比較することで企業の成長性を表す経営指標</span>です。<br>成長している企業は、売上高が基準年度に比べて増加する傾向があるため、売上高成長率が高くなります。一方で、成熟した市場に存在する企業は、売上高成長率が低くなる傾向があります。<br>売上高成長率は、<span style="color:#c7243a">投資家や銀行などが企業の成長性を判断する</span>際に用いられます。また、<span style="color:#c7243a">企業が掲げる戦略や目標を達成できているかを評価</span>するためにも利用されます。<br><br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/ea95599bb09f44b2b26a4830b6075115/%E5%A3%B2%E4%B8%8A%E9%AB%98%E6%88%90%E9%95%B7%E7%8E%87%20%EF%BC%9A%E6%8C%87%E6%A8%99.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="【図解で解説】売上高成長率（伸び率）とは、一定期間内に売上高がどれだけ増加したかを示す指標であり、企業の成長性を測る上で重要なものです。企業分析のプロが初心者にもわかりやすく解説します。"><br></p><h3 id="h05f3d20767">売上高成長率（伸び率）の英語表記</h3><p>売上高成長率は、英語では「Sales Growth Rate」や「Sales Revenue Rate」などと表記されます。しかし、海外の決算書では、必ずしもこの表記が用いられるとは限りません。<br><br>簡単なクイズ事例で紹介します。<br><span style="color:#c7243a">Netflixの2022年の売上高成長率（前期比）は、選択肢のうち、どれでしょうか？</span><br><br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/0f52c2640af948b791b54b3d01ea18c5/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%893.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="【図解で解説】売上高成長率（伸び率）とは、一定期間内に売上高がどれだけ増加したかを示す指標であり、企業の成長性を測る上で重要なものです。企業分析のプロが、クイズを用いて初心者にもわかりやすく解説します。"><br><br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/92744b01bb434914803bfdd89576a446/%E2%91%A5%E5%91%B3%E3%81%AE%E7%B4%A0%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%97.png" alt=""><br>わかりましたでしょうか？<br><span style="color:#c7243a">正解は選択肢①6％</span>でした。<br><br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/71c32de364014d048bce225576513d8f/%E5%A3%B2%E4%B8%8A%E9%AB%98%E6%88%90%E9%95%B7%E7%8E%87%20(2).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="【図解で解説】売上高成長率（伸び率）とは、一定期間内に売上高がどれだけ増加したかを示す指標であり、企業の成長性を測る上で重要なものです。企業分析のプロが初心者にもわかりやすく解説します。"><br><span style="color:#374151">米国企業のForm 10-Kに記載されている</span><span style="color:#c7243a">「Change」とは、前年度と比較した増減や変化を示すための用語</span><span style="color:#374151">です。具体的には、売上高、営業利益、純利益などの財務指標や、事業の成長戦略、業績見通し、リスク要因などの経営戦略に関する変化などを示すことがあります。この場合の「Change」は、増減を意味することが多く、</span><span style="color:#c7243a">前期と比較した増減を示すために使用される</span><span style="color:#374151">ことがあります。</span><br><br>他のクイズにも挑戦したい方は、ぜひ、下記の公式LINEに登録してみてください。<br>企業分析が学べるクイズが配信されます。<br><a href="https://lin.ee/4jwiPLb"><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/c6aea3d7133d412781e5eaff9fe3f65a/%E5%85%AC%E5%BC%8FLINE_%E3%83%90%E3%83%8A%E3%83%BC%E2%91%A0%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%AB.png?w=2500&amp;h=843" alt="LINEに登録しよう"></a><br></p><h3 id="hb54c05da54">売上高成長率（伸び率）が重視される背景</h3><p>売上高成長率は、基準年度の売上高と当年度の売上高を比較し、どの程度売上高が成長しているかを判断する成長性の指標です。<br><span style="color:#c7243a">売上高は利益の源泉</span>であるため、<span style="color:#c7243a">売上高が増加すればするほど、後々に稼得する利益も拡大</span>すると考えられます。<br>さらに、企業の継続的な成長に必要となる広告宣伝費や人件費等に投下できる金額も売上の成長と共に拡大します。<br>従って、売上高の成長は、<span style="color:#c7243a">今後の企業の拡大を予測する際に非常に重要な情報</span>となります。<br><br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/a3fa3a410ff1431aab956e5bfe62a2bb/%E5%A3%B2%E4%B8%8A%E9%AB%98%E6%88%90%E9%95%B7%E7%8E%87%20(3).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="売上高成長率（伸び率）が重視される背景を図解で解説"><br></p><h2 id="hfdaad577f0">売上高成長率（伸び率）の計算式</h2><p>売上高成長率は以下の式で計算されます。</p><ul><li>売上高成長率 = (今期売上高 - 基準年度売上高) / 基準年度売上高 × 100</li></ul><p><span style="color:#c7243a">企業によって成長率の計算方法が異なる場合もある</span>ため、その都度、計算の前提を確認することが重要です。</p><h3 id="hc4dc96968b">売上高成長率（伸び率）の計算事例</h3><p>例えば、ある企業の前期の売上高が1000万円、今期の売上高が1200万円だった場合、売上高成長率は以下のように計算されます。</p><ul><li>売上高成長率 = (1,200 - 1,000) / 1,000 × 100 = 20%</li></ul><p>この場合、<span style="color:#c7243a">前期に比べて売上高が20%増加</span>したことを示しています。<br><br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/dc9c9acf285a40418cdb39f2704911a4/%E5%A3%B2%E4%B8%8A%E9%AB%98%E6%88%90%E9%95%B7%E7%8E%87%20(4).JPG?w=1280&amp;h=720" alt="売上高成長率（伸び率）の計算事例を図解で解説"><br></p><h2 id="h7130d67fd1"><strong>売上高成長率（伸び率）の使い方</strong></h2><p>売上高成長率を<span style="color:#c7243a">適切な対象の数値と比較</span>することで、<span style="color:#c7243a">意味のある示唆を得る</span>ことができます。<br> ここからは、<span style="color:#c7243a">自社の売上高成長率をどのような指標と比較することが望ましいのか</span>を解説していきます。<br><br>まずは簡単なクイズです。</p>

売上高成長率とは？企業分析必須の伸び率の読み方を徹底解説

この記事では、粗利の概念や計算方法について詳しく解説します。また、粗利を最大化する方法や、調べ方、粗利と関連する財務指標についても触れます。

選択肢①

選択肢②

粗利（売上総利益）とは？実際の企業事例を元に企業分析のプロがわかりやすく解説

ビジネスモデルの強さを表す収益性の指標である営業利益を初心者にもわかりやすく解説します

サイゼリヤ

コメダホールディングス

吉野家ホールディングス

<p><span style="color:#263843">この記事では</span><strong style="color:#263843">企業分析を行う際に、役に立つ経営指標の意味と使い方についてを解説</strong><span style="color:#263843">します。無機質な説明のみでは詰まらないと思いますので、</span><strong style="color:#263843">実際の企業の事例を豊富に入れて解説</strong><span style="color:#263843">していきますので、ぜひ最後まで読んで頂けますと幸いです。</span><br></p><h2 id="hd4b2e0bac6">営業利益とは</h2><p><strong>営業利益</strong>とは<strong>本業の営業活動で生み出した利益を意味する収益性の指標</strong>です。<br><strong>また営業利益率</strong>とは、<strong>売上高に対する営業利益の割合を表す経営指標</strong>です。<br><br>営業利益は、本業で稼いだ収益を意味する売上高と、売上原価や販管費等の営業に関する費用のみを考慮して利益を算出しています。従って、営業利益は<strong>本業の事業の強さを表す利益</strong>といわれます。<br></p><h3 id="h62ec7cd5b0"><strong>営業利益率の計算式</strong></h3><p>営業利益÷売上高×100＝売上高営業利益率（％）<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/1e63f41db78a4ef8a519cf2b9e4fa390/%E5%A3%B2%E4%B8%8A%E9%AB%98%E5%96%B6%E6%A5%AD%E5%88%A9%E7%9B%8A%E7%8E%87%20(1).PNG?w=1134&amp;h=1134" alt="売上高営業利益率とは"><br></p><h3 id="h8024f2f3eb">営業利益がわかるクイズ</h3><p>それでは早速、実際の企業事例を元に営業利益の読み方を解説します。<br>まずは簡単なクイズです。<br><br>コロナの影響で、飲食業は大きなダメージを受けましたが、中には黒字を維持している企業も存在します。<br>コロナの影響が反映される<strong>2020年の決算数値が黒字の会社は選択肢のうちどれでしょうか？</strong><br><br><strong>①サイゼリア（ファミリーレストランを展開）</strong><br><strong>②吉野家ホールディングス（牛丼チェーンを展開）</strong><br><strong>③コメダホールディングス（喫茶店を展開）</strong><br><br>ぜひ考えてみて下さい。</p>

営業利益とは？企業分析のプロがわかりやすく解説

<p>会計基準の違いによって、収益力を比較できない場合ありませんか？<br>日本2大広告代理店の博報堂と電通を比較する際は、会計基準が違い、単純に利益率を比較できません。<br>そんな時に役立つのが、オペレーティングマージンです。<br>この記事では、「オペレーティングマージン」について、解説します。<br><br>電通では、オペレーティングマージンを主要KPIとして採用しています。<br>電通の決算書を読みたい就活の企業分析でも使えるかと思います！<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/64f4198aa77e4b90abe2767e11a30fb0/AT_%E3%82%AA%E3%83%9A%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%B3_99.png?w=1216&amp;h=690" alt="電通　決算説明資料"><br></p><h2 id="h24e9f7816f">オペレーティングマージンとは</h2><p><strong style="color:#c7243a">オペレーティングマージン</strong>とは、<strong style="color:#c7243a">売上総利益に対しての営業利益の割合を表す経営指標</strong>です。<br>会計基準が違う企業同士でも適切に収益力を比較したい場合に有効です。<br>‍</p><h4 id="hc68ba12d4e"><strong>オペレーティングマージンの計算式</strong></h4><p><strong style="color:#c7243a">（営業利益÷売上総利益）×100＝オペレーティングマージン（％）</strong><br><br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/bd3187d49e474acb996da788176de8af/AT_operating-margin_1.jpeg?w=1134&amp;h=905" alt="オペレーティングマージンとは"></p><h2 id="habaec8fc3f">オペレーティングマージンの考え方</h2><p>オペレーティングマージンは、会計基準が異なる企業を比較する場合に使用する指標です。<br><br>会計基準によって、売上高として認められる基準が違います。<br>そのため、同じビジネスモデルを展開していたとしても、売上原価率や販管費率、営業利益率の数値が大きく異なってしまい、収益力が比較できません。<br><br>同じビジネスモデルで会計基準の異なる企業を想定して比較してみましょう。<br>下図で、同じビジネスモデルで会計基準が異なる企業の損益計算書を並べましたが、ご覧の通りこのままでは収益力を比較することができません。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/eff1a66f41894e968e902e75fb45c86f/AT_operating-margin_2.jpeg?w=1134&amp;h=881" alt="オペレーティングマージンの考え方"><br>そこで、会計基準による影響を排除して収益力を比較できる指標として使われるのが、オペレーティングマージンです。<br>売上高として認められる基準が異なる場合でも、基本的には売上総利益と営業利益の額は変わりません。<br>そのため、売上総利益に対しての営業利益の割合を見ることで収益性を比較することが可能になります。<br><br>実際に、<strong>電通</strong>と<strong>博報堂</strong>を比較する際は、オペレーティングマージンを用いるのがおすすめです。<br>電通が国際会計基準を採用しているのに対し、博報堂が日本基準を採用しているため、売上高として認められる基準が異なり、売上高に対しての収益性を比較することができないためです。<br><br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/abc806869cfe4c6fa7973f578b83b7f3/AT_operating-margin_3.jpeg?w=1134&amp;h=886" alt="オペレーティングマージンの考え方"></p><h2 id="h4c7326d7a7"><strong>オペレーティングマージンの使い方</strong></h2><p>会計基準が異なる場合、同じビジネスを運営していたとしても、財務数値が異なることがあります。<br>売上や費用、利益の認識が異なるためです。<br><br>そこでオペレーティングマージンは、会計基準が異なる場合でも収益力を比較したい際に使います。<br><br>オペレーティングマージンは、会計基準の違いによる「総額表示」または、「純額表示」という売上の認識基準に違いがある場合でも収益力を比較することができる指標です。<br><br>まずは、総額表示と純額表示についてを簡単に解説します。<br>‍</p><h3 id="hfd8f30d15c">総額表示と純額表示</h3><p><strong style="color:#c7243a">総額表示は、仕入費用と販売代金の総額が表示されます</strong><strong>。</strong><br>つまり、 売上高には販売額がすべて計上され、売上原価には仕入費用が計上されます。<br>‍<br>反対に<strong style="color:#c7243a">純額表示は、仕入費用が計上されず、さらに販売額も自社の利益分のみとなります</strong><strong>。</strong><br>つまり、 売上には（販売額ー仕入費用）の額が計上されます。<br><br>しかしこれだけでは、理解することが難しいかと思います。<br>広告代理店の事例をもとに解説します。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/1033059e7bfd4d0cabdfeb2a7603d79d/AT_operating-margin_4.jpeg?w=1134&amp;h=681" alt="総額表示と純額表示"></p><h2 id="h604e16ac6c">事例：広告代理店のビジネスモデル</h2><p>広告代理店のビジネスモデルを見ると、広告枠を仕入れて、広告を掲載したい企業にその枠を販売して稼ぐ、仕入販売モデルです。<br>‍<br>同じビジネスモデルの広告代理店を比較した場合でも、純額表示と総額表示で見た目の財務数値が大きく変動します。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/ea59857c7c0f485794dbf1d5e1e2b515/AT_operating-margin_5.jpeg?w=1134&amp;h=671" alt="広告代理店のビジネスモデル"><br>広告枠の仕入費用が1億円で、飲食店への販売額が2億円の場合のお金の動きを見てみましょう。<br><strong style="color:#c7243a">総額表示では、売上高は販売額＝2億円が計上され、売上原価は1億円となります</strong><strong>。</strong><br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/c1f8e861a25e4171b65b1ee6810881a5/AT_operating-margin_6.jpeg?w=1134&amp;h=764" alt="総額表示の事例"><br><strong style="color:#c7243a">純額表示では、同じビジネスなのに売上高は1億円になります</strong><strong>。</strong><br>なぜかというと、仕入費用に対して、自社で付加価値をつけられた分のみが売上高になるからです。<br>販売額ー仕入費用＝売上高となっています。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/51a4b4d9da074d23b49ed66bb0869b9c/AT_operating-margin_7.jpeg?w=1134&amp;h=790" alt="純額表示の事例"><br>広告代理店の総額表示と純額表示の違いを損益計算書（PL）で表すと以下の図のようになります。<br>同じビジネスモデルでも会計基準によって収益費用構造が変わることがわかったとしても、このままでは収益力を比較することはできません。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/73641e8bdb5742e29ffbb23a726fc05f/AT_operating-margin_8.jpeg?w=1134&amp;h=697" alt="広告代理店の総額表示と純額表示"></p><h4 id="h09fab9e27a">オペレーティングマージンによる比較</h4><p>ここでオペレーティングマージンが有効です。<br>オペレーティングマージンは総額と純額の表示で難点となっていた、売上高と売上原価の違いを排除して収益力を測ることが出来ます。<br>会計基準が違っても大きく変わらない売上総利益と営業利益を使い、収益力を算出します。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/204314b729714a04824c069a68330a50/AT_operating-margin_9.jpeg?w=1134&amp;h=702" alt="オペレーティングマージンの事例"><br><br>他の類似指標も見てみてください！<br>販管費から企業を読み解く<a style="color:#0186ab" href="https://navi.funda.jp/article/selling-administrative-expenses-margin" target="_blank" rel="noopener noreferrer">売上高販管費率</a><br>売上原価から企業を読み解く<a style="color:#0186ab" href="https://navi.funda.jp/article/operating-expenses" target="_blank" rel="noopener noreferrer">売上高原価率</a><br>企業の商品力を表す<a style="color:#0186ab" href="https://navi.funda.jp/article/gross-profit-margin" target="_blank" rel="noopener noreferrer">売上総利益率</a><br>企業のビジネスモデルの強さを表す<a style="color:#0186ab" href="https://navi.funda.jp/article/operating-profit-margin" target="_blank" rel="noopener noreferrer">売上高営業利益率</a><br></p><h2 id="h5f124df951">オペレーティングマージンの調べ方</h2><p>それでは実際の指標の調べ方です。<br>今回は有価証券報告書を使ってオペレーティングマージンの計算に必要となる数値を取りに行きます。</p><h3 id="h3bec9b9d80">有価証券報告書からオペレーティングマージンを計算する</h3><p>有価証券報告書の<strong style="color:#c7243a">第一部【企業情報】</strong>の中の、<strong style="color:#c7243a">第５【経理の状況】</strong>を開いてください。<br>損益計算書の中から、次の項目を取得します。</p><ul><li><strong style="color:#c7243a">売上総利益</strong></li><li><strong style="color:#c7243a">営業利益</strong></li></ul><p><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/95a22bc4a0ed4a939d6c90307118ac4c/AT_operating-margin_10.jpeg?w=1134&amp;h=675" alt="オペレーティングマージンの調べ方"><br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/646da9ad3d4141f6872c386ae7cd8551/AT_operating-margin_11.jpeg?w=1134&amp;h=698" alt="オペレーティングマージンの調べ方"><br><br>経理の状況の営業利益を売上総利益で割ると算出することができます。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/c454cfd8c2da46eaa1c4ea04cf51af80/AT_operating-margin_12.jpeg?w=828&amp;h=591" alt="オペレーティングマージンの調べ方"><br>以上、指標の解説でした。<br>最後まで読んでいただきありがとうございます。<br>指標を比べ差が出ることがわかったら、次はその原因がどこにあるのかを調べることで一歩深堀した企業分析を行うことができます。ぜひ参考にして頂けると幸いです。<br></p><h2 id="h552ec798bf">もっと財務諸表を深く学びたい方</h2><p>もっと財務諸表を学びたい、財務スキルを身につけたい、企業のビジネスについて知りたいという方は、「Funda」で学びませんか？<br>どこよりもわかりやすく「財務」や「会計」が学べます！<br>早速、下記をクリックして学習をはじめよう！<br><a href="https://funda.jp/"><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/edac759c50d1459c9cb07a5d31a3afb9/Funda_ad_1.JPEG.png?w=1080&amp;h=1080" alt=""></a></p>

会計基準が違う企業同士でも収益力を適切に比較する際に使う指標です。

オペレーティングマージンとは？会計基準の違いを排除して企業を比較する方法

<h2 id="h95d22fdf5b">売上高販管費率とは</h2><p>売上高販管費率とは、売上高に対する販管費の割合のことを表す経営指標です。<br>営業活動の効率性を測る際に使われます。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/82a2dcb887754ed9abd10bcc5c735b36/%E5%A3%B2%E4%B8%8A%E9%AB%98%E8%B2%A9%E7%AE%A1%E8%B2%BB%E7%8E%87%20(1).PNG?w=1134&amp;h=1134" alt="売上高販管費率とは"><br>‍</p><h3 id="h117baeeb04">売上高と販管費の比率から計算</h3><p><br>販管費÷売上高×100＝売上高販管費率（％）<br></p><h2 id="h98324d99fb">販管費とは</h2><p>売上高販管費率は、売上高に占める販管費の割合のことを表し、商品を販売する上でかかる間接的な費用の大きさを測ることができます。<br>売上高販管費率の考え方をよく理解してもらうために、まずは、売上高販管費率の構成要素である販管費について解説していきます。<br>‍</p><h3 id="hf572ed3059">販売するために間接的に発生する費用</h3><p><strong>販管費とは、商品やサービスを販売するために間接的にかかった費用のことを指します。</strong><br>例えば、従業員の給料、広告宣伝費、店舗の賃料などが含まれます。<br>‍<br>損益計算書には正式名称である「販売費及び一般管理費」と記載されています。<br>この記事では「販管費」と省略して説明していきます。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/f32fb5f745b647ef882ca9804b5f9f54/%E5%A3%B2%E4%B8%8A%E9%AB%98%E8%B2%A9%E7%AE%A1%E8%B2%BB%E7%8E%87%20(2).PNG?w=1134&amp;h=1134" alt="販管費とは"><br>売上高から販管費を引いた営業利益を見たい方はこちらから→<a style="color:#0186ab;background-color:#ffffff" href="https://navi.funda.jp/article/operating-profit-margin" target="_blank" rel="noopener noreferrer">売上高営業利益率</a><br></p><h2 id="h50092d3284"><span style="background-color:#ffffff">売上高販管費率の目安とは</span></h2><p>ここからは売上高販管費率を見る際のポイントについてを解説します。<br></p><h3 id="h11cb1f20e7">一般的に販管費は低い方が望ましい</h3><p>販管費は費用であるため、基本的には少ない方が望ましいとされています。<br>従って、売上高に占める販管費の比率が低ければ低いほど、収益性が高くなる傾向にあります。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/470ec6ab18bf40c59e4feb800715eb30/%E5%A3%B2%E4%B8%8A%E9%AB%98%E8%B2%A9%E7%AE%A1%E8%B2%BB%E7%8E%87%20(3).PNG?w=1134&amp;h=1134" alt="売上高販管費率の基本的な考え方"></p><h3 id="h8695687e0f">業種や戦略により販管費の比率は大きく異なる</h3><p>実際の分析の際には、販管費率の数値のみで良し悪しを判断するのは難しいです。<br>なぜなら、販管費は企業の戦略や成長フェーズによって大きく変化する費用だからです。<br><br>従って、売上高販管費率を計算して終わるのではなく、その背景のビジネスの実態まで読み解くことが重要です。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/e4338f681af24531af9294f939053c49/%E5%A3%B2%E4%B8%8A%E9%AB%98%E8%B2%A9%E7%AE%A1%E8%B2%BB%E7%8E%87%20(4).PNG?w=1134&amp;h=1134" alt="売上高販管費率は、業界や企業の戦略で特徴がある"></p><h3 id="h415b9143eb">販管費の中身を分解して考える</h3><p>売上高販管費率からより多くの示唆を得るために、販管費の中身を分解して考える必要があります。<br>‍販管費の主な構成要素として「人件費」「減価償却費」「賃料」「配送費」「広告宣伝費」「研究開発費」があります。<br>さらにそれぞれを分解すると、分析においてより有益な示唆を見つけ出すきっかけになります。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/af59e7914b8244dc940dd3e3f5a7d8f8/%E5%A3%B2%E4%B8%8A%E9%AB%98%E8%B2%A9%E7%AE%A1%E8%B2%BB%E7%8E%87%20(6).PNG?w=1134&amp;h=1134" alt="販管費の分解"></p><h2 id="h9129ae2718">売上高販管費率の分析方法とは</h2><ul><li>時系列で比較</li><li>同業種で比較</li></ul><p>の主に2つの視点から比較を行います。<br><br>ただし、指標を使う際には必ず企業のビジネスまで把握して、ビジネスが大きく変化していないかなどを考慮する必要があります。<br>大きく事業が変わっている場合には、売上高販管費率を比較しても、正確な比較を行うことができず、有用な示唆を得ることはできません。<br></p><h3 id="h7e50f18f67">時系列での比較</h3><p>企業の動向を把握することができます。<br>例えば<br>・販管費率がいつ、どんな動きをしたのか<br>・それは業界全体で共通した動きなのか、その企業の内部の影響なのか<br>から深堀りすることで、より示唆が得られます。<br>‍</p><h3 id="hc397c2fed2">同業種との比較</h3><p>同業種でも販管費に違いがあれば、その企業の戦略を読み取ることができます。<br>特に販管費全体の比率ではなく、人件費や広告宣伝費など主要項目の比率に着目すると示唆が得られやすいです。<br>‍<img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/9f17e11367634965bc95201618c6caa5/%E5%A3%B2%E4%B8%8A%E9%AB%98%E8%B2%A9%E7%AE%A1%E8%B2%BB%E7%8E%87%20(8).PNG?w=1134&amp;h=1134" alt="売上高販管費率の使い方"><br></p><h2 id="h5abcc63140">売上高販管費率の調べ方とは</h2><p>それでは実際の指標の調べ方です。<br>今回は有価証券報告書を使って売上高販管費率の計算に必要となる数値を取りに行きます。<br>‍<br>有価証券報告書の第一部【企業情報】の中の、第５【経理の状況】に売上高と販管費が記載されています。<br>経理の状況の販管費を売上高で割ると算出することができます。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/37bb1066cad5478e931925eb9086c780/%E5%A3%B2%E4%B8%8A%E9%AB%98%E8%B2%A9%E7%AE%A1%E8%B2%BB%E7%8E%87%20(10).PNG?w=1134&amp;h=1134" alt="売上高販管費率と有価証券報告書"><br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/1653aaa6371a4a7cb5ae76e99d93f4b8/%E5%A3%B2%E4%B8%8A%E9%AB%98%E8%B2%A9%E7%AE%A1%E8%B2%BB%E7%8E%87%20(11).PNG?w=1134&amp;h=1134" alt="売上高販管費率と有価証券報告書"><br>販管費の中身を把握したい時は、販管費の注記から確認することができます。<br>※企業により詳細を出していないこともあるので注意。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/315c4bac20f4488cbfbcb5b28b556d95/%E5%A3%B2%E4%B8%8A%E9%AB%98%E8%B2%A9%E7%AE%A1%E8%B2%BB%E7%8E%87%20(12).PNG?w=1134&amp;h=1134" alt="売上高販管費率と有価証券報告書"></p><h2 id="ha214098e44">まとめ</h2><p>以上、指標の解説でした。<br>どんな指標でも同じことが言えますが、販管費率が高い、低いだけではなく、なぜ高いのか？なぜ低いのか？をビジネスに結び付けて考えられるとより示唆のある分析となります。<br>指標を比べ差が出ることがわかったら、次はその原因がどこにあるのかを調べることで一歩深堀した企業分析を行うことができます。ぜひ参考にして頂けると幸いです。<br><br>販管費率の分析事例を学びたい方は、下記の記事もおすすめです。<br><a href="https://navi.funda.jp/article/capcom"><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/f169534cda754d61b8f2c062f38e8847/%E3%82%B5%E3%83%A0%E3%83%8D%E3%82%A4%E3%83%AB%EF%BC%9A%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0%E6%A5%AD%E7%95%8C%E3%81%AE%E6%B1%BA%E7%AE%97%E6%9B%B8%E3%81%AE%E8%AA%AD%E3%81%BF%E6%96%B9.png?w=960&amp;h=540" alt="ゲーム業界の決算書の読み方を、わかりやすく解説。"></a><br><br>また、簿記の学習に興味がある方は、下記の記事もおすすめです。<br><a href="https://boki.funda.jp/blog/article/boki3_overview"><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/52dd825dd89e4609945376a999310550/%E3%82%B5%E3%83%A0%E3%83%8D%E3%82%A4%E3%83%AB%EF%BC%9A%E7%B0%BF%E8%A8%983%E7%B4%9A%E3%81%A8%E3%81%AF%EF%BC%9F.png?w=1200&amp;h=630" alt=""></a><br>もっと財務諸表を学びたい、財務スキルを身につけたい、企業のビジネスについて知りたいという方は、「Funda」で学びませんか？<br>どこよりもわかりやすく「財務」や「会計」が学べます。早速、下記の画像をクリックして学習を始めよう！<br><a href="https://funda.jp/"><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/edac759c50d1459c9cb07a5d31a3afb9/Funda_ad_1.JPEG.png?w=1080&amp;h=1080" alt=""></a><br></p>

広告費や人件費などの販管費を用いた指標の使い方を解説します。売上高販管費率を今日から分析で使ってみよう。

売上高販管費率とは？販売効率を読み取る指標をわかりやすく解説

学習コンテンツ

<h2 id="ha39e283f35">産業全体の動向がどのように経済に影響を与えるのか</h2><p>人が豊かな生活を送るには、経済活動により収入を得ることが必要です。そうした収入は仕事をすることで得られますが、産業が活発でなければ仕事のもらい先である会社が十分な利益を得られず、個人の収入も十分なものにならないでしょう。<br>新型コロナの影響により、一時は多くの産業が活動を沈静化させました。経済活動ができなくなった産業に従事する人は、収入がないためお金を消費できず。その結果他の産業にもお金が回らなくなり、日本全体の経済が動きを鈍らせてしまったのです。<br>得た収入を市場に還元することで、経済は回り続けます。経済を活発に回すためには、多くの収入を得られる産業が必要。すなわち、産業が活発であって初めて経済は豊かに回り始め、市場が活性化していくのです。</p><h2 id="hb76fe65c5f">産業全体の動向がわかる経済指標</h2><p>産業には製造業、商業、金融業、サービス業など、多くの種類があります。経済統計によれば、細分化した数はなんと400以上。それぞれの産業の活動が鈍ければ、他の産業にも影響を与え、経済全体の動きが鈍化してしまいます。そうならないためにも、各産業がどのような動きを見せ、何に問題を抱えているのかを明確にするのが大切。そのために用いられるのが、産業全体の動向を測定する経済指標です。</p><h3 id="h18bdd2d599">法人企業統計とは</h3><p>財務省主導で行われる、営利法人等の企業活動の実態を把握するための調査・統計です。調査には2種類あり、営利法人等のその年度における確定決算の計数を調査する「年次別調査」、資本金等が1,000万円以上の営利法人を対象とした四半期ごとの仮決算数を調査する「四半期別調査」に分かれています。<br>調査対象は2009年度以降、資本金5億円以上の全企業および資本金1億円以上の保険業・金融業が対象となっています。この調査では、各企業の貸借対照表・損益計算書に基づくあらゆる計数が集計され、業界別に集計されて公表。この統計により、業界ごとの景気の状況や設備投資の動向といった動きが読み取れます。<br>財務省財務総合政策研究所「<a href="https://www.mof.go.jp/pri/reference/ssc/index.htm" target="_blank" rel="noopener noreferrer">法人企業統計調査</a>」<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/bcfd931040344c99bcb573b1e96c836f/AT_indusries_keizaisihyou_1.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="法人企業統計"><br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/468a5879d3ef4c1393334a12cf36724d/AT_indusries_keizaisihyou_2.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="法人企業統計・年次別調査"></p><h3 id="hadd1e88344">日銀短観とは</h3><p>日本銀行が主導で全国の企業に調査を行う統計調査です。正式名称を「全国企業短期経済観測調査」といい、全国の企業動向から適切な金融政策の運営を行うことを目的としています。<br>調査対象は全国の資本金2,000万円以上民間企業から抽出された約1万社。回答義務や罰則がない調査ですが、回答率は軒並み99%という驚異的な数値を誇ります。<br>調査は毎年3・6・9・12月に行われ、翌月初～中旬に調査結果が公表されます。速報性が高いことから、市場からも注目を集める経済指標とされています。<br>調査内容は、売上や設備投資額などに対する実績や予測値など、企業活動全般に渡ります。また事業の状況に対する経営者の判断項目もあり、数値には表面化しにくい経営者の心理的動向も調査しています。<br>市場におけるあらゆる判断材料が集計されるため、政府主導の調査でないにも関わらず、非常に高い信頼度を持つ統計となっています。そのため日銀による景気動向の判断だけでなく、投資家による市場判断にも活用されています。<br>日本銀行「<a href="https://www.boj.or.jp/statistics/tk/index.htm/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">短観</a>」<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/9de8946d57be4dca91b95eedc276c181/AT_indusries_keizaisihyou_3.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="日銀短観"><br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/2bc70c0aa1d948cf98111bea6ea5cee4/AT_indusries_keizaisihyou_4.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="日銀短観"></p><h3 id="h7787e4d66b">景気動向指数とは</h3><p>景気全体の現状の把握や未来の動向を予測するための指標です。内閣府が主導でまとめており、計30の指標から総合的に景気の動向を判断しています。<br>景気動向指数はコンポジット・インデックス（CI）とディフュージョン・インデックス（DI）に分かれており、さらにそれぞれ先行指数、一致指数、遅行指数の3本の指数に分かれています。それぞれ判断材料とする指標が異なり、景気の動向を過去・現在・未来の観点から分析するために用いられます。<br>景気動向指数は毎月第1～2週目に前月分の速報指数が発表され、約2か月後に改訂状況として再発表されます。速報性が高く、参照する指標も豊富な点が、GDPよりも優位な点として捉えられています。<br>内閣府「<a href="https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/di.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">統計表一覧：景気動向指数 結果</a>」<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/36fbd3e776b3456ea6837d092e9a1abc/AT_indusries_keizaisihyou_5.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="景気動向指数"></p><h4 id="hc48e37ed0f">CI,DI、先行指標、一致指数、遅行指数の違い</h4><p>景気動向指数を構成する5つの要素が「CI」「DI」「先行指標」「一致指数」「遅行指数」です。<br>CIとDIは、同じ指数を異なる観点から分析する景気指標です。<br>CIは景気変動の大きさやテンポを表す指数です。構成する指標の動きを合成して測定します。2015年の指数を基本値となる100とし、前月の指数が100を上回るようなら景気が拡大局面、下降しているなら後退局面であることを示します。また指数変化の大きさがテンポを表しており、指数の変化が大きいほど拡張または後退のテンポが早いことを表します。<br>DIは、関連する経済指標の中で、景気の拡大を示している指標の割合を示したものです。50%を景気の拡大・後退の境目とし、100%に近いほど景気は拡大局面にあり、0%に近いほど後退局面であることを示します。<br>先行指標・一致指数・遅行指数は、景気との連動の仕方によって分類される指数です。<br>先行指標は景気に対して先行して動く指標です。将来の景気がどのように変化をするか、先行きの予測に適しています。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/48ffd4f4c4b34f0889c65df1509525e5/AT_indusries_keizaisihyou_6.JPG" alt=""><br>一致指数は景気に対してほぼ一致する状態で連動する指数です。現在の景気の状態を把握するのに適しています。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/2b22240b7d30489989760455708e3ed2/AT_indusries_keizaisihyou_7.JPG" alt=""><br>遅行指数は、景気の変動と一致せず、やや遅れて変化する指数です。およそ数ヶ月から半年ほど遅れるとされており、景気対策の効果検証に適しています。<br>全国では、以下の指標を景気動向指数の分析に用いています。なお、都道府県によっては異なる基準を設けている場合もあります。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/46239b3744324eacb3eefbf24a0d3c8d/AT_indusries_keizaisihyou_8.JPG" alt=""></p><h3 id="h2283fbe59f">景気ウォッチャー調査とは</h3><p>地域ごとの景気動向を把握し、国内の景気動向を判断するための調査です。対象地域は北海道・東北・北関東・南関東・甲信越・東海・北陸・近畿・中国・四国・九州・沖縄の12地域に分割。小売業やレジャー業、運送業といった地域の経済活動の動向を観察できる業種の中から「家計動向判断」「企業動向関連」「雇用関連」の調査に適した計2,050人を対象に、電話もしくはWebサイトを使ってインタビュー、または電子メールで質疑応答を行います。<br>調査期間は毎月25日から月末にかけて行われ、調査結果は翌月中旬に発表されます。調査内容は指数ではなく、各分野ごとに景気の現状判断、業種・職種、判断の理由、具体的状況の所感をリスト化。現地における景気の変動を肌で感じた声から、実態としての景気動向を推し量ることができます。<br>内閣府「<a href="https://www5.cao.go.jp/keizai3/watcher/watcher_menu.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">景気ウォッチャー調査</a>」</p><h3 id="h7f77d85e55">企業倒産件数とは</h3><p>日本国内における倒産件数を集計した調査です。民間企業である株式会社東京商工リサーチが実施しており、全国かつ負債総額1,000万円以上の倒産統計を対象に「倒産月報」として月次で発表。さらに年半期（1～6月、7～12月）、年度半期（4～9月、10～3月）ごとに集計しています。<br>倒産件数の推移から、現在の景気の動向や景気対策の成果が読み取れます。また産業別・地域別に集計された倒産件数からは、業界や地域に紐付く動向が見え、投資家の判断材料としても有効に活用できるでしょう。<br>株式会社東京商工リサーチ「<a href="https://www.tsr-net.co.jp/news/status/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">企業倒産件数状況</a>」<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/8ab57c612fe4440d9c762744044f8be5/AT_indusries_keizaisihyou_11.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="企業倒産件数"><br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/6d6e02591277433e8bc0aee0dfa243a2/AT_indusries_keizaisihyou_10.JPG" alt=""></p><h3 id="h8ea963d848">鉱工業指数とは</h3><p>日本国内全体の鉱業・工業の動向を示す統計です。生産・出荷・稼働率などの項目において、基準時と比較した指数を用いて現在の状況を表現します。<br>基準時は2015年1～12月の平均値を100とし、比較対象は数量の変動のみとしています。<br>指数比較の対象となる項目は、それぞれ以下の内容です。<br><br>集計は月次で行われ、速報は翌月末、確報は翌々月中旬に行われます。鉱工業の動向を通じて国内の生産業の景気を判断し、生産活動や生産動向の先行きに関する基調判断、GDP、景気動向指数といったあらゆる指標の集計に幅広く利活用されています。<br>経済産業省「<a href="https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/gaiyo.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">鉱工業指数の概要</a>」<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/0c1ccf9c09a647f69141d4525a91564c/AT_indusries_keizaisihyou_13.JPG?w=1280&amp;h=720" alt="鉱工業指数"><br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/c984cecbd3404fd09e03f5b6cc805601/AT_indusries_keizaisihyou_14.JPG" alt=""></p><h3 id="h8011386c96">第３次産業（サービス産業）活動指数</h3><p>第3次産業（サービス業）に属する業種の生産活動を総合的に捉えるため、経済産業省によって統計が出される経済指標です。対象は非製造業に該当する広義のサービス業であり、2015年を基準年とした「日本標準産業分類」の13大分類に属する業種が対象。集計時には11分類に再編成されています。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/2add0cc3246f443abfd591d89d9b854f/AT_indusries_keizaisihyou_16.JPG" alt=""><br>集計は月次で行われ、該当月の統計は翌々月の中旬に経済産業省のホームページにて発表されます。<br>第３次産業活動指数は景気動向を捉えるための指数として「景気動向指数」や「月例経済報告」の参考とされています。「鉱工業生産指数」と並んで、国内産業の動向を捉えるための指数として大変重要な存在です。<br>経済産業省「<a href="https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/index.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">第３次産業（サービス産業）活動指数</a>」<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/70891e7a1e554663aa6bc24f16c8506b/AT_indusries_keizaisihyou_15.JPG" alt=""></p><h2 id="ha214098e44">まとめ</h2><p>産業の動向を指標を通じて読み解くことで、経済の動向をより深く分析できるようになるでしょう。各産業の指標は、短期的な分析だけでなく長期的な視野も重要。数字の動きがどのように経済に結びついているかを考えると、一歩進んだ経済分析に繋がります。ぜひそれぞれの産業指標を読み解いてみてください。</p>

産業ごと動向を把握するのは、株式投資や事業作り、就活・転職でも有効です。調べ方からデータ元、データの扱い方を徹底解説

産業全体の動向がわかる経済指標を徹底解説

<h2 id="h2165c678d5">物価は経済にどんな影響を与えている？</h2><p>物価とは、モノやサービスの平均的な価格を表した指標です。物価の変動は景気の動向を表す一面もあるため、経済の動向と密接な関係にあるといえます。つまるところ、経済を理解したければ、物価の動向を観察するのがひとつの選択肢として有効なのです。</p><h2 id="h320077a59b">物価の動向がわかる経済指標</h2><p>物価は需要と供給のバランスにより変動します。市場に溢れるモノやサービスの需要を決める要素のひとつにあるのが、消費者のお財布事情。個人消費を支える雇用を見れば、経済の動向も見えてきます。</p><h3 id="h1dd826b5e4">現金給与総額とは</h3><p>厚生労働省では、毎月「毎月勤労統計調査」をまとめ、労働者の給与実態を調査集計しています。<br>そのうち「きまって支給する給与」と「特別に支払われた給与」を合算した数値が、現金給与総額です。<br>きまって支給する給与は、契約で定められた通常の給与に所定外労働給与（残業代）を足したものです。<br>特別に支払われた給与は、突発的に支給された契約外の賞与やボーナスが含まれます。<br>現金給与総額は一般労働者およびパートタイム労働者別に月次で集計され、給与水準の推移確認に用いられます。<br>給与は会社の景気が改善したのちに変動する要素であるため、景気動向指数のうち遅行指数に該当します。<br>現金給与総額が上昇傾向にあるなら、景気の上昇は進んでいる状態であると判断する材料になるでしょう。<br>現金給与総額は、厚生労働省が公表する「毎月勤労統計調査」内「第1表　月間現金給与額」から、「きまって支給する給与」と「特別に支払われた給与」を合算して算出します。<br>当月分の速報は翌々月初旬、確報は翌々月下旬からさらに翌月の初旬に公開されます。<br>厚生労働省「<a href="https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/30-1.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">毎月勤労統計調査</a>」</p><h3 id="h3dbcfc0bc0">所定外労働時間とは</h3><p>所定外労働時間は、企業が定めた定時である「所定労働時間」を超えて働いた残業時間を指します。あくまで所定労働時間は企業の定めによりますので、1日8時間の法定労働時間を超えた時間とは限りません。所定労働時間が7時間に定められている場合には、7時間を超えた時間がすべて該当します。<br>所定外労働時間は、製造業では先行指数、全産業では一致指数に該当する指数です。所定外労働時間が延びる傾向が見られるなら、景気の上昇傾向にあると判断できるでしょう。<br>厚生労働省が毎月公表する「毎月勤労統計調査」内「第2表　月間実労働時間及び出勤日数」から「所定外労働時間」を参照します。<br>当月分の速報は翌々月初旬、確報は翌々月下旬からさらに翌月の初旬に公開されます。<br>厚生労働省「<a href="https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/30-1.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">毎月勤労統計調査</a>」</p><h3 id="h7ec09b57e2">常用雇用指数とは</h3><p>常用雇用指数とは、各月月末の常用労働者数を指数化したものです。<br>常用労働者とは、無期限もしくは1か月以上の期間を定めて雇われている者を指し、労働者の増減傾向を確認できます。<br>労働者の雇用は、企業にとって大きな負担になりえるため、企業は景気の回復を実感してからでないと雇用に踏み切らない傾向があります。そのため常用雇用指数は景気動向指数の遅行指数のひとつとされており、景気の上昇から遅れて上がり始めます。<br>常用雇用指数は、厚生労働省が公表する「毎月勤労統計調査」内「時系列第2表　労働時間指数 」に集計されています。<br>当月分の速報は翌々月初旬、確報は翌々月下旬からさらに翌月の初旬に公開されます。<br>厚生労働省「<a href="https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/30-1.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">毎月勤労統計調査</a>」</p><h4 id="h80b6ff4b3f">指数の考え方</h4><p>毎月勤労統計調査で作成される指数は、基準年の平均値を基準値100として求められます。<br>常用雇用指数における基準年は2005年であり、5年ごとに見直しがされています。<br>指数を算出する算式は以下の通りです。<br>各月の指数＝各月の調査結果の実数/基準値×100<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/b3dd261b1b314b9fa2956f41ae2b712e/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%891.JPG" alt=""><br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/3e78202e14b2410da3e9d96fa7a48554/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%892.JPG" alt=""></p><h3 id="h74c1e85cf2">消費者物価指数とは</h3><p>消費者物価指数とは、消費者が購入するあらゆる商品やサービスの価格の変化を指数化し、変動を測定できるようにしたものです。<br>基準時を100とした指数に対し、数値が上回っていれば物価が上昇。指数が105を示したなら、5%の物価上昇が発生しているとみることができます。<br>景気がよい時には消費者の購買意欲が高く、物価も上昇する傾向となります。一方景気が悪化している時は低下気味の消費者の購買意欲を支えるため、物価も下がる傾向がみられます。<br>しかし景気が悪化しているのに物価が上昇する「スタグフレーション」という状態もあるため、物価指数のみで景気動向を判断するのは危険といえるでしょう。<br>消費者物価指数は総務省統計局が毎月公表。当該月の翌月下旬に公表と、年末・年度末にも12か月分の動向が集計されます。<br>総務省統計局「<a href="https://www.stat.go.jp/data/cpi/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">消費者物価指数</a>」</p><h4 id="h80b6ff4b3f">指数の考え方</h4><p>消費者物価指数は、品目または類ごとに計算されます。<br>基準年の年間平均を100とした場合の算式は以下の通りです。<br>各品目の指数＝各品目の調査結果の実数/基準値×100<br>基準年は2021年10月現在は2020年としており、末尾が0と5の年ごとに見直しされます。<br>2020年基準における指定品目は582種類となっており、それぞれの指数に指定されたウェイトで加重平均し、最終的に総合指数などを算出します。</p><h2 id="ha214098e44">まとめ</h2><p>物価はモノやサービスの価格を表す指標であり、その動きは需要と供給によって決まります。需要が景気の向上によって伸びれば、経済が大きく回り、景気に紐付くあらゆる指標に変化が見られるでしょう。<br></p>

日々生活の中でよく見るモノの値段から経済を把握することができます。

物価の状況から経済を把握できる経済指標を徹底解説

<h2 id="ha3255cf156">国際収支は国の損益計算書？</h2><p>国際収支とは、日本と海外の間で行われた資金のやり取りの記録です。財貨やサービスの輸出をプラス、輸入をマイナスとして計上し、一定期間内の収支を集計します。<br>日本からいくらの資金が支出され、いくらが収益となったか。プラスとマイナスを比較した成績を算出するところから、国の損益計算書とも呼ばれています。<br><a href="https://www.boj.or.jp/statistics/outline/exp/exbpsm6.htm/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">国際収支の仕組み</a><br>国際収支は、日本国内の居住者（居住者）と外国の居住者（非居住者）の間で行われた取引を、以下の区分により計上します。<br>・経常収支<br>・金融収支<br>・資本移転等収支<br>計上する価格は原則として取引価格を使用し、取引が発生した時点を計上時期とします。<br>原則として国際収支の資料は円建てで作成され、外貨建ての取引は市場実勢レートにて円換算されます。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/99305afb08cc406b83210a74cbf6796e/AT_trading_keizaisihyou_1.JPG" alt=""><br></p><h3 id="hcf170198ff">経常収支</h3><p>経常収支は、居住者と非居住者の間で行われた経済活動のうち、財貨・サービス・所得の取引や経常移転を対象としたものです。集計上は以下の項目に分けて集計されます。<br>・貿易・サービス収支<br>・第一次所得収支<br>・第二次所得収支</p><h3 id="hd3ada1dfb2">貿易・サービス収支</h3><p>居住者と非居住者の間で行われた対価を伴う取引が計上されます。<br>財貨を対象とした収支は「貿易収支」として計上されます。<br>・一般商品全般<br>・非貨幣用金<br>無形財であるサービスを対象とした収支は「サービス収支」として計上されます。<br>・輸送<br>・旅行<br>・金融<br>・知的財産使用料<br>・通信・コンピューター・情報サービス<br>・文化・娯楽サービス<br>・その他業務サービス</p><h3 id="h99b1f8c94e">第一次所得収支</h3><p>第一次所得収支は、居住者・非居住者間で発生した雇用者報酬、投資収益が計上されます。また投資収益は以下の3つに区分されます。<br>・直接投資収益：親会社と子会社の間で発生した配当金・利子<br>・証券投資収益：子会社以外からの配当金、債券等の金融商品の利子<br>・その他の投資収益：上記に該当しない利子。貸付金・借入金・預金などの利子・利息が該当する</p><h3 id="ha2a820fbb9">第二次所得収支</h3><p>第二次所得収支は、居住者と非居住者間で発生した、対価を伴わない資産の提供にかかる収支が計上されます。<br>食糧や衣料品などの無償資金援助、外国人労働者による本国への送金などが該当します。</p><h3 id="h750e4c4095">金融収支</h3><p>金融収支は、居住者と非居住者の間で行われた経済活動のうち、貨幣的資本の取引を対象としたものです。集計上は以下の項目に分けて集計されます。<br>・直接投資<br>・証券投資<br>・金融派生商品<br>・その他投資<br>・外貨準備</p><h4 id="h04c15562fd">直接投資</h4><p>外国企業の株式取得、貸付期間が1年を超える金銭の貸付けなどの企業間取引が計上されます。資本を投下した対象によって以下に区分されます。<br>・株式資本<br>・収益の再投資<br>・負債性資本</p><h4 id="h2fda069d51">証券投資</h4><p>証券投資は、株式、投資信託、債券の取引のうち、直接投資や外貨準備に該当しないものを計上します。具体的には以下の項目が該当します。<br>・株式<br>・投資ファンド持分<br>・債券（中長期債、短期債）</p><h4 id="h20c72ee5ab">金融派生商品</h4><p>先物取引、オプション取引、スワップ取引など、他の金融商品の価格に連動して価格が決まる金融商品を計上します。</p><h4 id="heda3a59c77">その他投資</h4><p>直接投資、証券投資、金融派生商品、外貨準備のいずれにも該当しない金融取引を対象に計上します。具体的には以下の項目が該当します。<br>・持分<br>・現預金<br>・貸付・借入<br>・保険・年金準備金<br>・貿易信用・前払<br>・その他資産・その他負債</p><h4 id="hc132d4775d">外貨準備</h4><p>為替介入や通貨危機に対する対応などに使用する通貨当局が管理する対外資産を計上します。具体的には以下の項目が該当します。<br>・貨幣用金<br>・特別引出権<br>・IMFリザーブポジション<br>・その他外貨準備</p><h3 id="h520083c714">資本移転収支</h3><p>対価を伴わない固定資産の提供や債務免除等を計上します。性質により以下の項目に分類されます。<br>・資本移転<br>・非金融非生産資産の取得処分<br><br><a href="https://navi.funda.jp/article/gdp" target="_blank" rel="noopener noreferrer">国際収支と密接な関係である「GDP」はこちらから</a></p><h2 id="h2ab3427b74">国際収支の考え方</h2><p>国際収支は、発生した取引を複式簿記の手法を用いて記帳します。<br>複式簿記では、ひとつの取引に対し、資産の増加・負債の減少を借方、資産の減少・負債の増加を貸方に記載します。<br>またその資産の増加・負債の減少の原因となった現象を貸方、資産の減少・負債の増加の原因を借方に記載します。<br>&nbsp;<img src="https://images.microcms-assets.io/assets/6133d7fd3656441cbbc75f00f8616cd8/902a58694e1040f2a30768afe26bc64b/AT_trading_keizaisihyou_2.JPG" alt=""><br>国際収支は、複式簿記の原則に基づき以下の計算式が成り立ちます。<br>経常収支＋資本移転等収支－金融収支（＋誤差脱漏）＝0<br>ただし、国際収支は金額の構成が複雑な上、規模が大きいため誤差が非常に出やすい特徴を持ちます。その誤差は「誤差脱漏」を使用して帳尻を合わせ、貸方・借方それぞれの合計の誤差をゼロにする前提で運用されます。<br>国際収支における黒字・赤字は、一般的には財貨・サービスの輸出入差額を示す経常収支を指しています。</p><h3 id="h4ab9958c71">外貨準備高とは</h3><p>外貨準備高は、国が保有する外貨であり、国際通貨として認知されているものです。国が通貨危機などに陥り、自国の通貨の価値が危ぶまれてしまうと、自国通貨を使った海外との取引が困難となります。<br>外貨準備高は外国の通貨や証券で構成されており、直ちに使用できるものとして準備されています。もし自国の貨幣を使った貿易が困難となった場合でも、外貨準備高を用意しておくことで、緊急時に国際収支を支えることができるのです。</p><h2 id="h539dd78d4e">日本の国際収支は黒字なのか？</h2><p>日本の国際収支は、2020年においては17兆6,976億円の黒字となりました。<br>貿易・サービス収支は、昨年比で▲9,965億円の▲4,905億円となりました。貿易収支が2兆6,645兆円の黒字幅拡大を見せたものの、サービス収支が▲3兆5,362億円の赤字転化をした影響が大きく、貿易収支を食い潰した形となっています。<br>一方で好調なのが第一次所得収支で、堅調に20兆7,175億円の黒字。第二次所得収支、貿易・サービス収支の赤字を吸収してなお、17兆6,976億円の黒字を出しています。<br><a href="https://ecodb.net/ranking/imf_bca.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">諸外国との収支比較</a><br>世界の国際収支を見ると、2020年の1位は中国で2,740億米ドル。2位はドイツで2,670億米ドル。日本は1,644億米ドルで、第3位につけています。4位に台湾、5位に韓国が入り、トップ5中4か国がアジアが占め、アジアの経済力の強さが浮き彫りになりました。<br>一方のアメリカは6,161億米ドルの赤字で、193か国中最下位。192位のイギリスのおよそ6倍の経常赤字を計上しており、世界最大の貿易赤字国の地位を不動のものにしています。<br>ただし、アメリカはGDP成長率が2%台と堅調に推移しており、国内需要が絶好調。多くのモノを必要とするアメリカ国内経済を支えるために、膨大な輸入が必要という側面もあります。</p><h2 id="h76ce952876">国際収支はなぜ重要なのか？</h2><p>国際収支を通じて得られる対外取引状況の数字からは、日本の世界における立ち位置を見ることができます。また国際収支とあらゆる指標との関係を知ることで、国際収支から今後の経済の動向を予測することも可能です。</p><h3 id="h3fd0054c0c">国の経済活動の状況を表している</h3><p>国際収支は、国が海外との貿易でどのような取引をしているのかを明確に表す指標です。国際収支を分析すれば、国が何を収入源として、どんな経済を展開しているのかを見ることができます。<br>日本は長らく”モノ作り大国・日本”として、製品の輸出が外貨の稼ぎ頭でした。しかし近年では貿易収支は赤字となり、貿易大国の姿は鳴りを潜めています。一方で経常収支を押し上げているのが、投資や第一次所得です。対外経済取引の主役がモノから人、カネへとシフトしている現状から、日本が投資立国、人材立国としての立場を強めていることがうかがえます。</p><h3 id="he1f78e6da4">国際収支と為替相場は深い関係</h3><p>国際収支の動きは、為替相場と深い関係を持っています。<br>例として、日本からアメリカへの輸出を増やした場合、アメリカからの代金受取により、経常収支は黒字側に振れる動きを見せます。その代金はドルで受け取っているため、代金を受け取った企業はドルで円を買う動きが生まれるため、円の価値が上がり円高ドル安に振れる要因となります。<br>反対にアメリカからの輸入が増えた場合には、アメリカ側で日本円が売られてドルが買われるため、円安ドル高の傾向が強まります。</p><h3 id="hacdef3b63a">国際収支と貿易摩擦の関係</h3><p>貿易摩擦は、貿易黒字国と赤字国の間で起きる貿易上の衝突のこと。輸入される製品が国産品と競合し、国内の生産者が職を失うリスクが生まれます。輸入国側の消費者とすれば、商品の選択肢が増えるため安価な商品の輸入は歓迎したい面もありますが、職を失った生産者の業態転換が簡単ではないため、国は生産者や作業を保護するために輸入制限や高い関税をかける場合もあります。<br>輸入制限や関税がかけられると、輸出側はそれまで通りに売れなくなるため、国際収支に大きなダメージを受けることになります。そのため輸出側は輸入を再開してもらえるように働きかけますが、その折り合いが上手くつかない場合、国家間の対立を招く恐れもあります。</p><h2 id="ha214098e44">まとめ</h2><p>国際収支からは、世界経済において現在の日本がどのような立ち位置にいるかが見えてきます。国際収支の構成を見れば、各国とどのような関係を築いているのか、日本は何を売りにして生きていく国なのかといった実態が見えてくるでしょう。</p>

国際収支は、日本と海外の資金のやり取りを表します。経済を回している資金が日本に入っているのかを把握できます。

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