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内部留保に課税?内部留保について学ぼう!

2024.4.24

内部留保に課税?内部留保について学ぼう!

「内部留保を吐き出せ」「内部留保は企業の貯金だ」「内部留保に課税しろ」などがTwitterで話題になっていたり、ニュースで報道されているのを見たことはありませんか?

これは、内部留保=現金だと誤認している人が騒いでいます。

内部留保は基本的に吐き出せません。

もう一度言います。

内部留保は吐き出せません。

この記事を読めば、内部留保に関して声をあげている人たちの何が間違っているのかがよくわかると思います。

結論から言うと、内部留保は現金ではないため吐き出せません。

上記のような内部留保について誤解をしないように、内部留保についてわかりやすく解説します。

最後までお付き合いください。


内部留保とは

・内部留保は現金ではない、そして吐き出せない

内部留保は、簡単に言えば過去に獲得した利益の蓄積で、株主に配当していない部分です。

例えば、毎年1億円の利益を出す企業を3年運営した際に、3年間で得た利益は3億円となります。そのうち1億円を配当に回していれば、2億円が内部留保になります。

ここまではみなさんわかると思います。

多くの勘違いはここからです。


勘違いの源泉は「投資」という概念の有無です。

企業は儲けたお金を事業に投資しています。

しかし、一般人には「投資」という概念がない方が多くいます。

ここの認識のずれが、「内部留保は吐き出せる」につながっています。


内部留保の考え方(調達と運用の貸借対照表の解説)

投資という概念は、貸借対照表を見るとわかりやすいです。

貸借対照表を見ることで、お金をどのように調達し、運用しているかが読み取れるためです。

言い換えると、調達したお金を何に投資しているのかがわかるためです。

貸借対照表を初めて聞いたという方もいるかと思いますので、ざっくり解説します。

貸借対照表は企業の財務状況を表す財務3表の一つです。

貸借対照表の右側は調達方法を表しています。

簡単に言うと、負債は銀行等からの調達を表し、純資産は会社の資本金や蓄積された利益(内部留保)を表します。

調達したお金の運用状況を表します。

簡単に言うと、調達したお金元手に購入した事業運営に必要な資産を表します。

具体的には下記の3つがわかります。

①会社の規模。

②資産や負債の中身。

③会社の純資産(安全性に関する情報)。

詳しくは、以下の記事を参考にしてください!

https://navi.funda.jp/article/balance-sheet

さて内部留保について、解説を続けます。

以下の図を見てください。

貸借対照表の純資産の中に、内部留保が含まれますが、この内部留保が現金として保有されているわけではありません。

営業活動によって獲得したお金を、不動産に投資したり、在庫の仕入れに使ったりと、利益分が現金で入ってきたとしてもそのお金は今再投資されているということです。

まだピンとこない方もいると思います。

自分の家計と実際の企業事例で考えてみましょう。


内部留保の具体例

具体的な事例を使って内部留保を理解していきましょう。

自分の家計を貸借対照表のように表したことがある人は、多くないと思います。

内部留保は貯金だけじゃなかったと気づくと思いますので、ぜひ読み込んでください。


自分の家計で考えてみる

サラリーマンを想定します。

40歳時点での貸借対照表を作成します。

期間:30歳から40歳

年収(手取り):500万円

年間費用:300万円

年間貯金額:200万円

40歳時に現金で、住宅(持ち家):1,000万円、自動車:500万円を購入します。

毎年200万円の貯金ができ、10年間で2,000万円の貯金ができることになります。

これを企業に置き換えると、10年間で2,000万円の利益が出ていることになります。

そのため、内部留保は2,000万円になります。

住宅と自動車を買う前の貸借対照表を見てください。

内部留保が2,000万円で、現金(貯金)が2,000万円になります。

そして内部留保(貯金)2,000万円を元手に住宅を1,000万円、車を500万円で購入します。

ここでみなさんお気づきかと思いますが、内部留保は2,000万円でも貯金は500万円しかありません。

一般家計でいう、住宅(持ち家)、車、株式投資などはすべて、企業でいう「投資」に当たります。

吐き出せと言われても2,000万円は吐き出せませんよね?

これで内部留保が現金ではないということがわかったと思います。

わかったところで、具体的な企業の事例を見ていきたいと思います。

内部留保が多くて有名な2社です


企業の事例:ニトリ、オリエンタルランド

ニトリの貸借対照表をご覧ください。

なんと厚い内部留保でしょうか。

それに対して、現金はどれほどあるのか確認すると、内部留保と比較したら全然ありません。

次にオリエンタルランドをご覧ください。

またまたとても厚い内部留保です。

しかし、現金は内部留保と比較すると全然ありません。


内部留保はいくらあればいいのか

内部留保がどれくらいあればいいのかというのもよく検索される方がいると思います。

結論から言うと、ビジネスによります。

いくつか事例を見てみましょう。

装置型ビジネスの代表格であるJRは、負債の比率が高くなっています。

逆に資産を多く使わないビジネスであるリクルートは、純資産の比率が高くなっています。

加えて、企業がいままでどれだけ利益を出し、どのように運営してきたかでも大きく変わります。

先ほどのニトリは、店舗や工場、配送センターを持っていますが、純資産の比率がとても高かったと思います。

また、財務安全性という部分のみに注目するのであれば、高ければ高いほど借入が少ないため、安全といえます。

しかし、上場企業においては内部留保の割合が高ければ高いほどいいわけではありません。

この話はファイナンスが絡み、長くなるため、また別の機会で解説します。


まとめ

以上、内部留保についての解説でした。

ここまで記事を読んだ方は、内部留保への理解が深まったと思います。

改めて、内部留保は吐き出せますか?

愚問でしたね。

内部留保の内容と貸借対照表はつながっているので、この際に貸借対照表についても学んでみてください!

こちらを参考までに!

また、会計をもっと勉強したくなったと思った方は、弊社で作っているFundaというアプリを試してみてください。

会計って実は面白いということがわかると思います。


この記事を書いた人

著者:大手町のランダムウォーカー

大手町のランダムウォーカー

Funda社運営

トータルSNSフォロワー20万人の会計インフルエンサー。著書の『世界一楽しい決算書の読み方』はシリーズ累計30万部突破。

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