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金融サービスの儲けの仕組みは?ウェルスナビの利益モデルを解説!

2024.4.24

金融サービスの儲けの仕組みは?ウェルスナビの利益モデルを解説!

この記事では、企業のビジネスモデルと財務数値を結びつける会計クイズを元に、サービスの儲けの仕組みを解説します。

1日1問挑戦して、ビジネス知識を身に付けましょう。

今回は、ロボアドバイザー市場シェアNo1の資産運用サービス「WealthNavi」の事例を元に、金融サービスの儲けの仕組みを解説します。

金融サービス関連の他社のビジネスと比較することで、どのように収益を生み出しているかや、事業を見るうえで重要となる指標を解説します。


会計クイズ:登場企業紹介

最初に今回の登場企業の紹介です。

  • ウェルスナビ(資産運用サービス)
  • マネーフォワード(家計管理アプリ・会計ソフト)

この2社は金融サービス関連のビジネスを展開する企業です。

しかし、それぞれのビジネスモデルは大きく異なります。

2社の特徴


ウェルスナビ:事業内容と特徴

ウェルスナビは、スマホ1台で資産運用ができるサービス「WealthNavi」を運営している企業です。

顧客の預かり資産の1%を手数料として受け取っています。

ウェルスナビとは

「WealthNavi」は、従来の資産運用とは異なり、ポートフォリオの構築からリバランス、税金の最適化までの資産運用の全プロセスを自動化しています。

従来の資産運用との違い

顧客層は20代~50代の働く世代が中心で、そのうち投資未経験者が約3割を占めています。

ウェルスナビの顧客層


マネーフォワード:事業内容と特徴

マネーフォワードは、法人のバックオフィスを支えるソフトや個人の家計管理ソフトを提供している企業です。

どちらのソフトもSaaS形式で提供しています。

マネーフォワードとは


会計クイズ:問題

以上を踏まえてクイズです。

ロボアドバイザーによる資産運用サービス「WealthNavi」を運営しているウェルスナビの貸借対照表はどちらでしょう?

各社のビジネスをイメージしながら考えてみてください。

タップで回答を見ることができます

1

選択肢①

2

選択肢②

貸借対照表について詳しく知りたい方は、下記の記事もおすすめです。

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会計クイズ:正解の発表

正解は選択肢①がウェルスナビの貸借対照表でした。

お付き合い頂き、ありがとうございます。

会計クイズの正解発表

ここからはウェルスナビの決算資料から、事業内容や儲けの仕組みを読み取っていきます。

まずは、ウェルスナビのMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を解説していきます。


ウェルスナビのMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)

ウェルスナビは、「働く世代に豊かさを」というミッションを掲げ、働く世代の豊かな老後のために、ロボアドバイザーによる資産運用サービスを開発・提供しています。

ウェルスナビのMVV


ウェルスナビのビジネスモデルとは

ウェルスナビは、資産運用サービス「WalthNavi」を顧客に提供し、預かり資産の1%を手数料として受け取るビジネスモデルを採用しています。

また、提携パートナー事業も展開しており、提携パートナーが顧客に「WealthNavi」を紹介した際に、手数料をレベニューシェアの形で収益を配分するモデルも採用しています。

これによって、より多くの顧客にサービスを提供することが可能になりました。

ウェルスナビのビジネスモデル

それでは、ここからはウェルスナビの財務数値を見ていきましょう。


ウェルスナビの売上高はいくら?

ウェルスナビの売上高は、資産運用サービス「WealthNavi」による手数料収入がメインです。

ウェルスナビの売上高の内訳

直近2021年の売上高は46億円となっており、継続的に右肩上がりで成長していることが読み取れます。

ウェルスナビの売上高の推移

それではここからは、ウェルスナビの収益構造の詳細を確認していきます。


ウェルスナビの収益構造は?

ロボアドバイザーによる資産運用サービスの収益分解をすると下図の通りとなります。

「WealthNavi」事業の売上高は預かり資産×手数料率に分解できます。

手数料率は、シンプルかつわかりやすさの1%を売りにしているため、容易に引き上げることができません。

したがって、顧客の預かり資産が重要なKPIとなります。

ウェルスナビの収益構造

上記の収益構造を踏まえて、ウェルスナビの売上高を構成するKPIを見ていきます。


預かり資産と運用者数の推移

ウェルスナビは、預かり資産の1%が手数料収入となるため預かり資産と運用者数が非常に重要な指標となります。

預かり資産と運用者数の推移を見ると、両者ともに年々増加しており、直近では簿価ベースで約5,000億円の預かり資産と約31万人の運用者数を抱えています。

預かり資産と運用者数の推移


手数料率

手数料率はシンプルな1%で固定されており、売買手数料などの他の費用は受け取っていません。

手数料率


解約率とその他の指標

顧客が増えたとしても満足するサービスでなければ解約されてしまい、売上高増加につながりません。

ウェルスナビの解約率を見ると1%以下を維持しており、また顧客の預かり資産も増加していることが読み取れます。

※Net AuM retentionとは新規運用者の預かり資産が、年何%の速度で増加したかを表す指標(簿価基準で、時価の変動分は除く)です。計算式:(当初の預かり資産額+1年間の積立額+1年間の積立以外の追加入金額-1年間の出金額)÷ 当初の預かり資産額。

解約率とその他の指標


KPIを高めるための施策

ウェルスナビは、広告や提携パートナー経由の紹介から顧客を獲得し、顧客にあった資産運用サービスを提供することで預かり資産を増やしています。

ウェルスナビのビジネスモデル

また、顧客が継続的に資産運用を続けられるようにコラムやオンラインセミナーの開催などでサポートし、解約率の低下に貢献しています。

KPIを高めるための施策


ウェルスナビのコスト構造

ウェルスナビのコスト構造は、広告宣伝費やレベニューシェアなどが中心であり、顧客の獲得に力を入れていることが読み取れます。

ウェルスナビのコスト構造


ウェルスナビの営業利益

営業利益は赤字が続いていますが、広告宣伝費は変動費であるため経営判断次第で0にすることが可能です。

仮に広告宣伝費を0にした場合、営業利益は直近黒字を維持しています。

ウェルスナビの営業利益


ウェルスナビの貸借対照表

以上を踏まえてウェルスナビの貸借対照表を見ていきます。

ウェルスナビは顧客から預かった現金預金が流動資産に計上されます。

また、顧客が預金を引き出す場合、現金預金を後で返さなければいけないため預り金として流動負債が多額に計上されます。

ウェルスナビの貸借対照表


ウェルスナビの成長可能性

それでは、ここからはウェルスナビの成長可能性についてを見ていきます。

ウェルスナビの市場成長シェア

ロボアドバイザー市場全体の預かり資産の成長の74%をシェアしており、高い成長シェアを占めています。

ウェルスナビの市場成長シェア


ウェルスナビの潜在市場

ウェルスナビのターゲット層は20代~50代の働く世代です。

決算資料によると、働く世代の金融資産は約650兆円あり潜在市場は非常に大きいです。

ウェルスナビの潜在市場

働く世代が老後に向けた資産形成を進めると、ロボアドバイザーの潜在市場は今後10年で18~27兆円推定でき、ウェルスナビの今後の動向に注目です。

ウェルスナビの潜在市場


マネーフォワードのビジネスモデル

それでは、他の選択肢であるマネーフォワードを紹介します。

マネーフォワードは、個人向けに家計簿アプリを提供し、法人向けに会計ソフトを提供しています。

ソフトウェアを年額課金で顧客に提供するSaaSモデルを採用しています。

マネーフォワードのビジネスモデル

売上高の内訳を見ると、法人向けのマネーフォワードクラウド事業が売上の約7割を占めています。

マネーフォワードの売上高の内訳

以上を踏まえて、マネーフォワードの貸借対照表を確認します。

マネーフォワードは法人向け事業の多角化によるM&Aの影響でのれんが固定資産に計上されます。

一方、ウェルスナビとは異なり預り金が計上されないため、負債は小さいです。

また、成長投資のための資金を株式発行から調達しているため純資産が多く計上されます。

マネーフォワードの貸借対照表


会計クイズ:まとめ

最後にまとめです。

今回は金融サービスというテーマで、両者のビジネスモデルを比較しました。

金融サービスと言っても、両者の提供サービスやビジネスモデル、貸借対照表の構造が全く違うことが決算数値を見ることによって読み取ることができます。

2社の特徴

以上、今回のクイズの正解は、選択肢①がウェルスナビでした。

会計クイズの正解発表

お付き合いいただきありがとうございました。

決算書や企業のビジネスについて少しでも興味を持っていただけましたら幸いです。

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<この分析記事の出典データ>

ウェルスナビ株式会社 IR

株式会社マネーフォワード IR

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この記事を書いた人

著者:大手町のランダムウォーカー

大手町のランダムウォーカー

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トータルSNSフォロワー20万人の会計インフルエンサー。著書の『世界一楽しい決算書の読み方』はシリーズ累計30万部突破。

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